昨日米国ではベージュブック(地区連銀経済報告書)が発表され、あらためて経済状況の悪さが確認されたが、株式市場はある好材料を手掛かりに上昇している。それは全米モーゲージバンカー協会が発表した、先週の住宅ローン申請者が前の週に較べて112%上昇(営業日数調整後)上昇したことだ。これはファニーメイ等の住宅ローン金利が低下したので、年末までに借り替えようとする人が急増したことによる。また連銀が住宅ローンを金利を引き下げて、住宅購入意欲を促進しようとしているという観測を高まっているようだ。
また米国でサイバーマンディと呼ばれるサンクスギビングディの後の最初の月曜日のオンライン売上が好調だったことも好感されたようだ。サイバーマンディとは、オンラインショッピングのクリスマスセール開始日だ。実際消費景気が悪い中で伸びているのはアマゾンなどのオンラインショッピングだ。
ファイナンシャル・タイムズのベージュブックに関する記事を読むと、貸出基準が引き締められ全米で信用供与が厳しくなっている。しかしシカゴでは連銀の流動性供給の効果で、銀行間の流動性が高まり、預金流出もスローダウンしているという明るい情報もあった。
米国の気の早い投機家の中には、株式市場は底を確認したという人も出て来ているようだ。私はそこまで断言するのは早そうな気がするが、悪い情報の中に僅かではあるが、明るい話が混じるようになってきた気がすることは確かだ。