ニューヨーク・タイムズによると昨日、ビッグ3は新しいリストラ計画を議会に提出した。それによるとGM、フォード、クライスラーの3社は合計340億ドルの政府支援を求めている。これはこの前まで要求していた250億ドルを大幅に上回る。一番資金を必要としているのはGMだ。GMは120億ドルのローンと60億ドルの与信枠合計180億ドルの政府支援を求めている。一番手持ち現金が少ないGMは年末までに40億ドルの融資を受けられないとオペレーションが維持できないと当社は言っている。
これらのことは明日以降日本の新聞でも詳しく報道されるだろうから、あまり書かないがビッグ3の経営陣がどこか変だと思ったのは、今週の木曜日と金曜日に予定されているワシントンでの議会証言にデトロイトから自社製のハイブリッド車で行くと言っていることだ。
前回の議会証言にビッグ3の経営陣は自家用ジェット機でワシントンに来たので、議員達から小言を言われた。つまり会社が左前なのに自家用ジェット機でくるとは何事だ!とお叱りを受けた訳だ。そこで今度はGMのワゴナー会長は自社のシボレー・マリブーというハイブリッド車でデトロイトからワシントンに出かけるというし、フォードの社長はフォード・エスケープ・ハイブリッドで行くと言っている。
デトロイトとワシントンの間の運転時間はざっとみて10時間位だろう。大変な距離だ。普通のビジネス旅行であれば飛行機で往復する距離である。どうして彼等は普通の旅客機に乗らないのか?というのが素朴な疑問だ。
自家用ジェット機を売却することにしたビッグ3の幹部達は、これみよがしに延々と車でワシントンに陳情に行く・・・ということだろうか?
GMはブランドを絞り、シボレー・キャデラック・ビュイック・GMCは残すが、サターン・サーブ・ハマー・ポンティアックは売却ないし廃止する方向を打ち出している。また合理化によって9.6万人の従業員を6.5万人から7.5万人のレベルに削減する計画だ。
これからGMの幹部は全米自動車労働連盟などとタフな交渉をしなければならない。長距離を自動車でノコノコ出かけている時間的余裕はないはずだ。
スタンドプレーが臭過ぎると感じるのは私だけだろうか?