昨日話題にとりあげた堀場製作所の創業者、堀場雅夫さんについて、5年目社長さんがコメントしてくださいましたが、このかたについての私のイメージをちょっと話しましょう。
◆オンリー・ワンを目指せと言う人
テレビで拝見したところ、堀場さんは社内の誰に対しても、「自分の仕事ではオンリーワン、世界一になれ」と言っているようです。
そういうことは職種には関係なくです。たとえば、床掃除をする人であれば、「世界一の床掃除人になるつもりでやれ」と言うらしいのです。
堀場さんのご本を読んだことがありますが、なかなか面白い。私は、マネジメント技術、マネジメント理論、あるいは経営理念という観点から、その類の本を読むことはあまりありません。
もっぱら、その本を書く人がどういった価値観や感受性(性格)の持ち主なのかを考える。その点からすると、堀場さんというかたは割と分かりやすい人です。
基本的には捻れ型だと思います。この言葉の概略は拙著「リーダーの暗示学」に書いていますから、説明は省きます。
要するに負けず嫌いな人なのです。どんなときでも一番になりたい人です。ですから、人にもオンリー・ワンを目指すことを勧めるというわけなんです。
しかし、人様々ですからね。「俺はそんなことにまるで興味がない。ただ、今の仕事がおもしろいので、コツコツやるだけ。人の評価や順番なんかに関心はない」と言う人だっているわけです。
このあたりが、人間の価値観が分かれるところで、おもしろいのです。
おそらく、堀場製作所にはオンリーワンを目指したい人が集まってきているはずです。その可能性がとても高い。そういうことで、社風が形成されていくといえます。
さて、堀場さんのご本で、面白いと私が思ったところがあります。いかにも堀場さんらしいところです。
今はどうかわかりませんが、その本が書かれたころ、堀場さんは東京ー大阪間をしばしば新幹線で往復していたそうです。
もちろん、電車のなかでボケッとしているわけがない。2時間ちょっとでしょうから、頼まれた原稿を書くのにちょうどよい時間なのだそうです。そこで、その間は執筆に費やされたそうです。
新幹線は揺れて原稿書きにあまり向かないそうですが、「ひかり」の二階席は比較的揺れが少なくて原稿が書けるとか。
ところが問題がひとつある。それは後発の「のぞみ」に追い抜かれること。
それだけは、どうしても我慢できない。
それで、堀場さんは対策をとった。「のぞみ」が出た直後の「ひかり」に乗るのだそうです。これなら、追い抜かれることがありません。
おもしろい人でしょう。事業でナンバーワンになるだけではないんですね。どんなときでもナンバーワンにならないと我慢できない性分なのです。子供じみていると思う人もいるかもしれませんが、それが価値観というか、感受性なのです。分かりやすい人ですね。
だいたい、こういう人は竹を割ったような性格をしている人が多い。だから、猛烈に社員を怒るかもしれませんが、あとが引かないタイプです。たぶん、堀場さんもそういうかたではないだろうか、などと私はご本を読みながら空想いたしました。
◆オンリー・ワンを目指せと言う人
テレビで拝見したところ、堀場さんは社内の誰に対しても、「自分の仕事ではオンリーワン、世界一になれ」と言っているようです。
そういうことは職種には関係なくです。たとえば、床掃除をする人であれば、「世界一の床掃除人になるつもりでやれ」と言うらしいのです。
堀場さんのご本を読んだことがありますが、なかなか面白い。私は、マネジメント技術、マネジメント理論、あるいは経営理念という観点から、その類の本を読むことはあまりありません。
もっぱら、その本を書く人がどういった価値観や感受性(性格)の持ち主なのかを考える。その点からすると、堀場さんというかたは割と分かりやすい人です。
基本的には捻れ型だと思います。この言葉の概略は拙著「リーダーの暗示学」に書いていますから、説明は省きます。
要するに負けず嫌いな人なのです。どんなときでも一番になりたい人です。ですから、人にもオンリー・ワンを目指すことを勧めるというわけなんです。
しかし、人様々ですからね。「俺はそんなことにまるで興味がない。ただ、今の仕事がおもしろいので、コツコツやるだけ。人の評価や順番なんかに関心はない」と言う人だっているわけです。
このあたりが、人間の価値観が分かれるところで、おもしろいのです。
おそらく、堀場製作所にはオンリーワンを目指したい人が集まってきているはずです。その可能性がとても高い。そういうことで、社風が形成されていくといえます。
さて、堀場さんのご本で、面白いと私が思ったところがあります。いかにも堀場さんらしいところです。
今はどうかわかりませんが、その本が書かれたころ、堀場さんは東京ー大阪間をしばしば新幹線で往復していたそうです。
もちろん、電車のなかでボケッとしているわけがない。2時間ちょっとでしょうから、頼まれた原稿を書くのにちょうどよい時間なのだそうです。そこで、その間は執筆に費やされたそうです。
新幹線は揺れて原稿書きにあまり向かないそうですが、「ひかり」の二階席は比較的揺れが少なくて原稿が書けるとか。
ところが問題がひとつある。それは後発の「のぞみ」に追い抜かれること。
それだけは、どうしても我慢できない。
それで、堀場さんは対策をとった。「のぞみ」が出た直後の「ひかり」に乗るのだそうです。これなら、追い抜かれることがありません。
おもしろい人でしょう。事業でナンバーワンになるだけではないんですね。どんなときでもナンバーワンにならないと我慢できない性分なのです。子供じみていると思う人もいるかもしれませんが、それが価値観というか、感受性なのです。分かりやすい人ですね。
だいたい、こういう人は竹を割ったような性格をしている人が多い。だから、猛烈に社員を怒るかもしれませんが、あとが引かないタイプです。たぶん、堀場さんもそういうかたではないだろうか、などと私はご本を読みながら空想いたしました。