佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダーの人間行動学21――自画自賛は潜在意識教育になるか?

2008-09-11 08:38:19 | リーダーの暗示スキル
昨今はまたまた血液型ブームがやってきたらしいですね。今日の日経オンラインに「血液型ブームを上司攻略に使う」という記事が出ていました。

「おまえはA型だから神経質でダメなんだ」と上司に言われたら、

「私はB型です」とすっとぼければいいんですって。

「そうか、じゃあその気質のとおりやってくれ」

なんて、励まされるんだ。

血液型を信奉するのもほどほどにしないと、上司は部下にバカにされて、いいように扱われかねませんね。

血液型ブームというのは、結局自分が何者で、どんなことに向いているからを知りたいという強い要求があるからなんでしょうね。

しかし、これは科学的にはあまり意味がない。では、なぜはやるかというと、A、B、O、ABの4種類しかないから、わかりやすい、覚えやすいということだそうです。

人間をそこまで単純に見るのはおかしいことにすぐ気がつきそうなものですがね。

私が紹介している体癖論では、人間を十種類に分類しています。

腰骨は五つあるので、それに対して重心のかかり具合がどう違うかによって十種類に分類しているわけです。

しかし、血液型のようにすっきり(?)とした分類にはなりづらい。

それは、人間は誰でも腰骨が五つあるからです。いくら腰椎3番の骨に力のかかりやすい人でも、ほかの骨にも力はかかっている。

だから、純粋な体癖を示す人はほとんどいない。

たいてい、十種類のどれかの特徴がいくつか混じっている。そうなると、組み合わせは猛烈な数になって、なんだかわけがわからなくなる。

体癖論を創った野口晴哉という人は超人的な人で、実は十二種類の体癖に加えて、脈の打ち方を何十種類かに分類して、その組み合わせで人間を分類していたとか。組み合わせると幾何級数的に数が増えます。

お弟子さんたちは誰も理解できなかった。ということで、結局、いまの十二種類が残ったということです。

(二種類は特殊体癖ですから、私は十種類しか人には説明しません。私は特殊体癖の人はまだ見たことがありません)。

それはそうと、プロとアマとの違い、あるいは一流のプロと並のプロとの違いは、この感覚の差です。上に行くほど微細な差がわかるようになるわけです。

囲碁とか将棋でもそうでしょう。強い人はものすごく微妙なところまで考えている。どこまで深く読んでいるんだろうと、鳥肌が立つらしいですよ。

でも、鳥肌が立つのは、あくまでそのレベルに達している人で、そうでない人は「そんなもんですか」で終わりです。

勝負師というのは、常に自分がすごいんだと相手を威圧しようとする。普段からそういうプレッシャーを相手に与え続けるのです。

将棋の棋士だったら、対局が終わったあとの感想で、自分はこんなことも読んでいた、あんなことも読んでいた、と相手に話す。

すると、相手はそこまで深く読まれていたのかと、びびってしまうんですね。

軍人なら、いつも金ぴかな軍服を身にまとい、ひげをたくわえて、威厳を保とうとする。

相撲取りなら、稽古のときに思いっきり相手を投げ捨てて、痛めつけておく。「とてもかなわない」と思い知らせておくんです。

これは一種の『潜在意識教育』ですね。

こういうのを、リーダーはもっと使いこなせるといいですね。もちろん、部下のやる気がわくようにするためにですよ。

やっぱり『リーダーの暗示学』は名著だと思いますね。そう言って、自分で自分に潜在意識教育をしよう。


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