佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダーの暗示学692――心に限定を与える手段

2007-01-09 10:17:29 | リーダーの暗示スキル
去年の11月頃でしたか、ミカンダイエットというのを試してみました。ミカンでもリンゴでもいいというので、安い方のミカンを選んだんですが。やり方は極めて簡単で、食前にミカンを食べるだけ。あとはふつうでいいというのです。


「ミカンダイエットの顛末」
 なんでも、ミカンの成分のなんとかが、糖の吸収を妨げるとか言ってましたね、テレビでは。3週間くらい続けると効果が出てくるらしいのです。
 
 最初の一日目はミカンをおいしくいただけ、ごはんもとてもおいしかったですね。好きなデザートを事前にいただけるような、得した気分でした。
 
 二日目。ミカンは好物なのでうれしいですね。食事もいつもより控えめにできるような気がしました。
 
 三日目。ミカンを冷蔵庫から取り出すのがちょっと面倒かな、くらい。食事はまあいつも通りですね。いや、やや控えめにできたかな。
 
 四日目。おや、このミカン甘くないぞ。
 
 五日目。ミカンまずい。こんなものメシの前に食ったら、メシが台無しになるかも知れんぞ、と思い出す。
 
 六日目。うわー、もうたまらん。なんでメシの前に、こんなまずいミカン食わにゃならんのだ。
 
 七日目。もうやめた、ミカンなんか食うもんか。へきえきだ。
 
 八日目。ミカンダイエットやめて食事したら、これがうまいのなんのって。ミカンなんかしばらく見たくもない。
 
 九日目。義務で食べなきゃならないものほど、まずいものはない。ミカンダイエットは、本当はミカンを食べられなくする療法だったのだ、とようやく悟る。
 
 
「心に限定を加える」
 先日、整体の稽古にいったあと、仲間と食事をして、ある人のことが話題になりました。その人は考えすぎてしまう傾向があるのだそうです。
 
 それで、別の人が「お前はなんにも考えないほうがいい。考えずに行動しろ」というようなアドバイスをしておりました。
 
 たしかに、下手な考え休むに似たりと言いますからね。なまじ考えると、どんどん迷路に入ってしまうということはあります。
 
 しかし、そういう人に「何も考えるな」と言っても、はたしてそういうことが実行できるかどうかですね。そもそも、それができないから悩んでしまうわけです。
 
 こういう場合は、かえってミカンダイエットのようなことがよいと私は思っています。「あるひとつのことだけを考え続けろ」と言ったら、また違う効果が生まれると思うのです。
 
「全部やるな」と言わずに、「これだけはやってもいいよ」「これはやりなよ」という言い方ですね。

前者の言い方は全面否定です。これはなかなか受け入れられないものです。しかし、ひとつだけやりなさいと言うと、ある程度できる。しかし、そればっかりやっていると、どうせ嫌になるに決まってるのです。

みまさんも、少し考えてみてください。


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