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「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

シンガポールでは必読!「リー・クアンユー回顧録」

2005-06-16 10:50:52 | 歴史・戦争
建国の父 リー・クアンユー、その生い立ちから語るシンガポール史。なかなかの読み物です。

読了本
「リー・クアンユー回顧録 上・下 リー・クアンユー 日本経済新聞社」
今現在のシンガポールを見て、何故こうなっているのか、と思われた方はこの本を紐解いてみましょう。書かれていないことなども総合して考えると今のシンガポールが見えてくるはずです。マレーシア前首相マハティールとの長年の確執の原点などもご参照のこと。

本来であれば原書と読み比べないと訳者の手の加え方がどうなっているかは不明なのですが(ある日系マスコミのオフィスには、原書と並べて置かれていました)、私にはそこまでの気力はありません(なんせ分厚いもので)。

まあ、いわゆる「若い世代よ!しっかりせい」というシンガポールの若者に向けてのメッセージなのでしょう(訳者あとがきに有るとおり)。

個人的には上巻の方が下巻よりはるかに面白い読み物です。

余談ですが、氏は日本人シェフが握ったすしは食べないという噂は本当なのでしょうか?

ロバート・ゴダード、読んだ後の心地よい疲労感

2005-06-07 10:04:10 | 歴史・戦争
まず、私がこれまでに読了した本を書き出しますと。

「千尋の闇 上・下 ロバート・ゴダード 創元推理文庫」
「鉄の絆 上・下 同上」
「闇に浮かぶ絵 上・下 同上 文春文庫」
「日輪の果て 上・下 同上」
「蒼穹のかなたへ 上・下 同上」
インターネットで一覧を見て思い出す限りこのようなところでしょうか?もう1冊(「リオノーラの肖像」)読んだような気がするのですが。

歴史と謎を絡ませる読み応えがあるものとしては、「千尋の闇」がオススメでしょう。私はこれが最初に読んだ作品と言うこともあるのですが、この中では一番好きですね。読了後の心地よい疲労感は忘れられません。
もっと軽いのがということでしたら、「蒼穹のかなたへ」、「日輪の果て」のシリーズでしょうか。

近年、だいぶ出版されていますね。個人的にはロバート・ゴダードはもういいかなという気分です。

歴代米国大統領とは?ただの変人たち 「大統領たちの通信簿」

2005-06-03 21:28:09 | 歴史・戦争
明治維新以降で今も昔も日本と関係の深い国として米国があげられます。
その指導者とはどのような人たちだったのでしょう。その人格が歴史に与えた影響は計り知れないものがあると思えます。

読了本
「大統領たちの通信簿 コルマック・オブライエン 集英社」
これは笑えました。この手の本が好きな私です(類似読了本 「ファースト・レイディーズ ホワイトハウスを彩った女たちの物語 宇佐美滋 ネスコ」)。同時代には何が日本であったかを時間軸を合わせて読むとまた違った読み方ができて楽しいものです。

ディープ・スロートが誰であったかが公表されたウォーターゲイト事件の隠蔽をはかったニクソンの名言・迷言は、「大統領がすることは何であれ、違法ではない」だそうです(そのまんま言い訳です)。ただ、これはブッシュ・JRにも当てはまる言葉ですね。また、ブッシュ・パパの晩餐会のゲロは忘れられないですが、ゲロを吐くことをブッシュするとは言わなかったですね、少なくとも私は。

死刑宣言されたサルマン・ラシュディの作品「真夜中の子供たち」

2005-06-03 01:01:26 | 歴史・戦争
「悪魔の詩」でホメイニ師から死刑宣言(山下たつひこの「がきデカ」を思い出します)を受けた作家、サルマン・ラシュディ(本人は健在。日本では訳者・筑波の五十嵐助教授が殺害されています)。

読了本
「真夜中の子供たち 上・下 サルマン・ラシュディ 早川書房(だったと思います。多分現在絶版かな?)」
なが~い、なが~い物語。インド独立、パキスタン独立。そして、ネルーネタが笑えました(幼いころはガンジー、ネルーの伝記に目を輝かせていた私でありましたが)。ほ~う、サドゥとはなどど笑いました。ところどころ、読み疲れたころに笑いがちりばめられています。時間がある方にオススメです。読むには体力がいる作品ですので、体調を整えて読みましょう。

ぼちぼちと英国ブッカー賞受賞作品を読んでいきたいと思っております(ただ今「アムステルダム」読書中)。

他は「日の名残り」、「恥辱」読了。

本日読了、「伊藤博文と安重根」佐木隆三

2005-06-01 20:24:25 | 歴史・戦争
本日読み終わった本は何か読後感としては物足りない気がします。人物像の掘り下げ方に感情移入できません。眠くなる為に読んだような本、これが素直な感想でしょう。

読了本
「伊藤博文と安重根 佐木隆三 文春文庫」
P245の韓国人弁護士の「憤慨の涙を流した。このとき碗一杯分の熱血が噴出して」という怒りの表し方は今に通じるものがあるのでは?手品師みたいと思ったのは私だけでしょうか?・・・・・・ちょっと苦手です。

関連読了本
「李朝滅亡 片野次雄 新潮文庫」
「閔妃暗殺 角田房子 新潮文庫」

この時代が後の半島の運命を決めたのですね、多分。

映画「Kingdom of heaven」を観て思い出した本、「娼婦 アラン・コルバン」

2005-05-22 21:32:06 | 歴史・戦争
本日は映画を観に行きました。
「Kingdom of heaven」という十字軍を題材に取った映画です。まあ、ラストサムライ、十字軍バージョンといったところでしょうか。首切りもありますし。
ところで、亡くなった賢王は梅毒だったのでは?仮面を取ったあの顔は、ある本の参照写真を思い出しました。

途中までで投げ出し本(途中で読むのがつらくなりました)
「娼婦 アラン・コルバン 藤原書店」
さすがアナール学派(なんのこっちゃ)、写真がどぎついです。新刊でこの本を買った私も私ですが・・・・・・。この本は重かった記憶があります(実家に保管)。当時の私は本代、月に5万円以上は使っていました。使いすぎです。給料の大半を本代に使っていたと言う永田鉄山みたいな人は別格ですが。
ところで、藤原書店はまだ存在するのでしょうか?同社発刊のブローデルの地中海は勧められましたが、まだ買っていません。

海外に住むと人が読まないような本と出会えないのがさびしく感じます。

「東南アジアを読む地図」読了

2005-05-17 00:35:00 | 歴史・戦争
1999年に発行された本は今も有効なのでしょうか?

昨日、読了本
「東南アジアを読む地図 浅井信雄 新潮社」
のんびりと読み終えました。頭を当時に戻しながら。

2001年の911テロ以降の短期間に世界が変わったように、私が住む東南アジアもこの間の変化は大きいと言えるでしょう(アメリカ合衆国のテロの影響もある面では考えられます)。
その後に起こったこととして、この本に書かれていないSARSパニック。
また、インドネシアも大統領が数人と変わり、バリで爆弾テロ。そして、マレーシアのマハティールは引退しました。直近では津波被害と言う災害もありました。

状況は常に動いています。それが過去になり、歴史になるのでしょう。

吉田茂という存在

2005-05-16 00:00:00 | 歴史・戦争
政治家の仕事は一世代・二世代後の国民からその業績を評価されるものなのでしょう。
もちろんのこと、その時代状況によっての運もあるでしょうが。
吉田茂という占領時に一時代を築いた政治家を見ると、実質アメリカ合衆国の占領政策との微妙な駆け引き、そして講和後の引き際の判断、考えることが多いものです。
しかし、講和条約は晴れ舞台だったでしょうね(私もサンフランシスコに行った折にはオペラハウスに行ってみました)。巻き物の和紙に書かれた演説文は芝居めいた印象を感じますが、そういうものなんでしょうね、国際舞台とは。

読了本
「The One Man 小説吉田茂 大下英治 毎日新聞社」
なかなか面白い本でした。馬でご出勤とは・・・・・・。
「マッカーサーと吉田茂 上・下 リチャード・B・フィン 角川文庫」(下巻は昨日読了)
マッカーサーが三木を総理大臣にと占領時代の一時期考えていたとは知りませんでした。
主要登場人物一覧で東条英機が「元帥」となっていますが・・・・・・、陸軍大将の間違いでしょう。

「風の男 白洲次郎 青柳恵介 新潮文庫」
偏屈者だったのでしょうね。

「アメリカ外交50年 ジョージ・ケナン 岩波同時代ライブラリー」
上記のマッカーサーと吉田茂にも出てきますジョージ・ケナンは冷戦時のアメリカ合衆国の外交方針の立案に深く関わっています。アメリカ合衆国の外交の基本を知る意味で一読の価値はあります。

友人のお父さんが吉田茂と面識があったようですが、お話を聞く機会なく亡くなられました。残念です。

吉田茂といえば、麻生太郎、漫画は隠れて読むものです。これは大人のマナーです。

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自然発火で何故か大岡昇平の野火を連想

2005-04-28 03:28:18 | 歴史・戦争
昨日のシンガポールは猛暑でした。とにかく暑いの一言です。外回りの日と決めていた私はタクシーを待つ炎天下で死ぬ思いをしました。
そして、タクシーで移動中、消防車がとなりを走っていました。何故?というのも建物があまりない方向へ向かっていたのです。草むらの前で止まった消防車、その先には草に火の玉のような炎をありました。
運転手の「グラス・ファイヤー!ベリー・ホット!」の声。
私はひたすら「おおーっ、おおーっ」と返答にならない雄たけび。
そうです。初めて自然発火を見ました。

私が連想したのは
読了本
「野火 大岡昇平 新潮文庫」
自然発火とはかなり意味合いが異なりますが・・・・・・。

大岡昇平は
「レイテ戦記 上・中・下 大岡昇平 中公文庫」(入手済み、未読)
今ちょっと、中が見当たりませんが、これらが本棚で眠っております。多分、3~4年くらいだとは思いますが。

勲章をもらわない大岡昇平の猿真似をした大江健三郎は馬鹿者なのでしょうね。当時の書評によりますと、だったらノーベル賞も辞退するべき、もっともです。

さて、本と言うものは手元においておけば、ふと読みたくなる時がきます。それを待つ本に囲まれて幸せです。
私にとって、今読まないのに何故そんなに本を買うのかという質問は愚問です。山があるから登るのであって、本があるから買うのです。
将来はジャック・デリダのように読んだ本は3冊だけとのたまってみたいものです(ジャック・デリダが言うからしゃれになるのであって、私のような若輩者が言えることではありません)。

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読みきる予定なし、巣鴨日記 笹川良一

2005-04-27 02:39:30 | 歴史・戦争
私の世代には「戸締り用心、火の用心~」のおじいさんの印象が強い笹川良一です。おとーさん、おかーさんをたいせつにしよー!でしたっけ?
半分で投げ出した本
「巣鴨日記 笹川良一 中央公論社」
いわゆる巣鴨プリズンにおける笹川良一の見た国家指導者だった人たちの姿が書かれています。拠り所を無くした人間の哀しさの中で何が必要なのか?これを考えさせられるのでは?
しかし、付録 獄中からの手紙 は全然面白くありません。

関連読了本
「巣鴨プリズン 小林弘忠 中公新書」

今イラクで行われている勝者の虐待は昔からあったのです。今はそれが隠せなくなっただけであって。

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韓国の大統領

2005-04-25 12:02:49 | 歴史・戦争
韓国と言う国を考えてみるには大統領制度と過去の大統領についてみてみると面白いのかもしれません。

読了本
「韓国大統領列伝 池東旭 中公新書」
なかなか興味深い本です。自分がその国の状況に置かれたくはありませんが、ドラマチックかつドラスチックな政権闘争は読んでいて飽きさせることがありません。
強力な権力とその権力を手放した後の姿。現在が最低の政治おんち大統領だと思えます。引退後にどのような境遇が待っているか、注目ですね。

10年以上前のベトナムでの話ですが、韓国人駐在員が会社のベトナム人工員の頭を履いていたスリッパで叩き、問題となりました。そのニュースを知った、当時タイに住んでいた日本人駐在員の中では、韓国人恐るべしとの噂がまわったことは言うまでもありません。近年、そのような話を聞かなくなってきたので、まともになってきたのではないでしょうか?以前はタイの日本人クラブでもボトルを壁に投げつけたりかなりのご乱交だったようですが・・・・・・。タイ人曰く「日本人嫌いだったら日本人クラブなんか来なけりゃいいのに」、昔の話です。

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カストロ 銅像なき権力者 を読んで

2005-04-23 23:14:36 | 歴史・戦争
本日、読了本
「カストロ 銅像なき権力者 戸井十月 新潮社」
カストロはおしゃべりなのか、なるほど、などと変なところで感心してしまいました。理想への実現は困難であろうとも、理想を捨てない情熱と姿勢を指導者が見せることは重要だということ。カストロは国際社会ではなくてはならないカリスマなのでしょう。他にもカダフィーなど強烈な個性を感じる政治家はまだまだ健在ですね。

キューバに行きたくなりました。ヘミングウェイの最終の土地でもありますし。

関連読了本
「ゲバラ日記 チェ・ゲバラ 角川文庫」
ゲバラ最後のゲリラ戦争の日記。数年前に遺骨が見つかった時にはちょっとした話題になりました。
入手済み未読
「フォト・バイオグラフィ チェ・ゲバラ イルダ・バリオ、ギャレス・ジェンキンズ 原書房」
絵になる革命家(現在では死語?)です。東南アジアでもチェ・ゲバラの絵(Tシャツなど)を時々目にします。チェ・ゲバラが何者か知っているのか、不明。

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バトル・ロワイヤル、確かに面白いのだけれども・・・・・・

2005-04-20 22:09:54 | 歴史・戦争
映画から先に観ましたバトル・ロワイヤルです。
読了本
「バトル・ロワイヤル 高見広春 太田出版」
映画のシーンを思い出しながら本を読みました。
深作の映画はパリでも受けたようです。パリに旅行中、地下鉄か何かの場所で深作のポスターを見ました。
どのようなものも「パート2は」つまらないと相場が決まっております。2は観に行ってませんし、読みません。

類似読了本
「そして粛清の扉を 黒武洋 新潮社」
最近文庫化されたようです。

何が残るかと言われれば、何も残らない小説群(こういう本を数年に1冊は読んでいます)です。
最後まで読ませるあたりは筆力を感じますが、次の作品が彼らに存在しえるのか(黒武洋は出しているようですが、興味がわきません)。

類似本がいくつか出版されているようですが、バトル・ロワイヤルを読んでおけば十分でしょう。

余談ですが、バトル・ロワイヤルの映画中、前方の席に知り合いの男女が坐っていました。いついちゃいちゃするかが気になり、映画に集中できなかった、けっこう下世話な私でもあります。

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反日騒乱で話題の上海といえば、ハードボイルド生島治郎

2005-04-16 19:34:33 | 歴史・戦争
北京の後は上海に騒乱が移ったとのこと、ニュースを見ると憂鬱になります。
終息への向かい方が注目されるところです。

上海を舞台の作品と言えば、生島治郎。一時期「片翼だけの天使 集英社文庫」(読了)で名前がよく出てきましたが、本領発揮は上海物かもしれません。

読了本
「上海無宿 中公文庫」
「明日なき者たち 中公文庫」
2冊は息抜きに読む本です。
入手済み未読
「黄土の奔流 中公文庫」
読もうと思いつつ、本棚に乗っています。

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テレビで見る共産中国における反日デモに参加する若者

2005-04-12 22:35:20 | 歴史・戦争
ジローズが「戦争を知らない子供たち」を歌ってどれくらいの年月がたったでしょうか。いわゆる先の戦争を肯定するも否定するも、戦後生まれは戦争を肌で知らないことを自覚することが肝要ではないでしょうか?学校で習った歴史が史実だと考えるのは思慮が浅いのでしょう。自ら掘り起こしていく思考が大切です。

今回の報道で、生理的嫌悪感を持ったのは大使館に物を投げつける若者がへらへら笑っていたこと(あくまでも画像と言う切り取られたものにて判断することは危険ですが)。これが命を掛けて、天安門で戦車の前に立ちはだかった民族と同じとは思いたくない画像。
ただ、注意すべきは、以前、柄谷行人がブッシュ父のイラク攻撃を100%に近いアメリカ人が支持しているということだが、アメリカの友人達と話しても誰も指示はしていない。アメリカ人とは誰のことだろうとTVで話しておりました。これは同様のことが今回も言えるかもしれません。中国人とは誰を指して言っているのだろうか?なんて・・・・・・。

しかし、共産中国に阿南大使がいること自体が悪い冗談ですね。デモしていた中国人は大使のことを知っているのでしょうか?
読了本
「一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾 角田房子 新潮社」
まさか共産国の大使になるとは思ってもいなかったことでしょう。

国連は常任理事国になれなければ、脱退?
読了本
「悲劇の外交官 松岡洋右 上 豊田穣 新潮文庫」
歴史に学ぶ脱退の方法。下巻は読まず。

靖国神社へは行くならば8月15日に参拝に行くべきでしょう。
入手済み未読
「靖国 坪内祐三 新潮社」
靖国神社は博物館もあり、見所たくさんです。

日本人よ、卑になることなかれ!軋轢を恐れ、卑屈になることが問題を先延ばしすることになるとは戦後の歴史で学んだことに思えます。

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