望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

おとぎの谷間

2016-12-30 12:41:12 | 思いダイヤル
野根川源流域 海陽町船津

 山々に隔絶された陸の孤島 おとぎの懐かしさをたたえた船津集落がある
日本昔話の田舎風景 おんぶオバケの村を彷彿させる船津は村人とともにある


「静止画」 

ひとりふたりとトノグチを出入りする人影
時はここに留まりて村人は静止画
セピア色に暮れていく

けわしい渓谷に整然とある岩石は寂しい顔で男を覗く
岩石の上に男は白いベールをまとう美女との恋の夢想 
侘しい男心は固まりて静止画

杉林入り口に柑橘の果実は細々と香り
杉林の鋭い葉先を滑って雪は降り続き水墨静止画の谷間を描いた

すぼまる源流へ上り全てが静止画に写る時を拒み
渓谷の流れは留まることない動画と谷間を流れいく
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発光体とありたい

2016-12-23 12:59:13 | 思いダイヤル
徳島市 ヱビスの湯入り口の電飾


     「発光体」

大宇宙で輝くもの
自力で光る恒星 光を反射して輝く惑星 
自ら発光するエネルギーは生きる原動力
反射能力は諦めない原動力
満天は常に同じようにあれど
自ら輝きを放つとは新しい発見から始まる

惑星の輝く遥か真下
星の雫をみなもと今を命つきるまで輝こう
人知れず無名のままに発光発狂
それでも輝いていたい

天空の遥か真下ネオンの輝き
才能と我欲が摩擦するあやかし 
あさましい発光それでも頂点で輝く

天空の真下 遥か片隅に取り残された灯火
負け惜しみの発光発狂 乾いた発光は人の胸に届かない
 
それでもかすかに灯る発光と輝きたい
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水鏡に魅せられて

2016-12-13 09:14:38 | 思いダイヤル
徳島市福島より

水鏡

凍える夜空
月光に透過され川筋を流れる灰色雲
水鏡 漆黒フィルムに灰色雲を写して純白の雪雲にかえた

12月を彩る電飾目映いイルミネーション
水鏡 さざ波にのせて電飾を滲ませ冬枯れ街路樹に七色の花を与えた

水の素敵さは水鏡
写るものに寛容 真実すぎることも暈してくれる
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