望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

赤い伝来

2021-01-15 16:06:15 | 燦々創成期

赤い伝来

稲株よ刈田に深く執着
稲藁よ切れ切れストロー
ストロー藁に霜攻撃は痛烈
切り口から奥底へ冷え冷え
青白い星から閃光は降る
明日はアッサリ草ぼうぼう

数百年続く執着も時なり
金金金を入れても金金金
しがみつくほど赤は赤く
鋸鎌の傷口はサクサク
誰よりも自信を切り刻む

自ら赤く腫らして金金へ
鋸鎌で執着した百姓御膳
空腹な日々へ戻れない
数百年の重荷を黒土へ
数百年の精根を開放








高純度結晶

2021-01-11 16:48:43 | 燦々創成期

高純度結晶

寒波に合間見える
感覚麻痺で遣り過ごす
塩を吹く疼痛を掻い潜る
天候不純に屈指ない素足
動機不純を蹴散らす素足
寒波に歯向かう素足
寒波を踏み倒す 
寒波を飛び越す

寒波から大寒波へ変異
真水は凍結して太陽へ
氷河に不純物を遺せない
紆余曲折を重ね素足に結晶
羊水で母と同体で受け継ぐ高純度結晶
強靭な素足で母の海へ
高純度な精神世界へ






ザワザワざわつく日

2021-01-01 17:32:06 | 燦々創成期

ザワザワざわつく日

電流に痺れた街角
ネオンは眠りサイン
小片を一つ一つ嵌め込み
ジグソーパズルを造形 ザワザワざわつく日々へ

耳をつんざく怒号
酒に呑まれた酔っぱらい
不夜城を花園にした夜蝶
燐粉をばらまき欺く花園から下水道へ挑んで匂いたつ

天上に月はテカテカ
野良猫 青信号を確かめて横断歩道をまっしぐら
本能を真っ当さに塗り潰す植え込みへまっしぐら

能面を装うものたち 
能面に覆われた街角 
間違い探しに明け暮れて
野良猫の真っ当さに追い込まれる








蒼深き寒冷

2020-12-23 16:07:39 | 燦々創成期

蒼深き寒冷

蒼深い山道に峠を試みる
折り返す山道を登る徒労
折り返し点は途切れる徒労
直線で斜面を登る日々

頭髪は湯気たち反り返る
老いも若きも反り返る
一ヶ所を弾くと海老ぞり
斜面を転げ上がる速さ
段ボールを尻に滑ろう
真底より出口にとどきたい
せめぎ凌ぎあって摩擦熱
熱に犯されて震撼する

蒼深き寒冷に青息吐息
神仏の導く峠は何処ぞ
ここぞあれ神通力
時の出口を待っている





上昇気流

2020-12-19 22:24:03 | 燦々創成期

上昇気流

山つらなり水平なる空
上昇気流に舞い上がるトンビ
解明から分解バラバラ
上からバラバラに墜ちる
ばらける空に恐怖もある
トンビは知っている
明日 切り揉みで墜ちる
あさって気流は雨を降らすことを予想する

トンビは気流に揉まれて知っている
何処まで飛ばされる
何処へ着地すれば安全
海のどよめきを千里眼
地鳴りは山腹崩壊を予見
震え上がる日に飛翔する空がある

気流を使いこなしてトンビ
飛ぶよ晴れ空 美空
我は燃え尽きる迄 地表に足跡を張らして晴れ模様