望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

永遠を弾いてゲンゲ畑

2018-03-29 15:56:47 | 望郷クリームソーダ

永遠を弾いてゲンゲ畑 
一面ゲンゲ畑の忘れ物
竹藪の外れにちょこん
休耕田に離れ島ゲンゲをなす

春廻りくるたび同じ範囲
限られた範囲で頑健を貫き通す
紫一つの重さは青空に冴え渡る

一面ゲンゲ畑
永遠の存在を弾いて
限られた場所に尊厳を現し
紫の褪せないゲンゲらしさ贈り続ける




春の先へ孤独人

2018-03-19 19:59:38 | 望郷クリームソーダ

春の孤独人

花の宴に春霞たなびく
厳寒をしのぎ花遊び
花を愛でる孤独人

人里の花に隙間
星と星の距離に絶望
花と花の距離感に癒されたい
孤独人は花祭りを愛でる

春一瞬の花祭り
木の花 地の花を確かたい
春のすべてを抱きしめたい
短かい春に縮まりたくない

縮まる恐怖を孤独に追い込んで
春の旅路へ孤独人はおもむいて行く






愛こそ雛祭り

2018-03-11 20:16:31 | 望郷クリームソーダ
勝浦町坂本の雛祭り

愛こそ雛祭り

一年に一度の雛祭り
託された思いの重荷
溜まった涙のおもさ
綺麗にしてあげたいお雛様

何より嬉しい日をすぎて
重荷ごと炎のなかとは
思い重荷は残ってしまう

雨宿りの傘は愛でよい
星空はとこしえの愛空
一年じゅう青空夜空を見ていたい
四季の中に飾られて本望

時代人を映してきた雛人形
自然のままへ朽ち果てこそ本懐
願いかなえるお雛様のままで
夜空を流れるほうき星とあれ





望郷クリームソーダ

2018-03-04 23:24:06 | 望郷クリームソーダ
徳島県海陽町 竹ヶ島

望郷クリームソーダ

旅人の座ったベンチ
バニラを混ぜるほど白く混ざっていく

海原へあがった歓声
グラスの水滴のようにふいてふいても滲んでる

白黒記念写真の笑顔
グラスの底からわき上がる気泡のように思い出はつきない

旅人の座ったあの日ベンチ
海原へ歓声のあがったあの日
白黒記念写真は思い出のアルバム

グラスの氷をかき混ぜ
spoonのあたるガラス音に
望郷をとおざけようと
春の波頭と押し寄せる