望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

そこだけ紅葉

2017-11-30 20:45:19 | さみしさBOX
そこだけ紅葉


どうしてそこだけ紅葉に燃える

植林された整然が真っ当と恐怖の傘で攻め寄せる

積もった落ち葉をザクザク踏み込んで紅葉の鍵を抉じ開けた

紅葉になっても一分一秒でもとどまりたかった命の鍵

吹雪のように断続的に降って消えたくない

生きてきたのだから何時までもすがっていたい

赤々と情熱に映えて燃えていたい

一枚になっても赤々と命の鍵にすがり付いて離れてなるものよ



母のウエス

2017-11-09 12:42:03 | さみしさBOX
徳島市 植物園より


母のウエス


満月の光沢にすすき野は映える
母の温もりのような光
男ひとりすすき野にあり
すすきを自分に見立てるでなく
満月を見上げて慟哭する
男ひとり満月に母の顔を浮かべ
男ひとりを噛み締める

三日月の下を切れていく雲
三日月だけぽっんと見られるより
すじ雲は流れて三日月をひきたてて惜しみない
男ひとり切れ切れて清みきる心根
満月の微笑み母のウエスを誇りて
世の隙間に切れ切れ細切れようと
母のウエスに涙を振り切って
男ひとりを惜しまない