望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

無言ひと絵

2018-02-19 20:51:54 | さみしさBOX

無言ひと絵

言わず語らずとも
お前は寒空に立ち向かう
我が強さ勢いで立ち向う

美しい花を咲かさずとも
美しさは純粋の身体にある
美貌のお前などなくていい
純粋無垢な真底をさらけ出す
誰にも咲けない涙のお前
その誇りこそ無言の勲章
魂で綴られたひと絵
お前は美しい無言のひと絵

お前は生ぬるい愛とか
人肌の生ぬるさとか
綺麗事の賛美を知り抜いて
無言の一人ぼっち
魂の美しさを放って立ち向かう



雀とありたい

2018-02-15 22:18:00 | さみしさBOX
徳島市あじわいの深い門構え


   雀の世界


松葉に止まった雀
松葉に刺されて仕返し
そんなこと思いもしない
あきらめを知らないだろう


陽気に囀ずる雀
だまされて腹立たしい
裏切られて何でと思う
思い詰めて追いこんで
悔やんで歯ぎしりをする
そんなこと知らないから
天敵の腹の中でも陽気だろう


雀の世界
其処らできままに啄む
其処に囚われることもない
仲間はみんな同じ姿だから
着飾り見下すこもない
仲間の大きさは同じサイズゆえ威嚇する手段を持たない


雀 真面目に飛ぶこと
メチャクチャに飛ぶこを知らないから
仲間の生きざまを啄むこともないだろう



雪松物語

2018-01-17 15:18:34 | さみしさBOX
勝浦川土手より大川原高原

  

   雪は降る


雪 静寂の中にしろ

おしつぶさんと降る

刺さず刺されるか雪は降る


ドサッと一塊の無音

時に針葉樹を真っ二つ

殆んど松葉を磨いて降る


ドサドサと雪原の無音

あおい山の雪下に固まる枯野

潰れて氷ついても枯れない魂

無音で指し抜こうと雪は降る


ポタポタ無音で融ける雪

枯野に赤い雫と染み通り

刺しても射されても

春に向けて雪はふりそそぐ


裸の真実一路

2018-01-04 14:07:53 | さみしさBOX
室戸岬山頂の人好きな豆狸

  裸の真実一路

なにも纏わない裸で生きたい
風通し重い鎧戸を背負ってしまう

普段着 背広 ドレス
身体に纏う重さが麻痺
素肌をさらない暴雨のまま
黄ばんだ素顔で嘲笑されてしまう
裸のまま真実一路進めたら
武装する夜は明けて朝日の実装

清らな泉に火が降る
心美女は聖母をかなぐり捨て
軽い絹を脱ぎさり白衣を装う
白衣は重い武装で今に立ち止まる
裸のままで真実一路をつかめない

心を裸に真実一路をさがしたい
裸のまま真実一路を生きたい




行き詰まり電飾

2017-12-27 15:14:27 | さみしさBOX
 

「行き詰まり電飾」

12月の電飾 
寒々とした空気に光る
冬花火のように燃え尽きない
夜桜のように未練をまとはない

行き止まりへ電流は稲光
12月だけの夢想物語を咲かせる
行き止まりに歓声があがる
行きずまりの疲労に悲鳴が光る
行きずまりの電飾はルミナリエ
乾いたロマンチックに群がる

稲妻稲光れば恐怖におののき
12月の家に絆の光は暮れ始めた