望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

街角に生きる

2018-05-29 15:21:56 | 望郷クリームソーダ
「街角に生きる」

摺り足の忍び足
猫のような足取り
早足の急ぎ足
路面を叩いてバタバタ
カラスがカアカア喚く行き先
時間に追い込まれる

街角に立つとよろける
塞ぎ混んで負けてしまう
生きてるとはやられること
やり返すより逃げればよい
街角の罪悪に汚されるより
転んでしまえばよい

誠実さをボロボロに粉砕
健全さをサラサラに撃沈
摺りきれるまでやられるなら
果敢に立ち向かうより
逃げてトコトン生きて行く



ビジリアン絶唱

2018-05-18 10:22:38 | 望郷クリームソーダ
「ビリジアン絶唱」

ビリジアンの手紙は届く
山 平原に光のつぶてビリジアンに生かされる

ビリジアンの壁に我が色を生かされる
ビリジアンのメッセージを瑠璃色の羽に印し季節を廻る玉虫

野良犬は駆けめぐる
自分の真実たる源へ
ビジリアンの手紙を悔いて
野良犬は赤裸々に泣きいる
ビジリアンをサイコロのように転がした我が身を遠吠える

日が暮れて寂寥をもたらす雨
ビジリアンの手紙は滲みもせずイキイキ 

45億年の絶唱は翳ることなく降りそそぐ



骨董たる生き方

2018-05-07 14:21:05 | 望郷クリームソーダ
「骨董の風景」

骨董のような山心
ポッカリと空いた穴
すうすう風ぬける

骨董のような場所の骨董
悲境か秘境か見通せない
何に思いし何にすがるか
その手に掲げる日が見えない

骨董の膚からしっとりと垂れる涙水は松のヤニ
骨董に投げ掛ける愛は自己愛
されど骨董品と飾る口惜しさ

骨董と押し黙る箱
その両手で抉じ開けて
一つの光穴から骨董たる生き方を突き進む