望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

風とどまる里の峰へ

2015-08-26 20:46:02 | ささやき

(徳島県那賀町菖蒲谷より望む竜峠)

  天高く馬肥える秋も間近なこの頃 稲刈りを終えて大好物のアメゴ料理を食べに那賀町竹が谷 「淡水荘」に出かけた
絶品のアメゴ寿司 塩焼き 唐揚げをいただいて大満足  そして次の目的地 那賀町菖蒲谷の東尾へ林道を突き進んだ

長安口から急坂の細道 途中の菖蒲地区から道は更に細く傾斜もきつくなり「初めて体験する急坂の道にびびってしまった」

やっとたどり着いた東尾集落には二三軒の民家 畑仕事のご婦人に声をかけると人なっこい笑顔を返してくれた
見上げる先に竜峠 道は細く狭まり険しさをまし風のとどまる竜峠へ続いていた

            「家主なき風景」

 山奥地にトタン屋根 赤鏥たトタン屋根風に鳴く
畑 山田 草ぼうぼう
草ぼうぼうの傍 鈴虫の鳴く 
美しい音色 癒し人の影たどり
古人の人生を奏でる木霊
木霊は響き風の魂と流れて行く
愛情うせた杉林 鹿の群れはつどい
捨て去られた山犬の遠吠木霊
狼の悲しき怨念の鳴き声と響きわたる
鹿の群れ かん高い鳴き声をあげて
風の魂とどまる峠へむかう

アゲハ ヤンマの空 海部川

2015-08-09 21:29:05 | ささやき

(徳島県 海部川の夏)

 うだる暑さは底なし こんなときは水に浸かりたくなる
どうせ水浴びするなら清流と思い海部川に出かけた

海部川は鮎釣りのメッカ 今まさに最高潮 おおぜいの太公望で賑わっている

(水との対話) 

浅瀬の流に石を積み腰かけて水を感じ水と向き合った
水は何も語らずとも生命の源たるその聖なる力を全身全霊でとらえた
清流のせせらぎ風の流れる音  海部川よ永世に流れ続けよ


        「アゲハ ヤンマ流れ行く」

とうとうと流れる清らかな水に体を浸し 愚かさをさらけ出しても水は厳しくあり
とうとうと行く水に思いの丈さしかけても流されて浮き沈む

水は降る 地上に降り注げどアゲハ ヤンマの羽にも降れど 落ちて行かない空間がある

アゲハ ヤンマのとばない砂漠に悪がはびこり雨に流せない悲痛の子供 罪ない人々の泣き声

水との対話 それさえあれば悪にならなくても人々を愛せる人  雨の降らない水の流れない国々にいる

 水が地上に等しくあり水と対話できるならば
アゲハ ヤンマの飛ぶ普通の世界にたどり着く