望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

ヨモギ星座 母星

2020-10-29 13:58:18 | 燦々創成期

ヨモギ星座

セイタカアワダチソウ 黄色豪傑ナイフを揺らす
アレルゲンを持たずとも仕掛人 川土手 田んぼ 
侵略領域は独特な黄色刀剣は横行
セイタカアワダチソウ増殖 正否
ススキ茅剣 切っ先をかわされて穂は我が身へ白帆
目覚める季節ごとヨモギ
仕掛人は眠れ眠れひかりっこ催眠術
領域を追われ自我色を抜けて平服から下った先
音を出す天の川に寄せられるヨモギ星座 母星

私ながれる ほうき星
私ヨモギ星座によせる
「幼き光の畦道に私はいた 母は草刈り 刃物で手を切った指に母はヨモギで手当」
星になった母 
母星に寄せたい星っ子
母星は遥かにめぐる秋
私 ヨモギ餅に忘却を心得







大穴から山穴の集落

2020-10-23 01:14:33 | 燦々創成期

大穴から山穴の集落


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大穴から山穴


わきたつ白雲 緑の山々 水と空気  いつもそこにあるから 見落としてしまう生命尊厳 そんな自然の懐に抱かれる暮らしに異変 その時が来ている 厳然たる自然界 ほんの入り口での暮らしに体力の限界はチラホラから老境へ 雑草に低木で支配された限界耕作地 掘削建設機械で掘られた竪穴 使用目的 仕事をおえて今はポッカリと大口水溜まり せめての救いは 見事なまでの空の優さ 純白の雲をハッキリと写して 地下水脈にまで及ぶ 廃業した喫茶店はジャングルにうずもれ 山水で焙煎コーヒーの看板だけが 路傍に立ちっぱなしで枯れている 茅葺き屋根は崩れ落ち野犬の住みか 猿は丸々 廃屋を無視して人間臭い屋根でモゴモゴ食事 一寸先は 又 山似て流浪かな日本猿 洗濯竿にズボン ステテコの干された民家一軒 此の家の住人 何人で朝に夕なに人物語にあるか
近隣 山越えた集落 五万分地形図で何ミリかの距離 人と人 家と家の距離感に人物語は尽きないであろう 明日にも異郷の町に別れてしまいかねない寸分先 明日に手向ける花束は茅の先 人物語は居住者の生きざま 弱音も吐く 悪口雑言も言う そうあっても癒され安らぐ土地 今 生きている土地こそ居場所 森林パワー  清流のささやき 人間能力を遥かにしのぐ カウンセラ  セラピー 住民の限界 口元は意味不明に震えだし 大穴は雨水から溜まりはじめて満タン 深く濃いグリーンの水を悲しみのブルーと重ねる時 大穴の水は冷え上がり山穴に沈んでしまう限界 限界集落は山を背負って発生 極身近にある集落さえも 僻地の果てへと遠ざかって行く










15登り坂にお婆ちゃん

2020-10-17 12:37:42 | 燦々創成期

15登り坂にお婆ちゃん

四国右下の町に私は小旅行
春 真っ只中15日 
港町を徒歩でゆっくりとならばジロジロ視線がくる
見知らぬ町を余所者は空気を汚してはと道義的
元来の優柔不断は車を走らせていた
港の防波堤に記憶はかけっこしている
身体はその早さに追いつかずに やるせなさ脆さは創造することの歯痒さにやける 顔はすっかり卑屈の日焼けだ
潮風に吹き飛ばそうと 潮風にむかう 潮風の湿っぽさだけ残存 ナメクジのように縮むはずが 杭はそのままで抜けない
堂々巡りは幼き日とオーバーラップ
蕁麻疹が身体中に地図を書いて 自分で引っ掻くとみみず腫れて泣いてしまう
母親に連れられ 15キロ離れた海で湯浴み 塩水がヒリヒリ 母の笑顔に又泣けた

自分を見つめる旅 自分の再発見 煩悩を振り払おうとしても煩悩 凡人に凡人 何かやり遂げると又 登り始める其れが回答
人とのふれあい 真心知ることの経験 反芻反芻 上り道坂道

突然に次のステップへのヒント 出会いは起きた 
車をノロノロ走らせ坂を上る中間点
民家の冊子窓を越しに 私の車に見も知らぬお婆ちゃん 懸命に手を振ってくれたのだ
私も反射的に手をふって返した
お婆ちゃんが何故
縁もゆかりもない私に手をふってくれたのか
挨拶して会話する よいことか悪者になってしまうか
昨今の老人をターゲットにしたオレオレ詐欺ととられそうで そそくさとその場から離れる そんな一時のふれあい
海辺の町から嫁いだり 転居したお婆ちゃんはいうのだ あの町 古里に帰りたくはない 山と海だけ 他に何もない疲れるらしい そういう人もあるという悲哀と現実

坂道のお婆ちゃんは見る人みんなに手をふるのだろう
私はその行為 お婆ちゃんに幸せの黄色いハンカチ 詩的感覚が芽生えた
それから何回か 坂道のお婆ちゃんの家を通りすぎるさい お婆ちゃんは幸せの黄色いハンカチ
しかし 真夏の15日は長々とお婆ちゃん幸せの黄色いハンカチを見られなかった
幸せの黄色いハンカチ
某かの意味 合図なのか お婆ちゃん 私も幸福の黄色いハンカチを振っていたい
年老いたら遠慮する 小さくなる 行き場がない
年老いていくほどにドンドン人間冥利がつきてくる
老年期こそ如何にあるか
生きたか
人間日和は位置ずけてくる

この秋の15日 数ヶ月ぶり旅心は偶然の邂逅から必然性の予感 お婆ちゃんの坂道をいくこと15分
やった お婆ちゃんの手はグッドのサイン 握りこぶし ゆっくりスムーズ花開き お婆ちゃんの手は幸せの黄色いハンカチと靡いてくれた






花瓶反応

2020-10-15 00:15:37 | 燦々創成期


花瓶反応

花瓶が刺激的になる
刺激されて美しい花瓶
花瓶は生花を飾られ飾り
花瓶バイパス指令 伝達物質 パステル世界 本来の花瓶なんだ

薔薇の花を飾られてローズ色に何の躊躇いがあろう
蕀カズラを巻き付けられて
おとなしい無地の花瓶でいられないよ 
疼痛から始まり花瓶反応は突如

無地の膚にアレルギー紋様
どぎつい原色で浮き出る
怒りは花瓶レジスタンスへ発展 
ピカソの泣く女を模倣した自己陶酔画にさえ到達
ひび割れても花瓶の形であればよいが

ダイヤモンド製花瓶に造花を飾る精神世界
ダイヤモンド花瓶を創造する冒涜に不条理であろうが

花瓶反応 過剰な弱さ それでも生花を支える無地の花瓶を愛したい





ジョルジュ スーラ漂流者

2020-10-13 14:08:02 | 燦々創成期

 
スーラ漂流者

ジョルジュ・スーラ絵画 アニエール水浴に漂着 精神世界を漂流中
絶海に螺旋階段を鎮めたり
プカプカ浮遊 順番待ち漂流者は浮島

一見 精神世界は平安
反面 静止した水面 バタバタもがくもがいて さーあ
私も同じ状態 場所で順番待ち
それぞれに自己破壊 探求 自己再生へ手段を見つめて処方箋は航海日誌

うぅうぅ いぃい 嵐の如く押し寄せる錯乱 泣く喚く止められない制御不能 罪なき自己錯乱は性を図りきれない
男女区別 目的目標なき漂流者
私たち浮島は羅針盤なく出口に求める漂流者

待機中 順番待ちのフロア
ジョルジュ スーラの絵世界から逆行脱出する契機
それぞれ合致パスワードを求めて精神疲労との戦線