望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

母心緒

2021-11-30 21:01:25 | ビジリアン慣性


母心緒
飾り棚にフォートフレーム
冬曇りを拒否するように白
35枚目に娘は
フランス人形
一緒に歩いた夫は70枚目に年下

モビール硝子棒は乾燥した音をたてカランカラン 
額は追憶を硝子棒に下した
大気の切れ味に過去へ捻れない老境はカランカラン 
上目で頷き夕暮れを腹でとらえる

90枚に達した厚みは曇りガラス
時のベッドにしなやかな白髪はめぐる
91枚目の硝子板は万華鏡

















昼月に寝る

2021-11-04 23:42:53 | ビジリアン慣性

昼月よに寝る

特殊に遥けき天上

七色すうっと光り傷つき背もたれに入る

切れ切れ衣を漂白する手はスイート

ドーランの下に
片寄って安堵

刺激を放つ香水群を下に伏し目がち春けき人影

ふてぶてしい土足を詠んでスイートに背もたれたい

切れ切れる絹雲をアオムシ
天空ブルーにすうっと入る

春けき位を背もたれと すうっと煙で下に下
水粒に通じる営みは地面に霜柱

羨望は単純な憂さ晴らし 蒼い貴い空に昼間月よか反転反射
七色内に点々六色を納得
夕闇に暮らしは昼月よ

地べたに点々と
六色
春けき遥かに点々七色
蒼い青さに照らされる昼月 
すじ雲を枕に寝ても覚めても昼月よ
上弦下弦も美的反比例
あぁあぁ淋しさを寝よう