望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

カルスト林檎

2021-01-28 19:27:28 | 高純度結晶

カルスト林檎

カルスト岩石は飛び石
無造作な美観は草草の人
無音で足早やに一心
石つぶてを拒絶 傷に嫌悪
傷を我が物として広々

美的希少はカルスト林檎
硝子坂に歪さ投げ掛けて
草の臭いを香水カモフラージュ
破片を突き刺す優越酔狂
我が生々しさへ陶酔

赤く熟すカルスト林檎
食べられた感触を覚えず
ポッんと折れたカルスト
岩石の臭いに心より萎びる
我が渋すぎる食味

カルストに腐りかけて
雨にたたき出される
林檎処女の香り





地中ミミズ

2021-01-23 15:17:28 | 高純度結晶

地中ミミズ

地中にミミズをすかす
考えたミミズならば
地球を食らい細菌と共存
緑の森を育む土と生産
原点は暗黒ダストを凝縮
出発は生産性と活性化
微生物を産み出した母地球
明度を地球誕生日だ

グリーンとブルーの地球
今岩盤に我等分子を注入
比較する対象は自己 
自己を確認するはミミズ
ミミズと地中深く地球だ
地球であるから核戦争を引き起こさない
ミミズは数多く裏切りを繋いで上下縦横にミミズ

土中にミミズを探す
過去から昨日は土にある
今は切り取って今を思う道
偲ぶ道は地表の土
土を食んでミミズは地表を石経路へ被せない
いずれ罪悪は土としてミミズに改良される
新生の地表へミミズにならなければ点てん……





天然原色

2021-01-20 21:32:12 | 高純度結晶

天然原色

竹藪の陰影に長時間滞り
微妙な単色寒村に仕立てる
出口を探す疲労困憊は真っ白 焦燥感に黒ずむ出口

陰影より射す光りは短時間
目覚めた梅一輪より始発
ピカッと照射は天然灯台
寒村に萎びさせたやわさ
海を悟り塩辛さに呑まれる

天然原色を顕す金言
金言を唱えても自我は寒村
絞り出す小水に青汁を加味生気を放つ原色に始発
天然色に蠢く





自然行動

2021-01-16 16:21:26 | 高純度結晶

自然行動

周囲に鈍感 長いトンネルに塞がれる
長いトンネル時間 闇夜が途切れる瞬間を引き寄せる

常識に捕らわれない心眼
移り変わる自然行動
冬空に越冬つばめ
寒冷日陰に梅花は純潔
長い長いトンネル生活
自然行動にふぁっと発見
トンネル中に葛藤すれど
滑落した土砂に埋もれず 今を生きている
若い人 老人の命命命
命の重量を計れない
命の容量 皆皆 生かしたい 
生きる生き延びる

仕事 使命感でもなく 
罪を被せない 罪を犯さない 
自然行動のままへ
私 ふぁっと息抜きして
土中ミミズになりきる





赤い伝来

2021-01-15 16:06:15 | 燦々創成期

赤い伝来

稲株よ刈田に深く執着
稲藁よ切れ切れストロー
ストロー藁に霜攻撃は痛烈
切り口から奥底へ冷え冷え
青白い星から閃光は降る
明日はアッサリ草ぼうぼう

数百年続く執着も時なり
金金金を入れても金金金
しがみつくほど赤は赤く
鋸鎌の傷口はサクサク
誰よりも自信を切り刻む

自ら赤く腫らして金金へ
鋸鎌で執着した百姓御膳
空腹な日々へ戻れない
数百年の重荷を黒土へ
数百年の精根を開放