望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

百年時間

2017-07-31 12:00:49 | さみしさBOX
徳島県海陽町 海部川上流轟渓谷

「百年時間」

渓谷の巨岩
水流に研ぎ澄まされ若々しくある
百年時間後 其処に苔むし皺を刻んでも動じない姿見えてくる

樹木の生える山
見馴れた景観ゆえにその変貌は見たくない
百年時間後 森林から人里の痕跡を呑み込む深林が見えてくる

深林をおおう雨雲 
水滴と落ちて透き通り雨竜の化身
鋭い速さで拡散するジレンマ
百年時間後 ジレンマを消し去るシルクの天女が昇る

感覚 感触 感情も存続できない百年時間
それでも次から次へと思いを残せば百年時間後に意思は残る

残照 あした土手

2017-07-16 21:00:51 | さみしさBOX
徳島市論田土手より津田山


                「残照」


赤黒く錆びたレール一本

錆びポロポロと剥がれ落ちる

紫色の残照に溶かされ削がれ

最後に地表に忘れてしまう


オレンジ色の残照に包容された頃

赤銅色にテカっていたレール

あの頃積まれた土手砂岩は崩れそう

あの日 オレンジ残照に背中を見せた少年は今 明日へスローに歩いていたい


日々 鋭さをます紫色の残照に

錆びてしまう最終を定めだろう


あした土手の赤銅色残照に映える

残骸でも あした土手にあろう