秋冷裁定
クサガメは野山へ甲羅干しだった
水瓶座に近付きたい一心不乱
傾斜角度15度 酩酊と弛緩 一点に一点で達した
飲まず喰わず即身甲羅になるとは澄まし顔
満天は小粋な額縁 月光のみ射し込む枯れ萎んだ部屋
一夜にして甲羅 落ち葉の布団で眠りについたまま
野山の遥か別格地 人跡は森林伐採跡 獣の傷痕 足跡は薄く落葉と同等速度で糞は非情に転がる
禿げ山とかした跡地 満天は寛大なキャンパス 銀河の光や届けど枯れ萎んだ部屋にどんずまる秋風
青すすき 秋を旅して枯野
すすき野に廃屋の人跡
ぽとぽと水滴は萎んだ部屋を濡らして秋冷の波紋
廃屋廃墟は秋雨に煙る
すすき野 禿げ山に歳月は裁定 同じ轍を踏ませない
原生林を再生へ復活の道
旅路は延々 旅先を定めるのは禿げ山をさらした人跡