
「無数」
川のなか空腹が白鷺に忍耐をかした
彼の本能は崇高な空腹だ
忍耐をへて無数の獲物から命をよりわける
彼の回路は無数の価値観に惑うことはない
彼の一生は空腹を満たすことのみ
だからこそ彼の魂は真っ直ぐ地殻を突き抜け
揺るぎない一つのコアに達する
「無数な色々」
この地上は無数な色々
山をなす土に石 山にはえる木その葉っぱ
無限に近い無数
この地には無数の果実が生まれる
渋くてにがい果実 甘い誘惑の果実 腐りかけの果実
無数の色んな果実の落下
地上に花を咲かせる果実
未来をなす核の果実一輪
水を注ぎ育てる者に核がないとき
聖なる魂は宇宙空間へ自由運動している
