一年で一番待ち遠しい日。
一年で一番うれしい日。
それは誕生日だ。
「わあ、あと一週間で誕生日が来るぅ~♪ ラリラリラリ」
今年もウキウキしながら、その日が来るのを待っていた。
「ママの誕生日は梅の花のディナーでいいかな」
「いいよぉ☆」
「じゃあ、予約しておく」
「ラリラリラリ♪」
おっと、浮かれてばかりいないで、自分へのプレゼントも探さなくっちゃ。
毎年、この日のためにデパートのポイントをためておき、好きなものをゲットすることにしている。バッグ、服、靴、雑貨など、候補のものを見つけたい。さあ、売り場にGO!
しかし、収納場所には限りがあるから、あまり大きなものは買えない。加えて、「欲しい!」と思う商品も見当たらず、どれもこれも決定力に欠けるように見えた。物欲が減退したのだろうか。結局、プレゼントがないまま誕生日の前日となってしまった。
「まあいいや。ひとまず、ごちそうだけでも食べられれば」
食欲は決してなくならない。だが、悲劇はランチタイムに起きた。弁当を食べているとき、口の中で「ジャリッ」という異物音がとどろいたのだ。
「あ、やっぱりやっぱり。歯の詰め物が取れちゃった~!」
異物混入ではなく、虫歯の治療でかぶせた銀が取れていた。右奥歯には大きな穴が開き、左側だけでしか食べられない。明日はディナーだというのに、なんてこったい!
急いで歯医者に電話をする。幸い、その日は午後の授業がなかったので、夕方に予約を入れることができた。すぐに治してもらい、バースデーディナーの危機を乗り越えた。ドキドキ。
「そうだ、冬物のパジャマがあるといいな。もう古くなっちゃったから」
誕生日当日、欲しいものがひらめいた。急に寒くなったから、厚手のパジャマを出したはいいが、首元がすっかり伸びていたので買い替えたい。ディナーまでのわずかな時間を使って、デパートに駆け込んだ。
「ママ、お誕生日おめでとう」
「ありがとう」
お料理はどれも美味しかった。ローストビーフ、かにしゅうまい、あわび、ウニ、豚角煮、天ぷら、稲庭うどんなどなど、私の好物ばかりである。
ダッシュで歯を治した甲斐があったというものだ。
この日、珍しく夫からも花とワインのプレゼントがあった。右側の大きな包みはパジャマである。
綿100%の割にはふわふわで暖かい生地が気に入っている。
ワインは、夫がお店の人に相談して買ってくれたものらしい。
今は白の方が好きだけど、これは特別な味がしそうな気がした。先の楽しみにとっておこう。
「さ~て、早速おニューのパジャマを着てみようかしらね。ラリラリラリ~♪」
抜群の肌触りの良いパジャマに着替え、布団に入る。
ぐっすり眠れるかと思ったら、暑くて何度も目が覚めてしまった……。
一筋縄ではいかない誕生日だったが、おかげさまで成長しております!
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
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「わあ、あと一週間で誕生日が来るぅ~♪ ラリラリラリ」
今年もウキウキしながら、その日が来るのを待っていた。
「ママの誕生日は梅の花のディナーでいいかな」
「いいよぉ☆」
「じゃあ、予約しておく」
「ラリラリラリ♪」
おっと、浮かれてばかりいないで、自分へのプレゼントも探さなくっちゃ。
毎年、この日のためにデパートのポイントをためておき、好きなものをゲットすることにしている。バッグ、服、靴、雑貨など、候補のものを見つけたい。さあ、売り場にGO!
しかし、収納場所には限りがあるから、あまり大きなものは買えない。加えて、「欲しい!」と思う商品も見当たらず、どれもこれも決定力に欠けるように見えた。物欲が減退したのだろうか。結局、プレゼントがないまま誕生日の前日となってしまった。
「まあいいや。ひとまず、ごちそうだけでも食べられれば」
食欲は決してなくならない。だが、悲劇はランチタイムに起きた。弁当を食べているとき、口の中で「ジャリッ」という異物音がとどろいたのだ。
「あ、やっぱりやっぱり。歯の詰め物が取れちゃった~!」
異物混入ではなく、虫歯の治療でかぶせた銀が取れていた。右奥歯には大きな穴が開き、左側だけでしか食べられない。明日はディナーだというのに、なんてこったい!
急いで歯医者に電話をする。幸い、その日は午後の授業がなかったので、夕方に予約を入れることができた。すぐに治してもらい、バースデーディナーの危機を乗り越えた。ドキドキ。
「そうだ、冬物のパジャマがあるといいな。もう古くなっちゃったから」
誕生日当日、欲しいものがひらめいた。急に寒くなったから、厚手のパジャマを出したはいいが、首元がすっかり伸びていたので買い替えたい。ディナーまでのわずかな時間を使って、デパートに駆け込んだ。
「ママ、お誕生日おめでとう」
「ありがとう」
お料理はどれも美味しかった。ローストビーフ、かにしゅうまい、あわび、ウニ、豚角煮、天ぷら、稲庭うどんなどなど、私の好物ばかりである。
ダッシュで歯を治した甲斐があったというものだ。
この日、珍しく夫からも花とワインのプレゼントがあった。右側の大きな包みはパジャマである。
綿100%の割にはふわふわで暖かい生地が気に入っている。
ワインは、夫がお店の人に相談して買ってくれたものらしい。
今は白の方が好きだけど、これは特別な味がしそうな気がした。先の楽しみにとっておこう。
「さ~て、早速おニューのパジャマを着てみようかしらね。ラリラリラリ~♪」
抜群の肌触りの良いパジャマに着替え、布団に入る。
ぐっすり眠れるかと思ったら、暑くて何度も目が覚めてしまった……。
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