これは したり ~笹木 砂希~

面白いこと、妙なこと、不思議なことは、み~んな私に近寄ってきます。

2015 今年の収穫

2015年12月31日 22時42分07秒 | エッセイ
 2015年が終わろうとしている。
 年の瀬には大掃除。しかし、指先には違和感があった。爪が伸びているのだ。



 この程度で? とお思いになるだろうか。
 私にとっては、この程度でも大問題なのだ。キーボードを叩く指が微妙に引っ掛かり、箸を持ってもしっくりこない。作業がスムーズに進まず、イライラして許せなくなる。
 ええい、切ってやる!



 周りからは「深爪だ」と言われるが、私にとってはこれがスタンダード。
 あー、すっきり。
 おかげで大掃除にも熱が入り、ガスレンジ、換気扇、床の水拭き、トイレなどなど、順調に終わらせることができた。
 振り返ってみると、今年はよく体を動かした年だった。休日になると、電車に乗って高尾山や日光に行きたくなる。家にいても、「あの料理を作ってみよう」「映画を観に行こう」などと思いつき、じっとしていられない。今まで、家でのんびりするのが好きだったので、大きな変化である。
 これは、3月から始めた「蒸しショウガ」の力であろう。(関連記事「蒸しショウガの効用」はこちらから)
 今年出会ったものの中で、間違いなく一番のヒット。スープや紅茶に入れるだけで体が温まり、「やってやるぜぇ!」と前向きな気分になれる。問題が起きれば、「解決してやるぜぇ!」とぶつかっていける。私に元気を与えてくれる不思議な食べ物のおかげで、延々と続く障害物競争をしぶとくクリアした感じの一年だった。
 今年の漢字は「安」だったが、私にとっては「動」である。来年も積極的に動いて、生活を楽しんでいきたい。
 大掃除が終わったら夕方になっていた。年越し蕎麦の準備をせねば。
 今日は、そんなこんなで「天ぷらを作ってやるぜぇ!」という気分であった。出来あいのものではなく、デパートでイカや大き目のエビを買い、ネットで美味しい衣の作り方を研究した。手抜きの主婦代表としては、画期的なことだ。
「えーと、キッチンペーパーで水気をふき取ってから、小麦粉をまぶして衣をつける……」
 書いてある通りにやっているのに、エビに水気が残っていたようだ。ジャジャジャジャーッと激しい音を立てて、中華なべの油が飛び跳ねた。
「ひーっ」
 火傷はしなかったけれど、さっきまできれいだったガスレンジに、油が飛び散っている。
「掃除したばっかりなのに~!」
 でも、家族からの評判は上々。「美味しいよ」と喜んでもらえると、頑張ってよかったと思うものだ。家族の笑顔に、再びパワーがわいてきた。洗い物が終わったあとに、「もう一回掃除してやるぜぇ!」と雑巾片手にガスレンジを拭いた。
 こうして、2015年はやる気満々で暮れていくのであった。
 お読みくださった皆さまへ。
 一年間お世話になりました。
 閲覧数や訪問者数、温かいコメントなどが励みになり、更新のエネルギーをいただきました。
 本当にありがとうございました。
 来年もよろしくお願いいたします。


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磁器愛

2015年12月27日 21時43分30秒 | エッセイ
 クリスマスが終わったら、新年を迎える準備がある。昨日はカーテンを洗い、タンスや本棚を片づけるなどして、一日中体を動かしていた。
 だから、今日は一日くらい遊んでもいいかな~と思い、日本橋三越まで出かけてきた。
 お目当てはこのイベントである。



 今年は有田焼創業400年という節目に当たるらしい。大好きな柿右衛門が見られるというのでチェックしていたのだが、恥ずかしながら今泉今右衛門という窯家は知らなかった。はてさて、どんな磁器を見せてくれるのやら。
 順路は、今右衛門が先だった。青が目に飛び込んでくる、という印象である。よくいえば落ち着いた雰囲気で、植物を描いた作品の数々に生命力が宿っている。悪くいえば地味。でも嫌いではないと感じた。



 次は、いよいよ柿右衛門の登場である。
 こちらは赤が主体のせいか、会場がやけに明るく見える。柿右衛門を襲名する前の作品と、襲名後の作品を比較すると、やはり後のほうがいい。一本一本の線が細く、細部まで神経をつかっているような仕上がりに、窯家の美意識がこめられているようだ。



 展示のサブタイトルとして、「赤と青の競演」というフレーズが浮かんできた。
 特によかったのが映像である。出口手前に、十三代今泉今右衛門と十四代酒井田柿右衛門の仕事ぶりやインタビューなどを放映している一角があり、「この人がこの素敵な作品を作ったのね」と興味深く鑑賞した。どちらも、重要無形文化財、つまり人間国宝の認定を受けているそうだ。
 今右衛門の吹付技術の映像は、かなり貴重なのではないだろうか。作品への工夫や情熱も、わかりやすく語っており、真面目な人柄が見てとれた。対する柿右衛門は、若かりし頃は結構なイケメン。だが、ボソボソしゃべる癖があり、半分も聞き取れなかったのが残念だ。
 柿右衛門の特徴について、ナレーターの解説は大変ためになった。
「柿右衛門には3つの特徴があります。まずは『赤絵』。この色を守るため、絵具の調合は窯家にしかできません。次に『濁手』。赤が映える乳白色が背景になっています。それから『余白』。必ず絵柄のない部分を残すようにしています」
 なるほど!
 作品を理解していく上で、理論の裏付けは必須である。これからは、また違った角度から、柿右衛門の作品を見られそうだ。
 十四代柿右衛門は、過去の窯家が生みだした赤絵を「酔うような赤」と評したそうだ。燃えるような、ではない表現が心に残った。
 出口には、お約束のようにショップがある。思った通り、柿右衛門の磁器も売られていたが……。
「高ッ」
 とても手の出る価格ではなかった。湯呑は3万円台、皿もペーパーウェイトも「ゼロが一つ多いんじゃないの?」というお値段である。結局、私が買ったのは、無難なクリアフォルダであった。



 下の階には、もっと値の張る柿右衛門が売られていた。300万円台の壺や、200万円台の花器、一番安い皿でも56万円である。唖然としながらフロアを回ると、今度はマイセンが並んでいた。
 こちらはさらに高級品だ。壺が800万円台、置物が1300万円台……。
 作品と価格の素晴らしさに、頭がクラクラしてきた。
 家が買えちゃうかもね~。
 庶民は、明日からまた大掃除に励みます!


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妹が仕切るクリスマス会

2015年12月24日 21時33分14秒 | エッセイ
 さて、毎年、天皇誕生日は妹の家でクリスマス会と決まっている。両親や姉夫婦、妹一家と一緒に宴会をするのだ。
「今年はダンナが休めなかったのよ。チキンやスープは用意するけど、大したモンはできないよ」
 義弟よく働く。肉をアスパラに巻いて焼いたり、エビをグリルに入れたりと、汗をかきかき体を動かし、手際よく料理を作っていく。しかし、妹はそれを見ていることが多く、ほとんど自分では作らない。義弟なしで、ちゃんとできるのかしらと心配になった。
「こんばんは」
 妹の家に着くと、すでにみんなが揃っていた。キッチンでは人手不足のためか、姉の夫、つまり義兄までが盛り付けを手伝わされている。
「できた」
「あら、案外キレイじゃない」



 妻である姉に褒められ、義兄はまんざらでもなさそうだ。姉はナイフを動かして、一生懸命チキンを切り分けていた。母もナイフを持たされ、仕事を割り当てられている。
 私も、あれこれ用意してきた。
 まず、パイシートにパルメザンチーズを加えて焼いた、チーズスティック。



 温度が高くて、少々焦げてしまったのが残念だ。
 それでも、「おっ、なかなか美味しいぞ」と言ってもらえて、結構売れた。
 ほっ。
 それから、オーブントースターで焼くだけのフランス産エスカルゴ。



「かたつむり? ……いらないよ」
「いらなーい」
 中学生の甥と姪は難色を示すと予想していたが、案の定であった。
 想定外だったのは73歳の母である。好き嫌いがなくて、何でも食べると思っていたのに、そうではなかった。
「やだ。これ食べたくない」
「え? だって、パリに行ったことあるよね」
「行ったけど、食べなかったの」
 77歳の父は興味深く箸をつけていたけれど、雑食系の母に拒絶されるとは。居住地の那須には、大きなかたつむりやなめくじがいるので、ダブって見えたのかもしれない。夫は残ったエスカルゴをチラ見して、これ幸いとばかりに4個も食べていた。「利害関係の一致」という言葉が浮かんでくる。
 グラタンは、ペロッと食べてくれたからよかった。
 テリーヌは、切って並べるだけだから楽だ。色合いも、クリスマスっぽくていい。



「はい、スープができましたよ~」
 妹が器を回してくる。
「スプーンは?」
「あっ、ちょっと待ってて」
 しかし、スープ用の大き目のスプーンが足りない。妹は、義弟がしまった場所を知らないのだろうか。探しても見つからないと判断すると、彼女は私の顔を下からのぞき込むようにして言った。
「ねえ、姉さんのスプーンはレンゲでいいかしら」
「レンゲ……」
 なければ仕方ないが、これではちょっと淋しい。



 味はおんなじだけどね。美味しいミネストローネだった。
 最高傑作だったのは、おにぎりだ。わが家では、料理をひと通り食べたところで、おにぎりを作る。実は、買い出し中に、妹からこんなメールが来た。
「おにぎりの具を買ってくるのを忘れたわ。昆布はあるけど、明太子や鮭があったら持ってきておくれ」
 それは大変だ。ひとまず、冷凍庫の紅鮭を引っ張り出し、フライパンでいい色にソテーする。これを入れたら、さぞや美味しいだろうと考え、ラップに包んで持ってきた。
「じゃあ、たらこの人……4人。明太子の人……1人、鮭の人……3人」
 希望をとって、いざ、ご飯を握ろうとしてお釜を開けると、からっぽではないか。
「あ、しまった。お米を研ぎ忘れた」
「えー」
「マジい?」
「おにぎりが……」
 お腹をすかせた父や夫は苦笑い。まあ、妹らしいといえば、それまでだが。
「じゃあ、ケーキにしましょ」
 今年のケーキは、地元の人気店で買ってきた。10人用の7号なのに、4200円という安さである。



「このケーキ、ふわふわだね」
「軽い」
「美味し~い」
 そんなこんなで、やたらと印象的だったクリスマス会が終わった。
 新年会こそ、義弟がいてくれないと困るのだが。
 何はともあれ、メリークリスマス!


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自分にクリスマスプレゼント

2015年12月20日 21時12分34秒 | エッセイ
 12月って、一年で一番好きな月かもしれないなぁ。
 だって、ボーナスが出るじゃない? クリスマスもあるし、年末年始のお休みも控えているから、楽しいことだらけだもん。
 そのボーナスをあてにして、昨日、買い物に行ってきたの。
 やっぱり、デパートはいいわね。何かを探していたわけじゃないのに、ひと目惚れした商品があったから、衝動買いしちゃった。
 ほら、見てこれ。



 ふふふ、何だかわからない?
 ううん、スカーフじゃないよ。
 え? 足ふきマット?
 大きさは近いけど、ひと目惚れするモンじゃないよね、あはは。
 わからない? じゃあ、これならどう?



 そうなの、ニットなのよ、変わってるでしょ。
 自分にクリスマスプレゼントを贈るのも、悪くないと思ったりして。
 ウール100%だから、軽くて結構暖かかいし。
 店員さんから渡された袋を見たら、イッセイ・ミヤケって書いてあるから納得したぁ。



 道理で、奇抜だと思ったよ。
 店員さんは、私が相当気に入ったのに気づいたみたい。
 来年の商品カタログをもらっちゃった。
 このTシャツ、どう思う?
 


 そうだよね、これは着こなす自信がない。
 こっちも。



 でもさ、このカーディガンはどう?



 アタシ、これも気になっちゃって。
 お正月まで考えて、それでも欲しかったら、買いに行こうかな。
 今度は、自分へのお年玉、なんちゃって~!


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サユリスト必見「母と暮せば」

2015年12月17日 21時06分14秒 | エッセイ
 お叱りを受けることを覚悟で打ち明けるが、スクリーンで日本を代表する大女優・吉永小百合を観るのは、これが初めてだ。
 監督 山田洋次 「母と暮せば」



 70歳という年齢には決して見えない、若々しさと美貌。



 3月には71歳になるというが、「ウソでしょ?」としか言えない張りのある美肌。実に素晴らしい。
 包容力や勇気もあり、外見のみならず、内面までピカピカに磨かれている方とお見受けした。
 さて、この女優の名を聞くと、ついセットで思い出してしまう大学講師がいる。
「商学部のみなさん、これから一年間、日本商業史の講義を担当するホニャララと申します」
 今から30年前、私が大学1年だったときのことである。まだ30代か40代だった担当の男性は、教授でも准教授でもなく、講師という肩書だった。でも、講義に手抜きはしなかったし、休講もなく、熱心であった。
 あるとき、ホニャララ氏は唐突に昔話を始めた。商業史に関する脱線は、たまにあったけれど、プライベートな話を披露したことはない。
「私は早稲田大学出身なんですが、一度、図書館で吉永小百合を見たことがあります」
 吉永小百合に反応し、眠そうな目をした学生も、友人とコソコソ話をしていた学生も、「なんだなんだ」と耳を傾けた。
「当時はすでに人気女優で、テレビで見るよりずっとキレイでした。私は目が釘付けになり、ジッと吉永小百合を見つめていました」
 うんうん、それで?
「すると、吉永さんは視線に気づいてこちらを見たんです。彼女は目が悪くて、私を友人か誰かだと思ったようでした」
 おお、すごいぞ~!
「私と小百合ちゃんは、5秒くらいずっと見つめ合っていたんです! 知り合いではないとわかり、目をそらされるましたが、このことは何年たっても忘れられません!」
 ついに小百合ちゃんときたか。熱を帯びた視線に、力のこもった声。教壇で、仁王立ちするサユリストに度肝を抜かれ、学生たちはその年一番の集中力を発揮した。
 ちなみに、日本商業史の講義内容は全然おぼえていないが、小百合ちゃんに関する話だけは、講師の表情や身振り手振りまで記憶している。この映画を観たら、堅物のホニャララ氏を夢中にさせた大女優の魅力を理解して、私にとっても憧れの人となった。
 吉永小百合が演じる母・伸子は霊感体質のようだ。戦地に赴いた長男の霊を見たことから戦死を悟り、原爆で亡くなった次男とは会話まで交わす。だが、原爆症を患っていたのだろうか、少しずつ弱って元気がなくなっていく。
 次男の浩二役に抜擢されたのが、嵐の二宮和也である。



 婚約者の町子を一途に想い続け、ときには涙をこぼすことも。素直な好青年ぶりに、「こんな息子がいたらなぁ」と笑みがもれる。吉永小百合とは、本当の親子のように睦まじく見え、息が合っていると感じた。
 浩二の婚約者・町子には黒木華。



 町子は原爆投下の日、運よく難を逃れたが、「死んでいった仲間に申し訳ない」と自分を責め続けている。死なずにすんだ者にも、別の地獄が待っていたのだ。こんな社会はおかしい。
 浅野忠信も出ていたようだが影が薄い。エンドロールで名前を見つけ、首を傾げて隣の娘にささやいた。
「浅野忠信なんていたっけ?」
「え? いないんじゃない?」
「もしかして、上海のおじさんとか」
「は? どんな特殊メイクだよ」
 プログラムで確認したら、戦争で左足を失った、黒田という男の役であった。メガネをかけていたせいもあり、「ヴィヨンの妻」とはまったくイメージが違う。この人は決して美男ではないけれど、スクリーンに登場すると、なぜかそちらを見てしまう。これも名優の条件なのだろうか。



 最後に、音楽担当の坂本龍一を忘れてはならない。この映画が病気休業から復帰して、初の仕事だそうだ。
 坂本氏は、反戦・反原発のスタンスで長らく活動されている。今年が戦後70年の節目であり、長崎の原爆の話であることから、自分がやらねばという気持ちで引き受けたという。私は、YMOからのファンなので、音楽が流れるたび、全神経を耳に集中させて聴いた。音楽には詳しくないけれど、ラストの合唱曲は、世代も職業も違うたくさんの人々が、「長崎の鎮魂」のために一つになったようで、心を揺さぶられた。
 隣で観ていた娘は、私の3倍泣いていたように見える。近くに座っていた老夫婦の嗚咽も聞こえてきた。嵐のファンとおぼしき少女3人組も、しきりにハンカチで目元をぬぐっていた。
 親子、兄弟、恋人、友人……。戦争によって絆を断たれ、元に戻れぬ哀しさよ。
 若い世代には、特に観てほしい映画である。


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敵はエアコンにあり

2015年12月13日 20時24分57秒 | エッセイ
 12月に入ってすぐの朝。 目が覚めたら喉が痛かった。
「しょうが紅茶を飲んでも治らない……。風邪かなぁ」
 体調がイマイチだと気分も悪い。そのうち治るだろうと放置していたが、翌日には鼻水まで垂れてきた。一度かんでも、すぐ次の鼻水部隊がほふく前進で忍び寄り、またかまなければならない。ズビー、ズビーと際限なく続き切りがない。目もショボショボして字を読むのがつらいし、何よりも集中力が高まらないことが困る。

 いかん!

 心当たりはある。これはきっと風邪ではなくて……。
「アレルギーですね」
 土曜日を待ってホームドクターを訪ねると、予想通りの診断が下された。
 勤務先の高校では、11月30日からエアコンをつけるようになった。私にはハウスダストアレルギーがある。8月にも同じような症状が出て、鼻水、咳などに悩まされたのだが、主治医にはエアコンが原因ではないかと言われた。服薬後、劇的に回復したことを考えると、ドクターの診断は正しかったのだろう。
 冬になり、エアコンを稼働させたことで暖風が埃を巻き上げ、再びアレルギー症状があらわれたようだ。
「年末年始を挟むから、お薬は40日分出しておきますね。お大事に」
 ドーンと大量の薬を渡され、医院をあとにする。さて、これで大丈夫だろう。



 鼻水の厄介なところは、喉の方にも流れていき、痰や咳の原因となることだ。まめに鼻をかみ、出してしまわなければならない。また、薬をしっかり飲んで、鼻水が出ないようにコントロールしていくことも大切である。
 幸いなことに、わが家のティッシュは鼻にやさしいタイプ。



 これを使っていても鼻の脂はなくなるが、赤くただれることはないので安心だ。
「あっ、醤油こぼしちゃった」
 夫が、保湿ティッシュをつまんで汚れをふく。
「…………」
 無駄づかいして……。醤油の始末は布巾でしなさい!
 アレルギー発症から、そろそろ2週間。鼻水部隊の性質も読めてきた。ヤツらは、体温が上がったときに攻め込んでくるようだ。食事のあと、入浴のあと、洗顔のあとというように、要所要所で待ち伏せし、反撃に転じれば、日常生活に支障はない。
「エヘン、エヘンエヘン」
 職場では、隣の席の男性がよく咳払いをしている。以前は「うるさいなぁ」と思っていたが、この人もアレルギー持ちなのかもしれないと考えれば、見方も変わってくる。
 症状がおさまれば、薬を中断してもいいそうだ。
 ひとまず、クリスマスまでに治すことを目標にしよう。


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2015 忘年会

2015年12月10日 20時57分30秒 | エッセイ
 エッセイ教室の忘年会に備えて、プレゼントの本を用意する。



 100均で文庫用のブックカバーを買い、本につけてみる。
 プレゼントに関しては、リーダーからメールで指示があった。
「なぜその本を選んだのかを手紙にして、包装してきてくださいね」
 カードも100均で買ったけど、さて何を書こう。
 辻仁成だから、これを最初の文字にしようと思いついた。
「つかれたとき
 じぶんに自信が持てないとき
 ひそかに読んでみよう
 とおい時代から
 なぜか心にしみ込むメッセージ
 りズムに乗って届けます」



 包装も、使いまわしができそうな袋にした。これも100均。



 忘年会当日を迎え、いざ表参道へ!
 その日の会場は、日本料理 太月というお店であった。個室もあってくつろげる。
 どのお料理も口あたりがよくて、「うーん、おいし~」と熟女たちを唸らせた。



 左上の茶わん蒸し、左下前菜の鴨は特に気に入った。お造りは厚みがあり、満足度が高い。



 右端のデザートでは、グラスの抹茶プリンが絶品。プルプルと揺れるプリンが黒蜜と絡み合い、口の中で儚くとろける。茶と蜜の相性が素晴らしくて、おかわりしたいくらいだった。
「お食事もすんだし、プレゼント交換しましょうか」
「わ~い」
 くじで1番を引いた人から、プレゼントを選んでいく。私が用意した包みは、還暦を過ぎても堀ちえみに似ているマダムが受け取った。
「辻仁成? 読んだことないわ。楽しみ~」
 ひとまず、喜んでもらえたようでよかった。
 私がもらった本は、西加奈子の『まにまに』である。たしか、『サラバ』で直木賞を受賞しているはずだが、読んだことはない。これは、イケてる。



 添えられたクリスマスカードは、かなりオシャレ度の高いデザインである。どう見ても100均ではない。



 中を見ると、「若いエネルギー、自分の心に正直なところ、大阪弁、自由な書き方。枠に収まらない楽しさがあります。イラストを描いたのもご本人とか。でも、内容とはまったく関係ない絵。それもまたおもしろい」と書いてある。スマートな文章に感心した。今は読みかけの本があるから、さっさと終わらせて、これを開きたいものだ。
「私のは猫ちゃんよ♪ すご~い、どうしてこんな本が読みたいってわかったの?」
 リーダーはかなりの猫派。アメリカンショートヘアが大きな目をパッチリさせて、小首をかしげている表紙のハードカバーが当たり、泣き出さんばかりに喜んでいた。
 エッセイ交換の企画は、こんな感じで収まる場所に届き、上々の結果となった。
 今年の忘年会は、ことのほか充実していて忘れがたい。


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大人の映画「007 スペクター」

2015年12月06日 10時05分31秒 | エッセイ
 普段、映画を観るときは、大学1年の娘と一緒というパターンが多い。
 しかし、ラブシーンがお約束になっている「007」は別だ。スクリーンの前で気まずくなる場面を想像し、ひとりで行くことにする。もっとも、私は高校時代からこのシリーズを観ていたから、あまり気にすることはないのかもしれないが。
 現在のジェームズ・ボンドは6代目だが、私は初代のショーン・コネリーが好きだった。



「ネバーセイ・ネバーアゲイン」の頃には、シワが増えて立派なオジさんになっていた。しかし、男性としての魅力は衰えない。いわば、「全身フェロモン」のようなボンドであった。その後のロジャー・ムーアやティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナンが霞んで見え、007から遠のいた原因になっている。
 しかし、今回の007はSNSの友人たちが絶賛しており、興味をそそられ劇場に来たというわけだ。
「ダニエル・クレイグ? 何者かしら……」
 正直いって、写真からは色気が感じられない。50歳を過ぎている印象だったのに、実際は私より1つ下なのでビックリだ。



 ちなみに、白いタキシード姿のボンドは、「ゴールドフィンガー」以来とある。見事な着こなしぶりに、新ボンドへの期待が高まる。
 映画は、メキシコの「死者の日」という祭りから始まった。



 あとから知ったことだが、この祭りでの「死者は生きている」という言葉が、今回のテーマになっているそうだ。細かい計算が光っている。
 ボンドを殺そうとする敵役ヒンクスには、元プロレスラーで格闘家のデイブ・バウティスタという、聞いたこともない男が抜擢されている。



 いかにも凶悪そうな風貌に加えて、素手で他人の両目を潰すという残虐さも見られる。執拗にボンドを追ってきて、本当に怖かった。殴り合う場面では、ボンドが負けるはずないと思いつつドキドキハラハラ。「早く死ね」と何回念じたことか。
 ボンドの上司であるMを演じたレイフ・ファインズは、初めて見る俳優だと思ったら、意外なところで会っていた。



 プログラムによると、「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート役だったらしい。あの不気味な化け物は、目も鼻も口もある普通の男性だったのだ。ひと癖もふた癖もありそうな雰囲気に納得する反面、「名前をいえないあの人」が、ここでは味方というのも変な感じがした。だが、さすがは一流の俳優。何の違和感もなく007の世界に溶け込み、最初からいたような顔をしている。
 6代目ボンドのダニエル・クレイグの評価は二重丸だ。
 まず、胸板が厚く、顔も含めて全身が筋肉質という体型がいい。



 そして、この筋肉の塊が、走って跳んで殴って蹴って、という具合に動くたび、異性としての輝きを放つのである。キラキラ、キラキラと。実にセクシーで、いわば「全身男性美」であろうか。
 表情は乏しいが、自称「殺し屋」はそれくらいでちょうどいい。殺しのライセンスを持つ男が、ニヤニヤヘラヘラしていてはいかんのだ。追っ手に銃を向け、眉ひとつ動かさずに百発百中の腕前を披露してこそ、その道のプロ。クレイグの戦闘場面に痺れ、すっかりファンになってしまった。友人たちの口コミを信じて正解である。



 プログラムの終わりには、007コレクションのDVDなどが載っていた。
 全作品と


 
 俳優ごとの作品と、選べるようになっている。



「うーん、欲しいなぁ……」
 全作品はなくても、クレイグとコネリーがあれば十分。
 でも、家に置いておいたら娘に見られて、「お母さんたらこんな映画を」なんてことになるかもしれない。
 やっぱりレンタルにしようかな……。


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私が選ぶこの一冊

2015年12月03日 22時05分52秒 | エッセイ
 来週は、エッセイ教室の忘年会がある。
 先日、リーダーからメールが送られてきた。
「今回はプレゼント交換をしましょう。プロが書いたエッセイ集を一冊、用意してください」
 各自のお気に入りを持ち寄り、読み比べるのもまた一興というわけだ。これという本を探さなくては。
「うーん、何にしよう……」
 私の好みはユーモアのあるエッセイだ。原田宗典にあたりをつけて、ジュンク堂に行く。ネットで買うほうが楽なのだが、中身はすっかり忘れている。実物を見て、「ああ、こういう話だったな」と思い出さなくてはいけない。
 ところが、原田宗典の本は品ぞろえが悪かった。代わりに、妹の原田マハがたくさん並んでいる。
 いつのまに!
 時代の移り変わりを感じるばかりだった。
 次の候補を考える。土屋賢二はどうだろう。売れているのか、本棚にはズラリと著書が並んでいる。一冊手に取って中を見ると、作者の経歴が書いてあった。どうやら、哲学者が本業のようだ。となると、今回の趣旨からズレているかもしれない。
「これもダメかぁ……」
 米原万里も、涙が滲むくらい笑わせてくれる本を書いているが、本業はロシア語通訳。同様の理由でやめておいた。
 当てもなく売り場をうろついていたら、江國香織が目に入った。『とるにたらないものもの』はタイトルだけ聞いたことがある。すぐさま棚に駆け寄り、「これはどうだ?」とページをめくってみた。
 この人の文章は、夕焼けの空のように美しい。独特のリズムを刻みながら、優雅な情景を描き出し、いつしか、まったく異質な世界に入り込んでいく。これを読んだら、自分のエッセイが変化するような気がした。
 しかし、読み進んでいくと、だんだん飽きてくる。事件がないからだろうか。目の肥えた熟女たちには単調かもしれないと、泣く泣く本棚に戻した。
「仕方がないな……」
 実は、どうしても見つからなかったら、これにしようと決めていた本がある。
 辻 仁成著 『そこに僕はいた』



『冷静と情熱のあいだ』を読んだことがきっかけで、辻仁成の作品に興味を持った。この本は図書館で借りたのだが、単なる昔話をユーモラスに描写するだけでなく、今にどうつながっているかが描かれていて、妙に心に響く。「教訓になるな」と思う部分もあり、プロの技量を感じた作品である。
 探してみたら、「やっと来たか」と言わんばかりに、本棚で待っていた。ピックアップして、レジに持って行く。
 おそらく、10年ぶりの再会である。忘年会までに、もう一度目を通しておこう。お姉さま方も、気に入ってくれるとよいのだが。
 さて、みなさんだったら、どの本を選びますか?


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