ときどき、家族で「庭の湯」に行く。バーデプールで遊び、温泉で温まってから、夕食を楽しんで帰宅する。遠出はできないけれど、ちょっとした気分転換にいい。
「お母さん、サウナに入ろうよ」
高2の娘はサウナが好きだ。でも、私は暑いところが苦手なので、尻込みしてしまう。今まで、じっくり入ったことはない。
「いいじゃん。ものはためしでしょ」
娘に引っ張られて、フィンランドサウナなるものに入った。
「暑ッ!」
真夏の炎天下よりも、ジリジリ肌を焼かれるような灼熱地獄が待っていた。しかし、座ってジッとしていると、疲れ切った体がほぐれるような感覚がある。
今週は忙しかったからね……。
もし、疲れが蓄積していなかったら、サウナのよさがわからなかったかもしれない。冷えた足も温まり、食わず嫌いはいけないと反省した。
「もういいや。出よう」
座っているのに飽きて、ドアを開ける。近くには、スチームサウナなるものもあった。
「じゃあ、今度はこれ」
入っていこうとすると、娘に止められた。
「スチームサウナは好きじゃない」
「何で?」
「息が苦しいから」
「そうかなぁ。ものはためしでしょ」
今度は、私が強引に娘を押し込む。中は、煙が充満しているかのように、水蒸気で空気が白く濁っていた。
たしかに呼吸はしづらい。動かなくても、スチームが顔にも体にもまとわりついてきて、皮膚が濡れる。それとも、これは汗なのだろうか。体はリラックスするし、老廃物も流れ出すような爽快感があり、私はこちらのほうが好みである。
「お腹すいた。ご飯食べたい」
サウナのあとはお風呂に入り、しっかり汗を流す。夕飯はそのあとだ。
「北海丼っていうのがあるよ。これにしよう」
私も娘も、丼の上に、カニ、イクラ、ウニが円グラフ状に並んでいるメニューを注文した。食べる前から美味しいことはわかっている。歯ごたえのあるカニに、ジューシーなイクラ、とろける味わいのウニが、三位一体となって、舌を満足させてくれた。
不意に娘がつぶやいた。
「さっきまで、のどがガラガラしてたんだけど、今は治ってる」
娘は風邪ひきである。どうやら、スチームサウナで患部が潤い、のどの痛みがなくなったようだ。こんな効果があるとは思わなかった。
お腹も体も大満足。
さて、来月も行こうかな。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「お母さん、サウナに入ろうよ」
高2の娘はサウナが好きだ。でも、私は暑いところが苦手なので、尻込みしてしまう。今まで、じっくり入ったことはない。
「いいじゃん。ものはためしでしょ」
娘に引っ張られて、フィンランドサウナなるものに入った。
「暑ッ!」
真夏の炎天下よりも、ジリジリ肌を焼かれるような灼熱地獄が待っていた。しかし、座ってジッとしていると、疲れ切った体がほぐれるような感覚がある。
今週は忙しかったからね……。
もし、疲れが蓄積していなかったら、サウナのよさがわからなかったかもしれない。冷えた足も温まり、食わず嫌いはいけないと反省した。
「もういいや。出よう」
座っているのに飽きて、ドアを開ける。近くには、スチームサウナなるものもあった。
「じゃあ、今度はこれ」
入っていこうとすると、娘に止められた。
「スチームサウナは好きじゃない」
「何で?」
「息が苦しいから」
「そうかなぁ。ものはためしでしょ」
今度は、私が強引に娘を押し込む。中は、煙が充満しているかのように、水蒸気で空気が白く濁っていた。
たしかに呼吸はしづらい。動かなくても、スチームが顔にも体にもまとわりついてきて、皮膚が濡れる。それとも、これは汗なのだろうか。体はリラックスするし、老廃物も流れ出すような爽快感があり、私はこちらのほうが好みである。
「お腹すいた。ご飯食べたい」
サウナのあとはお風呂に入り、しっかり汗を流す。夕飯はそのあとだ。
「北海丼っていうのがあるよ。これにしよう」
私も娘も、丼の上に、カニ、イクラ、ウニが円グラフ状に並んでいるメニューを注文した。食べる前から美味しいことはわかっている。歯ごたえのあるカニに、ジューシーなイクラ、とろける味わいのウニが、三位一体となって、舌を満足させてくれた。
不意に娘がつぶやいた。
「さっきまで、のどがガラガラしてたんだけど、今は治ってる」
娘は風邪ひきである。どうやら、スチームサウナで患部が潤い、のどの痛みがなくなったようだ。こんな効果があるとは思わなかった。
お腹も体も大満足。
さて、来月も行こうかな。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)