星占いによると、私は今「モテ期」なんだそうな。
幸運が次から次へとやってきて、「うほほ」と喜ぶ時期になっているらしい。
身に覚えはなかったので、「ホントかよ」と疑わしく思っていたが、間違いではなかったらしい。
「ワインセミナーに当選されました。おめでとうございます」
先日、こんな電話がかかってきた。たしかに、応募したことはおぼえているが、まさか本当に当たるとは。文書が送られてきて、ようやく現実のものとして認識できた。
今回は、妹と出かけることにした。
埼京線の車内で待ち合わせ、会場に向かう。会場であるイタリアンレストランでは、どの席も4人掛けとなっており、相席であるらしい。18日生まれは直感に優れているという話なので、「ここがよさそう」と思う席に座る。
「こんばんは」
向かい側に座ったのは30代前半らしい女性と、60代後半に見える女性である。どちらもオシャレで感じのいい人で、私の直感は間違っていないと自信を持った。
セミナーは、サントリー種類株式会社所属のソムリエが講師となり、進められていく。
「お酒を作るには、通常、糖分、水分、酵母が必要となりますが、ワインにはこれらを添加する必要がなく、ぶどうそのものが原料という、最も自然なお酒です」
講師の話は、ワインの長所を中心に組み立てられているようだ。
焼酎やウイスキーに比べるとアルコール度数が低くて飲みやすいこと、酸味があるから食事と合うこと、赤ワインにはポリフェノール、白ワインにはミネラルが含まれ、体に良いことなどを熱心に語っていた。
次に、ワインの造り方に進む。赤ワインは種や皮も一緒に発酵し、液体を取り出して熟成されるから色が赤い。白ワインは、ぶどうをプレスしてジュースだけを搾り発酵させるから赤くない。すでに知っていることだが、改めて説明を受けると、初めて聞いたような気がするから不思議だ。
「質問いいですか」
相席のマダムが手を上げた。
「スパークリングワインやシャンパンには炭酸が入っていますが、あれはどうやって作るのでしょう」
それは私も聞いてみたい。いい質問である。
「作り方ですか。まずは普通のワインを作ります。これに砂糖と酵母を加えると炭酸ガスが発生するので、二次発酵をして作るというわけです」
だが、答えにはガッカリした。つまり、私の好きなスパークリング系には、すべて砂糖が加えられているわけだ。血糖値を下げたいと思っているのに、これでは無理だろう。
その日、いただいたワインは4種類であった。
フレシネ コルドン・ネグロという辛口スパークリング。
サンタ バイ サンタカロリーナという白、サンタ バイ サンタカロリーナ カベルネソーヴィニヨン&シラーという赤。
エル・グリル マルベックという赤である。
おかわりもできるので、すっかり酔っぱらってしまった。
おつまみは、生ハムとサラミ、フリットと
ピッツァであった。
食べ盛りではないが、これでは到底足りない。ほぼ無料のイベントだから、あまり贅沢はいえないのだが。
「私はもう若くないから、そんなに食べなくていいの。もっと食べてね」
相席のマダムが気をつかう。
「私は2階の〇〇店で働いています。よかったら今度来てください」
30代の女性ともあれこれ話をした。二人とも気さくな人柄だったから、海外旅行や家族の笑い話を聞かせてくれて、ほんの2時間ではあるが楽しく過ごすことができた。また会えたら嬉しく思う。
セミナーは、おしゃべりが終わったころにお開きとなる。最後の方は話し声ばかりで、誰も講師の話を聞いていなかったかもしれない……。
おみやげに赤の小さなワインをいただいた。
「物足りないね。デニーズでも行く?」
「行く行く」
妹を連れてファミレスに向かう。大食漢の自覚はないけれど、もうちょっとお腹を満たしたい。
パスタは2人でシェアし、パフェは1個ずつ食べた。
締めはコーヒー。当然だろう。
妹とは久しぶりにたくさん話をした。義弟の仕事のこと、甥のこと、姪のこと、両親のことなどなど、親族全員がいる場では話せない話題で盛り上がり、こちらがメインだったのではという気がした。
日頃から姉らしいことはしてあげられないので、ひとときだけでも役に立てればと思う。
「ああ、楽しかった~!」
パフェを食べ終わり、妹が笑いながらこう言ってくれたとき、ワインセミナーが当たってよかったと感謝した。苦労していないように見えても、あれこれ重いものを抱えていることがわかったからだ。
すっかり遅くなってしまった。妹と別れて、足早に家に向かった。
私の中でも重いテーマが渦巻いていた。
スパークリング、シャンパン、血糖値……。
えーん、砂糖を加えて二次発酵しているなんて聞いてないよ。
モテ期の幸運はどこへ行った?
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
幸運が次から次へとやってきて、「うほほ」と喜ぶ時期になっているらしい。
身に覚えはなかったので、「ホントかよ」と疑わしく思っていたが、間違いではなかったらしい。
「ワインセミナーに当選されました。おめでとうございます」
先日、こんな電話がかかってきた。たしかに、応募したことはおぼえているが、まさか本当に当たるとは。文書が送られてきて、ようやく現実のものとして認識できた。
今回は、妹と出かけることにした。
埼京線の車内で待ち合わせ、会場に向かう。会場であるイタリアンレストランでは、どの席も4人掛けとなっており、相席であるらしい。18日生まれは直感に優れているという話なので、「ここがよさそう」と思う席に座る。
「こんばんは」
向かい側に座ったのは30代前半らしい女性と、60代後半に見える女性である。どちらもオシャレで感じのいい人で、私の直感は間違っていないと自信を持った。
セミナーは、サントリー種類株式会社所属のソムリエが講師となり、進められていく。
「お酒を作るには、通常、糖分、水分、酵母が必要となりますが、ワインにはこれらを添加する必要がなく、ぶどうそのものが原料という、最も自然なお酒です」
講師の話は、ワインの長所を中心に組み立てられているようだ。
焼酎やウイスキーに比べるとアルコール度数が低くて飲みやすいこと、酸味があるから食事と合うこと、赤ワインにはポリフェノール、白ワインにはミネラルが含まれ、体に良いことなどを熱心に語っていた。
次に、ワインの造り方に進む。赤ワインは種や皮も一緒に発酵し、液体を取り出して熟成されるから色が赤い。白ワインは、ぶどうをプレスしてジュースだけを搾り発酵させるから赤くない。すでに知っていることだが、改めて説明を受けると、初めて聞いたような気がするから不思議だ。
「質問いいですか」
相席のマダムが手を上げた。
「スパークリングワインやシャンパンには炭酸が入っていますが、あれはどうやって作るのでしょう」
それは私も聞いてみたい。いい質問である。
「作り方ですか。まずは普通のワインを作ります。これに砂糖と酵母を加えると炭酸ガスが発生するので、二次発酵をして作るというわけです」
だが、答えにはガッカリした。つまり、私の好きなスパークリング系には、すべて砂糖が加えられているわけだ。血糖値を下げたいと思っているのに、これでは無理だろう。
その日、いただいたワインは4種類であった。
フレシネ コルドン・ネグロという辛口スパークリング。
サンタ バイ サンタカロリーナという白、サンタ バイ サンタカロリーナ カベルネソーヴィニヨン&シラーという赤。
エル・グリル マルベックという赤である。
おかわりもできるので、すっかり酔っぱらってしまった。
おつまみは、生ハムとサラミ、フリットと
ピッツァであった。
食べ盛りではないが、これでは到底足りない。ほぼ無料のイベントだから、あまり贅沢はいえないのだが。
「私はもう若くないから、そんなに食べなくていいの。もっと食べてね」
相席のマダムが気をつかう。
「私は2階の〇〇店で働いています。よかったら今度来てください」
30代の女性ともあれこれ話をした。二人とも気さくな人柄だったから、海外旅行や家族の笑い話を聞かせてくれて、ほんの2時間ではあるが楽しく過ごすことができた。また会えたら嬉しく思う。
セミナーは、おしゃべりが終わったころにお開きとなる。最後の方は話し声ばかりで、誰も講師の話を聞いていなかったかもしれない……。
おみやげに赤の小さなワインをいただいた。
「物足りないね。デニーズでも行く?」
「行く行く」
妹を連れてファミレスに向かう。大食漢の自覚はないけれど、もうちょっとお腹を満たしたい。
パスタは2人でシェアし、パフェは1個ずつ食べた。
締めはコーヒー。当然だろう。
妹とは久しぶりにたくさん話をした。義弟の仕事のこと、甥のこと、姪のこと、両親のことなどなど、親族全員がいる場では話せない話題で盛り上がり、こちらがメインだったのではという気がした。
日頃から姉らしいことはしてあげられないので、ひとときだけでも役に立てればと思う。
「ああ、楽しかった~!」
パフェを食べ終わり、妹が笑いながらこう言ってくれたとき、ワインセミナーが当たってよかったと感謝した。苦労していないように見えても、あれこれ重いものを抱えていることがわかったからだ。
すっかり遅くなってしまった。妹と別れて、足早に家に向かった。
私の中でも重いテーマが渦巻いていた。
スパークリング、シャンパン、血糖値……。
えーん、砂糖を加えて二次発酵しているなんて聞いてないよ。
モテ期の幸運はどこへ行った?
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