これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

伝言ゲーム ~2017年の出来事①~

2017年11月30日 20時00分30秒 | エッセイ
 高校時代の恩師の奥様から電話がかかってきたとき、来るべきものが来たとわかった。
 亡くなったのだ。
 昔の友達に葬儀の連絡をするため卒業アルバムを出す。昭和の個人情報はダダ洩れで、アルバムの巻末に住所や電話番号まで載っているから怖い。卒業してから、かれこれ三十年余り。果たして連絡がつくのかと訝しんでいたら、結構つながるのだ、これが。
「圭子は今ここに住んでいませんが、申し伝えますので、お名前とご用件をお願いします」
「では、由紀に言っておきますので、葬儀の詳細を教えていただけますか」
 友人たちは結婚して家を出ていたけれど、親御さんには連絡することができた。娘の携帯を教えるから自分で連絡して、という家庭は一軒だけである。葬儀場では彼女たちを誰一人見かけることはなかった。でも、きちんと話は伝わったと思いたい。
 28年ぶりに大学時代の仲間に会う機会もあった。偶然、学園祭の3日目にOB・OG会を開催すると教えてもらったのだ。メールをくれた同期生に「私も行きたい」と返信したものの、想定外の答えが返ってきた。
「幹事は10歳ぐらい年下の後輩らしい。僕は、あちこちに転送されたメールを先輩から受け取っただけで、直接幹事に連絡することができないんだよね。会場も知らないし」
 なんだそれは。どこでやるかわからなくて、本当に集まれるのか?
 首を傾げながら当日を迎えた。運よく昼過ぎに会場のお知らせを受信し、懐かしい人たちに会うことができた。だが、私が参加することは幹事に伝わっていなくて、人数調整に苦労させてしまったらしい。
 あー、やだやだ。
 先月、妹から妙なラインが来た。
「昨日の夢に、この前亡くなった担任の先生が出て来たわよ。『お前の姉さん、4月から異動になるぞ』と言ってたけど」
 妹は私と同じ高校を出たので、元担任とは面識がある。霊感も強い。あの世から頼られるのかもしれない。
 クスッと笑いながらラインを返す。
「じゃあさ、今度、先生が夢に出てきたら、近い職場にしてくださいって言っといて」
 ここでも、やっぱり伝言ゲーム?


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高齢者と行く秋の鎌倉

2017年11月26日 21時13分24秒 | エッセイ
 母に、姉と鎌倉で紅葉見物をすると話したら、「私も行きたい」と言われた。ついでに父も連れて、4人で行きたいのだそうだ。
「いいわよ、別に」と答えたものの、70代後半の両親である。北鎌倉で下車して、円覚寺と明月院、建長寺を回るルートは無理だろう。「さて、どうしよう」と考え込み、両親向けのコースに手直しした。
 それにしても、鎌倉は人気がありすぎる。池袋から湘南新宿ラインに乗ったら、グリーン車でもぎゅう詰めだった。通路すら人だらけで通れない。辛うじて、2階席に通じる階段にすべり込み席が空くのを待つ。終点の1つ手前の鎌倉駅まで乗っていた人の多かったこと。晴れていたから、余計に混雑したのかもしれない。
 まずはランチである。和食の好きな両親に合わせて、鎌倉ごはん海月で「鎌倉野菜のおばんざいランチ」をいただいた。



 もちろんビールも。



 男性は物足りないと思うけれど、女性やお年寄りにはこのくらいの量がちょうどいい。どれも美味しかったし、店を切り盛りしている若夫婦にも好感が持てた。また行こう。
 食後は鶴岡八幡宮に向かう。
「鎌倉には、小学5年生の遠足で来たきりだよ。うれしいねえ」
 母ははしゃいでいた。75歳になったというから、64年ぶりの鎌倉か? さすがに、本宮までの階段では息を切らしていた。



「ふうふう、上れた」
 父は意外に平気そうで、息が上がった様子もない。男女の差だろうか。お参りをして階段を下りると、早速紅葉スポットがあった。



「おお~」
「キレイ」
 まだ早かったようだが、母が「12月は寒いからイヤ」とわがままを言うから、この時期になった。



 でも、私が「12月2日にしよう」などと決めたら雨が降るかもしれない。結果として、暖かいうちに来られてよかったような気がする。



 駅に戻る途中で豊島屋本店に寄り、おみやげの下見をする。母は、どうしても鳩サブレーを買いたいらしい。何個入りがあっていくらなのか、細かくチェックしていた。切りのいいところで声をかける。
「疲れたでしょ。豊島屋の茶寮でお茶を飲もう」
 高齢者と出かけるときは、多めに休憩をとるといいらしい。母はくずきり、父は小倉しるこを頼み、私は裾模様という和菓子にした。



 素朴な味に癒される。
 ひと休みしたら江ノ電に乗る。これがとんでもない混雑で、ホームはこれから乗ろうとする人たちで埋まっていた。ヤフーの乗換案内には「江ノ電は混雑のため遅延」という情報も出たくらいである。通勤ラッシュ並みの乗車率で、半分は長谷で下りた。私たちと同じところを目指しているのだ。
「ああ、すごい人だねぇ」
 母がまたふうふう言っていた。これから目指すのは大仏である。いくら混んでいても、ここは外せない。狭い歩道を数珠つなぎになって歩き、10分ほどで到着する。
「俺は初めてだよ。大仏を見るのは」
 79歳の父がボソッとつぶやいた。新潟で生まれ育ち、18歳で上京して以来、父は鎌倉に来たおぼえがないという。多くは語らないけれど、大きさや神々しさに見入っているようだった。



 その日は特に、雲の形が大仏様にマッチしていたと思う。



 来た道を戻り、長谷寺の近くで左に曲がった。この先に「たい焼き なみへい」という店がある。父はたい焼きが好物だ。家の近くには屋台もないというので、焼き立てを食べさせたかった。
 結果として、これは裏目に出た。父は、しるこでお腹が膨れていたのか、食欲がなかったようだ。しかも、焼きあがるのを待っていたから、15分も時間が無駄になった。



 時間を気にしていても、甘くて温かいものは人を笑顔にさせる。
「おいしい」
 自然に4人がハモった。焼き立ては、皮がパリパリ、餡がホカホカで、実にイケるたい焼きだった。行列ができるのもわかる。
 最後に、鎌倉文学館に立ち寄る。



 ここは私が来たかった場所だ。レトロな建物が美しい。



 紅葉もキレイと書いてあったのに、まだまだだ。鶴岡八幡宮より赤くなかった。



 せっかくだから、館内も覗いてみたのだが、これが仇になって江ノ電を1本逃した。12分後の電車は超満員。どうにかこうにか乗れたからよかったものの、高齢者に満員電車はツラい。タクシーを使うなどの配慮をすべきだったと反省する。
 江ノ電鎌倉駅では鳩サブレーが売られており、私は7個入りを買った。



 しかし、母はその程度では気がすまない。
「9個入りを11箱ください」
 えっ、そんなに買うの? と驚く数であった。
「だって、○○さんに××さん、あの人にこの人にもあげたいじゃない」
「持って帰れるの?」
「大丈夫だよ。駅に車を停めてあるし」
 豊島屋では、ネット販売もしているのだが、アナログな母にはわからない。父と手分けして、大きな袋を持ち帰っていた。おみやげを渡す楽しみを考えると、重さも苦にならないのだろう。
 JR鎌倉駅に入ると、ホームにはまた湘南新宿ラインを待つ人があふれていた。グリーン車もしかり、行列の後ろになったため、4人でボックス型に座ることはできず残念である。加えて、北鎌倉駅では真っ赤に色づいた円覚寺の楓が目に入り、「キイイ~」と無性にムカついた。
 両親は「とても楽しかった」と言ってくれたが、不完全燃焼感のせいか、私はいまひとつスッキリしない。
 次に両親と出かけるときは、戦場めいた人気スポットは避けようと誓った。


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残酷な女子会

2017年11月23日 19時00分00秒 | エッセイ
 コンラッド東京の「ホワイトアフタヌーンティー」がキレイだ。



 ハロウィンアフタヌーンティーは可愛かった。そして、美味しかった。
 しかし、娘と2人だったのが淋しい。アフタヌーンティーは、気の合う仲間と談笑しながらいただくと盛り上がる。このところ、すれ違いばかりの妹を誘って、3人でコンラッドに行きたくなった。
「アフタヌーンティー? いくいく!」
「よかった。日にちはね……」
「ねえ、明奈も連れて行っていいかしら」
 妹には、男の子と女の子が1人ずついる。長男の浩太は高校生。もう、母親と出かける年齢ではない。でも、長女の明奈を置いて、自分だけ美味しいものを食べるのが後ろめたかったのだろう。
「いいよ~! 4人で楽しく食べようよ。女子会だね」
「うん」
 しかし、私は大事なことを見落としていた。妹の家には、もう一人、家族がいるのである……。

「おまたせ」
 時間通りに、妹と明奈がやってきた。案内された席は、ゆったりとした6人掛けであった。



 席のそばには、いかにもインスタ蝿、いや、インスタ映えしそうな瓶がガラスケースに飾られている。写真を撮ったら、私の姿がちょろっと入ってしまった。妹も、スマホを出し始めた。
「ダンナがさ、写真をいっぱい撮ってきてって言うのよね」
「え? 今日、休みなの?」
「うん。休みなのよ」
 しまった。妹の夫をすっかり忘れていた。というか、そもそも女子会だから、対象外だったというべきか。誕生日会やクリスマス、新年会では義弟に数々の創作料理をごちそうしてもらっているのに、何たることか。
 おそるおそる、妹に尋ねてみた。
「……来たかったのかな?」
「うん。いじけてた」
 それは悪いことをした。でも、妹と明奈は、あまり気にしていないようだ。
 まもなく、お待ちかねのものが運ばれてきた。



「わあ、すごい」
 妹はダンナに頼まれた通り、バシャバシャ写真を撮っている。







 サーモンの上のキャビアには、一同、歓声を上げた。



 マカロンの下の、ハート型のチョコがラブリーである。



 雪の結晶。手が込んでいるし、一番美味しかったかも。



 義弟から、返信があったらしい。妹と明奈が、画面を見て笑い出した。
「ププッ、泣いてる!」
「え?」



 何と、哀れなパンダのスタンプが……。
 もし、うちの娘だったら、泣くどころか、危害を加えるスタンプが送られてくるはずだ。
 こんなのや



 あんなのがいくつも連打され、攻撃性の高さがうかがえる。



 しかし義弟は泣いているだけ。妹は、さらに追加の写真を送って、とどめを刺していたようだ。



「上に載っているのは、パチンコの玉? だってさ、アハハ」
 まあ、そう見えないこともないけれど……。
 明奈は高校受験を控えている。私と妹が卒業した高校を受けるつもりでいるそうだ。
「じゃあ、合格したら、今度はパレスホテルのアフタヌーンティーに行こうよ」
「うん!」



 頭の中で、すばやく計算をする。
 今度は、義弟にも声をかけなくてはと。


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やっと やっとの ユニコーン

2017年11月19日 20時59分40秒 | エッセイ
 お台場にユニコーンガンダムが登場したのは、9月23日のことだ。
 ファースト世代の私はユニコーンを知らない。写真を見る限りでは、ファーストガンダムより大きくて立派である。これは見てみたい。
 映画や美術館には、ひょいと一人で出かけることが多い。でも、ガンダムは仲間と連れ立って行く方が楽しそうだ。ガンダム好きの友人に声を掛け、先日、ようやく会いに行くことができた。
 仕事を早めに上がり、東京テレポート駅からダイバーシティに向かうと、17時頃、フェスティバル広場に着いた。ちょうど、17時からイベントが始まっていたので、ガンダム前には何重もの人垣ができている。
 人垣の後ろに回り込み、ユニコーンガンダムを見た。



 角が2本に割れているのは、デストロイモードというらしい。この状態で、ずっと静止していた。
「無料でガンダムとの記念写真をお撮りします。フォトデッキにお越しください」
 放送が入ると、ファンたちが続々とデッキに向かう。撮影は18時までだから余裕で間に合う。私は友人が来てからにしようと決めた。
 5分程度でイベントが終わり、人口密度が低くなる。ひとまず、ガンダムの周りを一周してみた。
 後ろもカッコいい。



 3月までそびえ立っていたファーストガンダムより、背が高いようだ。



 うんうん、いいじゃない!



 小腹が空いたので、ガンダムカフェに入る。ガンプラ焼のシャアザク型はチョコクリームだ。



 飲み物も、シャアザクのカフェラテを選ぶ。



 温かくて美味しい。ガンプラ焼は、意外にモチモチしていて食感がよい。
 外袋の背には占いもあった。



「お待たせ~!」
 間もなく友人が来た。合流したら、まずはフォトデッキだ。
「どこからいらっしゃいました? 練馬? 何か遠そうですね~!」
 陽気なカメラマンが軽快なトークで笑わせてくれる。自然に笑顔となり、ユニコーンと一緒にパチリ。私のカメラでも撮ってもらったが、出来が全然違う。立派な台紙に収まっているところも気に入って、購入した。いい記念になりそうだ。
「えーと、19時半、20時、20時半と続けてイベントがあるって」
 友人が、スケジュールの載った看板をチェックしていた。
「見よう見よう」
「どうせだったら、全部いく?」
「いいよ!」
 もし私だけだったら、17時の回をちょろっと見たことに満足して、さっさと帰っていただろう。でも、友人が一緒だと、待つのも苦ではない。ダイバーシティのフードコートで腹ごしらえをして、



トイレをすませたら場所取りに戻る。まだ18時50分であった。
「この辺りが、いいんじゃないかな」
 友人の予想は見事に当たり、映像もガンダムもバッチリ見えるベストポジションに陣取って、私たちは19時半を待った。
「ユニコーンのあらすじはね……」
 待っている間、友人が登場人物やストーリーについて教えてくれた。なるほど、ファーストでは赤ちゃんだったミネバ・ザビが、成長して出てくるのか。シャア・アズナブルを彷彿とさせるフル・フロンタルもいることだし、DVDがあれば借りてみたい。
 19時半のイベントもよかったが、特に20時が気に入った。ユニコーンが何色にも変わり、とてもキレイだ。















「は? 全部同じじゃん」などと言うことなかれ。私は、この藤色のガンダムが一番素敵だと思う。



 20時半からは、ファースト世代におなじみの「翔べ! ガンダム」が流れる。こちらはしっかり動画に収めて満足だ。
 たこ焼きを食べてから友人と別れた。
 結局、17時に到着してから20時半まで、3時間半もガンダムに費やしたことになる。
 疲れはほとんど感じない。それどころか、すごく楽しかった。
 なるべく、誰かを誘って出かける習慣をつけようかしら。


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「怖い絵展」のかわりに

2017年11月16日 21時48分23秒 | エッセイ
 上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」には、いつも長蛇の列ができているような気がする。



 先日、科博で「古代アンデス文明展」を見たあと、ついでに寄ろうと思ったけれど、精養軒のラストオーダーに間に合わないくらい混んでいたからあきらめた。
「やーめた。平日、早く帰れる日に来ればいいじゃん。食べる方が大事よね、やっぱり」
 食い気は強し。
 そして、14日にリベンジしたのだが、平日にもかかわらず「80分待ち」の看板が出ていた。
「ゲッ! 80分も? 会場はメチャクチャ混んでいるんだろうな……」
 私は背が低いので、混雑した会場では、人と人の隙間からのぞきこむようにしないと絵が見えない。首が疲れるし、部分的に見た絵を頭の中でつなぎ合わせる作業をするから、結構みじめだ。
「やめやめ。そこまでして見る必要ないよ」
 実は、「怖い絵展」を予習するため、中野京子さんの解説本を買った。絵の背景や意味などが詳しく書かれており、大変興味深い。しかも、読んだだけなのに、実物を見た気になってしまう魅力もある。
「お茶飲んで、たまには早く帰ろうっと」
 そうそう、私にはやらねばならぬ宿題があった。
 月末に、姉と両親と4人で鎌倉に行く約束をしている。和食のランチを予約しなければいけないではないか。それから、正月休みに金沢に行く計画を立てているが、宿も交通機関も何も手配していない。この浮いた時間を使って、終わらせなければと思った。
 まずはランチ。ネットや情報誌を頼りに、いくつかの店に電話をかけたが、「満席です」の答えばかり。
 しまった、紅葉シーズンの鎌倉を甘く見ていた。でも、もうじき80歳になろうという高齢者に、「予約取れなかったからマックでいい?」などと聞けるはずもなく、数打ちゃ当たる方式で、ひたすらダイヤルしまくった。
 こういうときの私はしつこい。あきらめが悪い。負けられない。意地になる。
 そのうち、「11:30なら空いていますよ」という店に当たり、どうにかこうにか、ランチにありつけそうだと安堵した。
 ウシシ。
 旅行計画は、途中まで進めたところで忙しくなり、「まだ余裕があるから」と後回しにしていた。しかし、もう限界だ。重い腰を上げて、一番近い旅行代理店に向かった。
「デラックスツインは、もういっぱいですが、スタンダードツインなら空いています」
「じゃあそれでお願いします」
「最後の1部屋でした」
「コワッ!」
 40平米のデラックスを逃したのは残念だが、30平米のスタンダードでも楽しめる。予約できただけ、ラッキーだと思うことにしよう。逆に、2泊目の和倉温泉では、露天風呂付の特別室しか空いていないと言われた。予算オーバーとはいえ、デラックスの仇をとることにした。
 イヒヒ。
 おっと、肝心の「怖い絵展」はどうしよう。



 12月に入ると、仕事量がグンと減る。
 ラストチャンスで、もう一度、上野まで行ってみるかな。


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古代アンデス文明展へようこそ

2017年11月12日 21時36分27秒 | エッセイ
 ナスカの地上絵には、子どものときから大変興味がある。
 だから、10月21日から国立科学博物館で「古代アンデス文明展」が始まると知ったとき、すぐに前売券を購入した。



「ナスカ、ナースカ。あ、マチュピチュもある」



 誰が何のためにこれを作ったのか。
 有力説はあっても、謎が完全に解き明かされることはない。そこに、想像をかき立てられるロマンが生まれ、私だけでなく、多くの人が引き寄せられていくのだろう。
 科博のいいところは、ほとんどの場所で写真撮影ができるところだ。動画やミイラ系は禁止だったが、これは当然の配慮であろう。とはいっても、画像を整理するのも骨だから、撮影は気に入ったものだけにしておかねば。
「あ、これ、いいな。高そう」



「こっちも。ピカピカだぁ!」



 黄金は腐食しないところから、「永遠の生命」の象徴だったらしい。私はついつい、金目のものばかりに目が行く。
 金目のものには見えなかったが、こういう路線もアンデスっぽくて好きだ。



「ケロ」という名の、コップのような容器もいくつかあった。
「ケロ? ケロって何さ」
 普通に「○○のケロ」と作品名にされても、意味がわからない。検索しようものなら、「~してけろ 山形弁」などのサイトがヒットする。「アンデスなんだから、山形弁は絶対ちげーだろッ」とツッコミたくなった。
 やっと、「ケロ」の解説を見つけた。





「ケロは底から口部に向かって広がる飲料用のコップで、儀礼的な乾杯をする時に使われた」とある。やはり、コップでよかったのだ。よしよし。
 年とともに、読解力が落ちてきた。説明を読んでも頭に入らないので、ひたすら動画を見まくる。素晴らしい映像で、低年齢層にもわかりやすい言葉を使っているから、脳が安息日であっても安心だ。
 マチュピチュは、アマゾンへのルートになっていたのではと解説されていた。ここは日本人に大変人気の高い場所らしいが、わかる気がする。郷愁を誘われる何かがある。
 ナスカの地上絵は、雨乞いの儀式に用いられた説が有力だとか。元々、この場所には雨が降らず、降水量が異常に少ない。不幸にも大干ばつが起きて、ナスカ文化は滅びてしまうのだから、神には聞き届けてもらえなかったのか。
「本当に気の毒。アタシは雨女だから、ナスカで生まれていたら、何かの役に立てたかもしれないのに」
 地上絵も人気なのだろう。クッキー、コースター、栞、クリアファイルなどなど、たくさんのグッズが売られていた。迷いに迷って、私はゼムクリップを買ってきた。



 3種の地上絵が3個ずつ入っていて、早速使いたくなるユニークさだ。



「うっふっふ~」
 とても気に入っている。
 こんなおみやげも持ち帰った。



 これは、第2会場の入口で配布されたものである。私は缶コーヒーを飲まないが、夫は絶対に喜ぶと思った。
「へー、いいの? ありがとう」
 案の定、彼はそそくさと冷蔵庫にコーヒーを冷やして、ルンルンしているではないか。
「もう一度行きたいなぁ」
 金曜・土曜は、ペア得ナイト券が16:50から2000円で販売される。
 お友達や彼氏、彼女とご一緒にいかがですか?


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昭和の呪縛

2017年11月09日 20時49分35秒 | エッセイ
 めったに食パンを食べることはない。
 しかし、たまたま寄った自然食品の店で、理想的な食パンに出会ってしまった。
「わっ、何てシンプルな原材料」



 原材料がたったの4種類、というパンにお目にかかったのは初めてだ。2行も3行もあるパンは、食品というより、もはや工業製品であると書かれた本を読んだことがある。久しぶりに「買いたい」という気持ちになった。
 4枚入りのうち、1枚はトーストし、バターを塗って食べた。ちょっと焦がしてしまったが、サクサクしていて食感がよい。残りの3枚は、翌日、フレンチトーストにする。
「1枚はすぐ食べて、もう2枚は冷凍保存しておこうっと」
 忙しい朝は、パンにバターを塗る時間さえ惜しい。レンジでチーンさえすれば、美味しくいただけるものがありがたいのだ。
「でーきた、できた」



 フレンチトーストは、しっとり、ふんわりのデザート感覚で食べられるところがいい。でも、焼き立てのホカホカを頬張ったのに、甘くないのはなぜだろう。
「しまった、砂糖を入れ忘れた……」
 3枚も……3枚も焼いてしまったのに、砂糖を入れ忘れるとは何たることか。
 和太鼓代わりに、バチで頭を叩かれたかのような衝撃を受け、10秒くらい立ち直れなかった。甘味を期待していた脳が、受け入れを拒否している。
 だが、10秒たつと平常心に戻り、「砂糖を入れないフレンチトーストなんて……」という言葉が浮かんでくる。一定年齢以上の方なら、テレビコマーシャルでおなじみの「クリープを入れないコーヒーなんて……」をご存じだろう。昭和の名キャッチコピーは、何十年たっても私の中で生きていた。
 たったそれだけのことなのに、思い付きに気をよくして元気が出てきた。
「甘くしたかったら、オリゴ糖かハチミツをかければいいじゃん。メープルシロップもあるし」
 気を取り直して、甘くないトーストに再度フォークを伸ばす。ノンシュガーと理解したせいか、脳も「別の食べ物」と認識したようだ。何度も噛むと、パン本来の甘味が舌の上に広がり、これはこれで美味しかった。
「ふーん、意外にイケるじゃない」
 3日かけて、3枚とも何もかけずに完食する。これからは、砂糖抜きのフレンチトーストでいいかも……。
 さて、フレンチトーストは、フライパンを洗わねばならぬところが欠点である。
 パソコンでクックパッドを見ていたら、「目玉焼きトースト」などというパンが視界に飛び込んできた。
「なにこれ、簡単で美味しそう」
 すぐに影響されて、また4枚入りの同じパンを買ってくる。
「なになに、堤防を作れってか?」
 白身が流れないように、切ったウインナーを丸く並べてせき止める。その真ん中に、生卵をパカッ。そーっとオーブントースターに移して5~6分加熱すれば、玉子はトロッと、トーストはカリッといい感じに仕上がる。味付けに、ちょっぴり塩をふれば完璧だ。



「うまうま~」
 これはヒットである。吉野家のお株を奪う「安い、早い、美味い」出来映えに加えて、後片づけが超楽チンなのだから。
 玉子をこぼさないように注意しながら、パンにバクバクかぶりついていたら、またくだらないコピーがひらめいた。
「フライパンを使わない目玉焼きなんて……」
 ああ、私の脳は、昭和の呪縛から逃れられないみたい。


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いつまで続く? アイメイク

2017年11月05日 20時56分24秒 | エッセイ
 化粧にかける時間はない。
 朝は忙しいので、顔を洗って蒸しタオルをしたら、ソッコーで化粧水とクリームを塗る。仕上げに、上からファンデーションをはたくだけ。
「それじゃダメよ。もう若くないんだから、アイメイクをしないと」
 2つ上の姉から指導が入る。姉は私と逆で、素肌に自信があるからファンデーションは塗らない。日焼け止めをちょこっと広げたら、ビューラーでまつ毛をクルンと上げ、マスカラで固めてでき上がり。
 少しは見習わなければ……。
「よし、アタシも、ビューラーとマスカラくらいは買うか」
 わずかばかりの女子力を底上げしようと、ドラッグストアに向かった。マスカラを塗ると、目がゴロゴロするイメージなのだが、最近はいいものが売られているようだ。



「フィルムタイプ? こんなのあるんだ、へえ」
 たしかに、これは異物感がない。私が自分磨きを怠けているうちに、化粧品は続々と進化を遂げていた。
「そうだ、アイラインも」
 以前はペンシルタイプを使っていたが、今回は筆ペンタイプを選んだ。



 理由がわかった方は、私の性質をかなり理解されている。
「アイメイクに飽きたら、祝儀袋や不祝儀袋の表書きに使えるじゃん、これ」
 つまり、筆ペンとして再利用する作戦というわけだ。我ながら悪どい。
 では、マスカラを使わなくなったら、他に使い道があるのだろうか。
「洗ったら落ちるんだから、白髪染めには使えないよねぇ。靴墨とか」
 いやいや、革用じゃないんだから、やめといたら?
 よし、無駄づかいにならぬよう、やるっきゃないね~!


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合羽橋で何を買う?

2017年11月02日 22時24分36秒 | エッセイ
 珍しく、月曜日が休みになった。
「うれし~♡ 平日にしかできないことをしなくちゃ」
 何日も前から何をしようか考え、一度も行ったことのない「合羽橋」まで出かけることにした。
 問屋街だから、土日は開いているお店が少なく、平日がよいと聞く。台所用品などは見ているだけでも楽しいものだ。どんなものが売られているのか興味があった。
 銀座線に乗り換え、田原町駅で下車する。お隣の「稲荷町」は「いなりちょう」と読むのに、「田原町」は「たわらまち」と読むのが不思議である。「たわらちょう」ではダメなのか? 別にどうでもいいことだけど。
「さあーて、何を買おうかなぁ」
 順番に店を覗いてみた。まずは、陶器や鍋などが目に入る。このあと、銀座でランチとケーキが待っているから、大きなもの、重いものはいらない。
「おっ、箸があるじゃない」
 実は、私の箸は先っぽが曲がっている。折れないからそのまま使っているが、そろそろ新しいものを買いたいと思っていた。
「これにしようっと」
 迷いに迷って買わなかったのが抜き型だ。最近はクッキーを焼かないから、使い道に困るし収納場所もない。でもでも、種類やサイズが豊富で見ごたえ十分だった。お菓子作りの好きな方にはおススメしたい。
 外国人観光客の多さには驚いた。私の行った時間帯は、日本人より外国人の方が多かったと思う。彼らは、気の向くままにフラリと店内に入り、商品を見ては、あれやこれやと談笑していた。特に、食品サンプルや提灯、作業着などを熱心に見ていたのではないか。おかげで、「見てるだけ~」の私も中に入りやすくて助かった。
「そうだ、うちのピーラー、もう30年くらい使っているよね。いつ壊れるかわからないから……」
 2つ目の買い物はステンレス製のピーラーにした。3つ目は、少人数のテリーヌを焼くとき便利そうな、小さなパウンドケーキ型を選んだ。
「ややっ、バターナイフもあるではないか」
 4つ目が本命である。そもそも、うちには、バターナイフというものが存在しない。結婚したときに買えばよかったのだが、インスタントコーヒーか何かのおまけに、バターナイフもどきがついていた。ひとまず、これさえあれば、パンにバターやジャムを塗ることができる。



「これでいいよ、これで」という軽いノリのまま、25年過ぎても、新しいものは購入していない。
 時間差で食事をするときには何の問題もない。だが、たまに娘と一緒に、ロールパンにバターを塗って食べようとすると悲惨である。バターナイフもどきは1つしかないから、私は平べったいスプーンでバターを塗る破目になる。



 これが、どうにも惨めったらしい気分になるのだ。「うちはバターナイフも買えないんだ……」という気持ちに近いかもしれない。だから、ここであったが百年目とばかりに買うことにした。



 これが、合羽橋の収穫である。



「は? わざわざ合羽橋まで行くことないじゃん。全部スーパーで売ってるのに」
 ああ、それを言わないで……。
 私も、家に着いてから、同じことに気づきました。


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