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これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

日本からパンダが消えたなら

2025年04月27日 21時29分08秒 | エッセイ
 先日、びっくりニュースが飛び込んできた。
 和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」が、飼育する全4頭の雌のジャイアントパンダを、6月末ごろに中国に返還すると発表した、というやつだ。返還後、国内で飼育されるパンダは上野動物園(東京都台東区)の2頭のみとなるらしい。
「ええっ、パンダがいなくなるの?」
 上野のパンダだって、2026年が返還予定だというから、いつまで見られるかわからない。あの可愛らしい仕草の、ラブリーな子たちが消えてしまうなんてショックだ。
 しかし、私以上にパンダが好きな人はたくさんいる。その方々にとっては、生きがいを奪われてしまうほどの重大な悲報なのではないだろうか。
 一番に浮かんだのが、かつて交流のあったブロ友さんだ。数年前からブログよりもX(旧Twitter)に注力されており、すっかり疎遠になってしまった。彼女は何度もアドベンチャーワールドに足を運び、長い時間にわたってパンダたちの日常を見ていたようだから、大打撃を受けているのではと心配になった。
 私がアドベンチャーワールドに行くきっかけを作ってくれたのが彼女であった。ブログの桃浜や結浜を目にして、「こんなに間近で、ゆっくり見られるなんていいところだなぁ」と感じたからこそ、家族で和歌山まで出かけていった。自然体で食べたり遊んだりするパンダたちは、上野で見る子たちよりも活発でリラックスしているように見えた。もっとも、帰ってからブログをアップしたら、「どうして、そんな短時間でパンダを見終えたのですか」と、驚かれてしまったけれど。私は経験ゼロが「1」になることで満足するタイプだから、時間の長さはあまり関係ないのだ。その点をわかってもらえたか、あまり自信はない。翌年にはコロナ禍に見舞われ、旅行も外出もなくなって、世の中全体が変わってしまった。
 コロナ前に会えた彩浜。



 ちょこちょことよく動いて、お座りをしたときに見せた幼い足の裏が、とてつもなくキュートであった。
 上野動物園のパンダ舎。



 ここに誰もいなくなったら、動物園に来る楽しみが半減する。何とかして、最後のパンダをキープしてほしい。
 ブロ友さんは、きっと残された2カ月で、アドベンチャーワールドに行かれるだろう。
 パンダたちと最後のお別れをするために、感謝の気持ちを伝えるために、仕事の合間を縫って何が何でも。その熱意には頭が下がる。
 さて、私も時間を作って上野に行かなくては。

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ソフトクリームで頭を冷やし考えよう

2025年04月20日 21時59分41秒 | エッセイ
 父の納骨のため、親族が集まることになった。
 場所は墓地のある都内なので、母が一人で大きな遺骨を持って那須から出てくることは難しい。
「じゃあ、うちが迎えに行こうか」
 妹が、いや正確には妹の旦那が車を出すのだが、進んで運転手を引き受けてくれるところがありがたい。
「でも、次の日は仕事だから、送るのは無理だよ」
 納骨は日曜だった。幸い、月曜であれば、11時の会議に間に合えば他に大きな仕事はない。
「じゃあ、アタシが送っていくよ」
 新幹線の切符を2枚確保し、私が母を那須まで送っていくことにした。そのまま一泊し、翌朝、職場に向かえば11時までには到着できる。
 姉は相続等の手続きをしてくれる。そして、最近は母の家の草むしりまで始めたというから驚きだ。三姉妹がそれぞれ得意分野を生かし、うまい具合に役割分担ができている。ナイスなチームワークであった。
「じゃあね、バイバーイ」
「またね。お母さんをよろしく」
 納骨を終え、新宿駅で姉夫婦と別れた。私と母は中央線で東京駅まで行き、そこから新幹線に乗ることになっていた。夕方の東京駅は人出がすさまじく、途中でコーヒーを買って車内で飲もうなどという希望は叶わなかった。どうにか弁当を買い、発車間際の新幹線に乗り込みホッとした。
「疲れたでしょ」
 隣の母に話しかけると、素直に「うん」と答える。以前であれば「大丈夫だよ」といった返事をしていた。でも、無理せず甘えてもらった方が安心する。列車が動き始めると、母も私もウトウトと居眠りを始めた。きっと父も遠くから見守っているだろう。
「ただいま~」
 誰もいなくても、母はドアを開けて挨拶する。時計を見ると19時になるところだ。お弁当を並べて夕飯にしなくては。私は食事係なのだ。
「ご飯だよ」
 駅弁といえども、みそ汁とおひたしを添えれば、それなりの食事になる。



 食後はコンビニで買ったシュークリームをデザートにした。姉と妹は食べることにさほど興味がないけれど、私と母は食い意地が張っているとの共通点がある。温かいコーヒーをいれて、甘いものをいただきながら、あれこれとおしゃべりをした。そういえば、母はお台場に行きたいと話していたことを思い出す。
「お台場はいつがいいの?」
「そうだね、夏はイヤだから涼しくなってからでいいかな」
「どこかに泊まる?」
「日帰りでいいよ。見たいところがあるだけだから」
「せっかくだから、ゆっくりすればいいのに」
「そうだねぇ」
 すっかり足腰も弱くなった。長い距離を歩くのは無理そうだ。コースを考えなくては。
 食事係は、翌朝の準備もしなくてはいけない。
「明日の朝食はフレンチトーストにするから、卵を2個もらうよ」
「いいよ、どんどん使って」
「今日のうちに卵液に漬け込んで、明日は焼くだけにするから」
「へえ、楽しみ」
 支度を終えても、まだ21時。化粧を落としたりシャワーを浴びたりして、ゆったりと過ごしていたときだった。母がボソッとつぶやいた。
「骨がなくなると淋しいよ」
「え」
「昨日まで骨があったから、そこにいると思ってたんだけど、もうなくなっちゃったから」
「…………」
 言われるまで、母の孤独に気づかなかったとはうかつだ。この広い家で、母は一人残された悲しみと向き合わなければならない。何とか時間のやりくりをして、月に一度は来なければと思った。
 翌朝、朝食を終えて、予定通り出勤する。ぐっすり眠って体力は回復したが、長距離の移動で、職場に着いたときには疲労感があった。その日は早めに仕事を切り上げ、自宅に戻ることにした。
 家に着いたときの安心感といったらない。荷物を片づけ、軽装になってパソコンの電源を入れた。母の家は電波が悪いので、ブログやSNSは一切やらなかったのだ。gooブログにアクセスしたら、仰天するお知らせが視界に飛び込んできた。



「うわ、なにこれ」
 あれからもう一週間たつが、落ち着いて考える暇もなく、引っ越し先も決まっていない。



 焦らず、ミニストップのソフトクリームを食べて頭を冷やそう。
 コメダのシロノワールも冷静になれていい。



 まだ時間はたっぷりあるけど、あーあ、どうしようかな。
 母の世話をしながら決めなくては。

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ヘルメットが売れると美容院が儲かる?

2025年04月13日 09時47分09秒 | エッセイ
 自転車通勤をするにあたり、ヘルメットを購入する。
「うーん、種類がいっぱいあって迷う……」
 一見帽子に見えるもの、スタンダートなもの、シンプルなものと、さまざまなデザインがあって、何を重視するかを決める必要がある。
「やっぱ、通気性と安全性と、つばかな」
 炎天下の夏は、風通しのよさが重要であろう。アミアミでいい感じのデザインを見つけ、レジに持っていったら店員さんに「かぶってみてください」と言われた。結構、面倒見のよい店であった。どうも、大き目にできている商品らしく、私の頭には合わないらしい。
「子ども用でどうですか? 機能はほぼ同じです」
 そんなもんかぁと思いつつ、かぶってみたらちょうどいい。アミアミ度がもの足りないけれど買うことにした。



 しかし、中は見せられない……。



 雨の日は、つばがあると便利なのだが、これがなかなか見つからない。
「あっ、生協のカタログに出てる! これも買おう」



 雨だけでなく、日よけにも効果的だ。蒸れるという欠点はあるが、こちらのほうが活躍している気がする。ちゃんと子ども用も使ってあげなくては。
「おはようございます」
 自転車置き場で職員に会うと、全員ヘルメットを着用していた。大人の意識は高い。
 でも、でも。
 生徒はそう思っていないようで、ほとんどがヘルメットなしで自転車に乗っていた。保護者が「かぶりなさい」と言わないとダメなのだろうな。少しずつ増やしていかないと。
 ヘルメットをかぶらない理由のひとつに「髪型が乱れる」というものがある。
 私だって乱れている。肩までの長さなので、内巻きに整えてきても、ヘルメットに押され肩にぶつかり、職場に着くころには漢字の「風」のように毛先が外を向いてしまう。しかも左右非対称。見た目は決してよくないけれど、安全第一で通勤することが優先だ。
「髪を切ろうかな」
 これから暑くなっていく。
 月末までにショートカットにして、「風」ヘアから卒業したいものだ。
 美容院の客が増えたりして~。

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桜にもらった元気

2025年04月06日 16時28分39秒 | エッセイ
 桜が満開だ。
 先週はやたらと忙しくて、花見できる時間に帰れなかった。週末になり、やっと景色を確認する余裕ができたところで、窓の外を眺めてみた。すると、淡い色のソメイヨシノが綿花のようにふわふわと枝を彩っているではないか。
「わあ、キレイ!」



 あいにく、土曜は皮膚科の予約を入れてしまった。桜はそのぐらいにして、身支度を整え出かける準備をする。唇が乾燥し、カサカサしていることが気になり、リップクリームをつけながら階段を下りていたら油断したのだろう。あと数段のところで運悪く段を踏み外し「ドドドドドッ」という騒音とともに1階まで滑り落ちた。
「うう、いててて」
 尻もちをついたので、腰を打ったことはわかるとして、なぜか右足の親指が痛む。あとから見たら、肌が紫に変色し、腫れ上がっていた。おそらく突き指のようになったのだろう。触らなければ傷まないから、一週間ほどは力が加わらないよう気をつけたい。
 皮膚科の治療はすぐに終わった。帰りは散歩がてら、線路沿いを歩くことにする。思えば、この3年間、急行電車を逃すまいと、駅まで走ることもあったっけ。朝は6時15分に家を出るため5時前に起き、せわしなく準備をして家を飛び出す毎日を送っていた。
 4月からは自転車になったため、自分の都合で家を出ればよい。足を動かさないと目的地に着かないから、本を読んだり居眠りしたりはできないが、狭い空間に閉じ込められることもなく快適だ。傷めた足に負担がかからぬよう、しばらく緩めの靴を履くことにする。
 職場が変わったことで、旧TwitterのXやインスタからも手を引いたのは淋しい。新しい職場の近くにスタバやカフェがないのも残念だ。パソコンの文書をOneDriveに入れ忘れ、根こそぎ消えてしまったり、仲良くなった職員と疎遠になったりしたのも悲しいけれど、そういうものだから仕方ない。
 石神井川に差し掛かったあたりで、薄桃色の花びらが視界に飛び込んできた。

 桜だ!





 この花には神秘的な力が備わっている。弱った心にエネルギーを注入し、前向きにさせてくれるし、気持ちの切り替えスイッチがONになり、新しい環境を積極的に受け入れる気分になれる。打撲には効かないが、今の職場に早く馴染めるよう頑張ろうとの思いがむくむくと湧いてきた。
 業務用のメールには「署名」をつけている。
 これまでは「■□」にしていたが、これからは桜を連想させる「✿❀」を使うことにしよう。



 東京の桜は、もうちょっと楽しめます!

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