「13:45からの『人生スイッチ』は満席となりました。ご了承ください」
有楽町の映画館に行ったら、チケット売り場でこのセリフが何度も繰り返されていた。これから私が観ようと思っていた映画ではないか。チケットがすでに完売ということは、あきらめて帰るか、次の回まで待つしかない。
2時間以上あるけど、次の回にするか……。
都心には、時間をつぶす場所がいくらでもある。急いで職場を出たから、喉が渇いていた。まずはカフェでお茶を飲むことにした。
そうだ、東京會舘のマロンシャンテリーを食べよう!
5分も歩けば、映画館から東京會舘に着く。はずだったが、運悪く丸の内本館は工事中で営業していなかった。引き返す手前で、ふと思いつく。
このまま真っ直ぐ行けば、三の丸尚蔵館に行かれるな……。
宮内庁三の丸尚蔵館は、皇居東御苑内の美術館である。無料で国宝級の展示品が拝めるし、広々とした皇居は居心地がよく、時間つぶしにはもってこいだ。少々距離があるけれど、私は北に向かって歩き続けた。
現在は、「絵巻を愉しむ~《をくり》絵巻を中心に」という展覧会が実施されている。
館内には、鎌倉時代の「絵師草子」、室町時代の「住吉物語絵巻」、江戸時代の「小栗判官絵巻」など、古さを感じさせない絵巻が展示されていた。特に気に入ったのが江戸時代の「彦火々出見尊絵巻」で、緻密で写実的なタッチに絵師の力量を感じた。色彩のグラデーションも見事で、アニメや漫画文化のDNAはこの時代からすでに受け継がれていたようだ。
江戸時代の「酒呑童子絵巻」も、金箔が随所に使われていて実に豪華。いつもはひと回りしたら帰るのだが、その日は引き返して二度三度見た。映画が満席で、かえってよかったかもしれない。
目の保養のあとは水分補給のため、パレスホテルのラウンジに向かう。メニューを見て「あれっ」と驚いた。食べ損ねた「マロンシャンテリー」ならぬ「マロンシャンティイ」なるケーキがあるではないか。ウエイトレスに聞いてみると、これはパレスホテルの伝統メニューだという。食べ比べるのも一興だろう。
「お待たせいたしました」
まずはアールグレイが運ばれてくる。
何で泡が立っているんだろう……。
次に、マロンシャンティイがやってきた。
見た目は、マロンシャンテリーにそっくりである。
しかし、味はかなり甘め。生クリームにも栗にも、砂糖を入れすぎた感がある。これはこれで美味しいとはいえ、少々しつこい。私はマロンシャンテリーに軍配を上げたい。
ひと休みしたら有楽町に戻る。ホテル前のこの景色が印象的だった。
映画館に到着した。待ち時間はあっという間に過ぎ、映画「人生スイッチ」がスタートする。
最初の話は、調布の飛行機墜落事故を連想させ、タイミングが悪い。2つ目、3つ目もブラック過ぎて笑えなかった。決してつまらないわけではないが、関東風の厚焼き玉子を頼んだら、関西風のだし巻き玉子が出てきたような違和感である。期待しすぎたのかもしれない。
最後の話はハチャメチャ結婚式で、これだけは楽しかった。堅苦しい日本にいると、周囲とのあつれきを避けるため、自分の気持ちを抑えてストレスをためがちだ。でも、好き放題暴れるヒロインを見たら、ストレスが吹き飛んでいくような爽快感があった。イライラも解消し、待っていてよかった。
来月は、日本橋に行く用事がある。三越の本館7階特別食堂では、東京會舘のマロンシャンテリーが食べられるはずだ。
楽しい映画を見て、ストレス解消。
美味しいものを食べても、ストレス解消。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
有楽町の映画館に行ったら、チケット売り場でこのセリフが何度も繰り返されていた。これから私が観ようと思っていた映画ではないか。チケットがすでに完売ということは、あきらめて帰るか、次の回まで待つしかない。
2時間以上あるけど、次の回にするか……。
都心には、時間をつぶす場所がいくらでもある。急いで職場を出たから、喉が渇いていた。まずはカフェでお茶を飲むことにした。
そうだ、東京會舘のマロンシャンテリーを食べよう!
5分も歩けば、映画館から東京會舘に着く。はずだったが、運悪く丸の内本館は工事中で営業していなかった。引き返す手前で、ふと思いつく。
このまま真っ直ぐ行けば、三の丸尚蔵館に行かれるな……。
宮内庁三の丸尚蔵館は、皇居東御苑内の美術館である。無料で国宝級の展示品が拝めるし、広々とした皇居は居心地がよく、時間つぶしにはもってこいだ。少々距離があるけれど、私は北に向かって歩き続けた。
現在は、「絵巻を愉しむ~《をくり》絵巻を中心に」という展覧会が実施されている。
館内には、鎌倉時代の「絵師草子」、室町時代の「住吉物語絵巻」、江戸時代の「小栗判官絵巻」など、古さを感じさせない絵巻が展示されていた。特に気に入ったのが江戸時代の「彦火々出見尊絵巻」で、緻密で写実的なタッチに絵師の力量を感じた。色彩のグラデーションも見事で、アニメや漫画文化のDNAはこの時代からすでに受け継がれていたようだ。
江戸時代の「酒呑童子絵巻」も、金箔が随所に使われていて実に豪華。いつもはひと回りしたら帰るのだが、その日は引き返して二度三度見た。映画が満席で、かえってよかったかもしれない。
目の保養のあとは水分補給のため、パレスホテルのラウンジに向かう。メニューを見て「あれっ」と驚いた。食べ損ねた「マロンシャンテリー」ならぬ「マロンシャンティイ」なるケーキがあるではないか。ウエイトレスに聞いてみると、これはパレスホテルの伝統メニューだという。食べ比べるのも一興だろう。
「お待たせいたしました」
まずはアールグレイが運ばれてくる。
何で泡が立っているんだろう……。
次に、マロンシャンティイがやってきた。
見た目は、マロンシャンテリーにそっくりである。
しかし、味はかなり甘め。生クリームにも栗にも、砂糖を入れすぎた感がある。これはこれで美味しいとはいえ、少々しつこい。私はマロンシャンテリーに軍配を上げたい。
ひと休みしたら有楽町に戻る。ホテル前のこの景色が印象的だった。
映画館に到着した。待ち時間はあっという間に過ぎ、映画「人生スイッチ」がスタートする。
最初の話は、調布の飛行機墜落事故を連想させ、タイミングが悪い。2つ目、3つ目もブラック過ぎて笑えなかった。決してつまらないわけではないが、関東風の厚焼き玉子を頼んだら、関西風のだし巻き玉子が出てきたような違和感である。期待しすぎたのかもしれない。
最後の話はハチャメチャ結婚式で、これだけは楽しかった。堅苦しい日本にいると、周囲とのあつれきを避けるため、自分の気持ちを抑えてストレスをためがちだ。でも、好き放題暴れるヒロインを見たら、ストレスが吹き飛んでいくような爽快感があった。イライラも解消し、待っていてよかった。
来月は、日本橋に行く用事がある。三越の本館7階特別食堂では、東京會舘のマロンシャンテリーが食べられるはずだ。
楽しい映画を見て、ストレス解消。
美味しいものを食べても、ストレス解消。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)