goo blog サービス終了のお知らせ 

これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

お台場散策とお泊まり女子会計画

2025年08月03日 21時13分07秒 | エッセイ
 80を過ぎた母が、お台場に行きたがっている。
「子どものときに、海の少年団っていうのに入っていたの。あの辺で活動したから、今はどうなっているのか見たくって」
 母は那須塩原に住んでおり、新幹線を使っても、お台場まで出るのに3時間はかかる。往復で6時間となると日帰りは厳しい。
「どこかに宿を取ろうかな。東京駅近くか、ゆりかもめ沿線がいいかも」
 私はお泊まりが好きだ。子どものとき、めったに旅行に連れて行ってもらえなかったせいかもしれない。考えただけでワクワクしてきて、姉と妹にも声を掛けてみた。
「お母さんがお台場に来るとき、一緒に泊まる? 4人揃ったら盛り上がるよね」
 強制したつもりはないが、2人とも「いいねえ!」と大いに乗り気だった。私と同じで、お泊まりが好きなのかもしれない。
 実は、2005年に両親と私、娘、姉、妹、甥、姪の8人で八重洲富士屋ホテルに泊まったことがある。ちょうど、幻想的なイルミネーションである「東京ミレナリオ」を見たあとで、予約していた大きな和室に集まり、順番に入浴したり、お茶をいれておしゃべりしたりで楽しんだ。まるで大家族になったような非日常を味わい、素敵な思い出ができたのだ。
(関連記事「光の国のアリス」はこちらから)
 残念ながら、あのホテルはなくなってしまったらしい。でも、探せば、都内でも大人数で泊まれる場所がある。私はパソコンのキーボードをせっせと叩き、検索結果からベストなホテルを見つけ出した。
 住友不動産 ヴィラフォンテーヌグランド東京有明である。



 ここの和洋室は4人まで泊まれるうえ、お値段も比較的リーズナブル。



 しかも天然温泉、露天風呂があるのだから「いいッ!」と身を乗り出す反応になった。



 抜け駆けと言われないために、翌日、娘にも声を掛けてみた。
「今度、おばあちゃんたちとお台場に行って、泊まろうと思ってるんだ。来たい?」
「あ、その日は空いてる。行く行く」
 実は、すでに予定が入っているのではと予想していた。でも、孫が参加すれば母も喜ぶので、来られるのであればいた方がありがたい。
「じゃあ、別のホテルを探してみるよ。5人が泊まれるところはどこかな~っと」
 指先でチョイチョイと検索条件を入れるだけで、別のホテルが表示されるのだから、世の中、本当に便利になったと感心する。すぐにいくつかの候補が示され、中でも部屋が広くてセットメニューの朝食が提供される、銀座クレストンが光っていた。



「62平米だって。すごーい。ここにしよう!」



 温泉がないことは残念だし、アクセスが悪いところはマイナスだけど、それ以上にワイドな部屋に期待が募る。早めにチェックインして夕食をとり、UNOやかるたで夜通し遊んじゃおうかなっ!
 予約をしたあと、「今でも都心に、8人が一部屋で泊まれるホテルはあるのだろうか」と知りたくなり、検索してみたがヒットしなかった。あのときは運がよかったのだと思う。本当に懐かしい。
 さて、お台場といってもエリアは広い。砲台のあたりなのか、海浜公園なのかをしっかり確認しよう。
 夕食はどこで食べようかなぁ~。ウキウキ。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雷にハラハラしちゃう茶臼岳

2025年07月27日 20時44分45秒 | エッセイ
 その日は海の日であったが、以前から行きたかった栃木の名山、茶臼岳に向かった。
 運転に自信がないのでマイカーではなく、無事に生還することを優先し、電車とバスを利用する。那須ロープウェイ行の路線バスは那須塩原駅が始発であるが、公共交通機関を利用する人はかなりの少数派のようで空いていた。乗り換え時間の都合で、お隣の黒磯駅から乗っても座れる点はありがたい。
 バス終点で下りると、目の前にロープウェイ乗り場があり、方向音痴の私でも迷う心配がない。アクセスがよくて助かった。通常は20分間隔で運行しているようだが、夏休みだからか、15分間隔という大サービスぶり。待ち時間が短い点でも気軽に出かけられる場所だ。
 往復切符を買ったが、行きではドキドキさせられた。
「ロープウェイは電気で動いていますので、落雷の危険があるときは運行を取りやめます。山頂駅から戻れず、お待たせする可能性があることをご了承ください」
 山麓駅から山頂駅に向かう間に、スタッフからこんな話を聞き、「ヤバいっ」と焦った。何しろ、この日は一人だったからだ。誰かが一緒であれば、荒天時でも心強いが、一人ぼっちでは弱気になる。追い打ちをかけるように、スタッフが言葉を続けた。
「本日は雷注意報が出ています。遠くに行かれる方は、くれぐれもお天気にご注意ください」
 うーむ。
 遠くに行くかどうかといえば、茶臼岳を見て帰るという最短ルートなので該当しない。しかし、バスの中から、イヤ~な雲が見えていた。ロープウェイが山頂駅に着いたときも、景色が見えなかったほどだ。



 しかし、私は日頃の行いがよいためか、雨は降りそうで降らなかった。ロープウェイから下りると、空気がひんやりしていて驚く。あとから知ったことだが、山頂駅付近の気温は21度だとか。ノースリーブの女性が手早くカーディガンを羽織っていた。雲で日差しが遮られ、さらに涼しいことはよいけれど、ラジオでも「山沿いはところにより雷雨」との天気予報だったことを思い出す。
「これは危ない。ゴロゴロ言う前に戻らなきゃ」
 コースを調べたら、上りは40分らしい。距離にしてたったの2km、高さ234mであるから、「きっと大丈夫」と楽観して歩き始める。
「そうだ、腹ごしらえをしていない。どこかに座っておにぎりを食べよう」
 この日はおにぎりを3個持ってきた。人が通らない場所に座り、セロファンをはがして海苔にかぶりつく。特に自覚症状はないが、熱中症かもしれないと気づいたときには遅い。一人なので、頼る人もなく、万一のことを考え2個食べた。お腹が落ち着く頃にはやる気がわいてきて、「よしっ、登るぞ!」となるのだから単純なものだ。
 歩きやすい場所ほど単調でつまらない。



 しかし、ほどなく石や岩の多い、いわゆるガレ場が待っていた。



 近くにいた高校生ぐらいの女の子が「岩の方が燃える!」と叫んでいたので、まったく同感だと思った。登山道にはロープが張ってあり、迷わないための工夫もされている。活火山である点は不安材料なのだけれど、気軽に楽しめる山として紹介されていることに納得した。
 しかし、背中のリュックが重かった。おにぎり、飲み物、雨具は山の必需品だが、母の家に泊まるためのパジャマや翌日の着替え、化粧品などはロープウェイのコインロッカーに預けるべきだったと反省する。今さら、そんなことをボヤいても遅く、ズシッとした重量によろけながらも上を目指した。
 上りだけでなく、下りの人もいる。若者、子ども、高齢者といった幅広い客層に交じって、体の大きな飼い犬までが自然に親しんでいた。雲が散り始めたのか、空も明るくなってくる。エイヤッと石をまたぎ、足を滑らせないよう注意しながら上っていたら、山のてっぺんが徐々に近づいてきた。



 確実に、目標に接近していることが私のモチベーションをさらに上げる。鳥居が見えたら、目的地は近い。



 あったー!



 1915mの標識に満足し、人気のない場所で3個目のおにぎりを食べ始めた。いくら気温が低くても、重いリュックを背負ってガレ場を上れば、座ったときに噴き出す汗の量が尋常ではない。ブワァ~ッという表現がちょうどいいだろう。なぜか、たくさんのトンボが飛んでいて、「よくぶつからないな」と感心するほどの群れだった。トンボだけでなく、アゲハチョウが手にとまり、アブかブヨかが耳元で旋回していた。
 笑ってしまったのはミツバチ。私のリュックには、飾りとして布製の黄色い花がついている。



 なぜか、この花に近づき、とまるミツバチもいるではないか。それは偽物。だまされてはいけないよ!
 おにぎりを食べ、パックの野菜ジュースを飲み干したところで「ゴロッ」との微かな音が聞こえた。そうだそうだ、トンボたちに気を取られていたけれど、なるべく早く下山しなくては。雷ゴロゴロ、稲妻ピカリでロープウェイ運休は避けたい。200gほど軽くなったリュックを背負い、帰りは30分で山頂駅に到着した。幸いロープウェイは動いている。ホッとして下りに乗り込み、どうにか山麓駅に戻ることができた。乗り継ぎよく路線バスの車窓から景色を眺めていたら、黒磯駅に向かう途中で土砂降りの雨が降ってきた。
「おおっ、ラッキー!」
 今回は首尾よく終わり、雨女のあだ名を返上してもよいくらいだった。
 一番の見どころは、紅葉の時期らしい。
 その頃また行ってみたい。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一難去ってまた一難

2025年07月20日 21時47分07秒 | エッセイ
 私の日記には、2月2日に今年の奥歯のトラブルが発生したと書いてある。左側・下の奥歯の歯茎が腫れ、痛くてものが噛めなかったのだ。だいぶ前に虫歯になり、すでに神経を抜いているのに不思議で仕方ない。かぶせた銀を削り、膿を出したあとは、いつでも治療できるように樹脂でフタをしている。このときは、一カ月もすれば治ると思っていた。だが、実際には5月になっても、6月になっても硬いものが噛めず、完全には治らなかった。
 たとえば、細かく砕いたナッツ類。フラペチーノの上にトッピングされていることもあるが、この存在に気づかずパクッとしたら、口の中が「ズキッ」。



 よーく冷やしたチョコレート。



 幸せな気持ちになり、笑顔で「いただきまぁす♪」と食らいついたら、噛んだ瞬間、しかめっ面に変わるという日々が続いていた。
 今は7月。月に一度は歯科に行き、経過観察とともに歯石を取ってもらっている。だいたい土曜に予約を入れるのだが、7月、8月は休日出勤が多いため、時間をやりくりして平日の朝イチにした。
「歯間ブラシの回数を増やしてくださいね。化膿するといけないので」
「わかりました」
 医師の指示に従い、もっとしつこく歯みがきをしようと思い立つ。特に、歯垢がたまりやすい部分のブラッシングが大事であろう。「えいえいえい」とソフトに、でも念入りにこすったら、今まで何ともなかった右側の銀歯がポロリと取れてしまった。
「え、外れた? 一昨日、歯医者に行ったばかりなのに、うっそ~!」
 おそらく、傷む左をかばって、右側ばかりを働かせていたので、負荷がかかっていたのではないか。大事な歯にぽっかりと大きな穴が開き、絶望的な気分になった。
「えーと、予約、予約を取らなくちゃ。この前行ったばかりなのに、ムキーッ!」
 平日の夕方を希望するも、その日は休診と言われガッカリ……。こちらの落胆が伝わったようで、穴埋めするように、翌日の8時40分という時間を設定していただけた。ラッキー!
 問題は食事だ。予約日までの5日間は、大穴を避けて痛みの残る左側で噛まなければならない。ためしに玄米フレークを噛んでみたら、かつての「ズキン」がなくなっていた。
「あれっ、だいぶよくなったみたい」
 ナッツは近くになかったが、チョコレートも大丈夫だった。さすがに5カ月以上が経過したので、だいぶ元に戻っている。大きな問題もなく食事をクリアし、昨日、歯医者で取れた銀歯を戻してもらえた。ふぅ~。
 一難去ってまた一難。
 歯のトラブルはエンドレスなのだろうか……。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱中症に負けない朝ご飯

2025年07月13日 21時06分12秒 | エッセイ
 毎日暑い。その日の朝食は、チョコチップを加えた玄米フレークに牛乳をかけてすませた。
 職場まで自転車で35分。噴き出す汗をシートでふき取り、Tシャツをブラウスに着替えてから仕事を始める。コーヒーは飲んだが、うっかり熱中症対策を忘れていた。
「なんか体がだるい。しまった、塩分チャージを食べてないや」
 急いで口に放り込んだものの、タイミングを逃したらしい。机の下段の引き出しを開けようと頭を下げたら、床がグルグル回る。めまいだ。しまったと反省したところでどうにもならず、簡単な作業に専念して午前中を終えた。
 食欲はある。弁当の白飯を食べたら、急に力がわいてきた。肉や野菜もモリモリ食べて、それまでの不調が嘘のように解消した。
「ご飯ってすごい。そういえば、山に行ったときもご飯に助けられたっけ」
 7年前に、岩殿山を登ったとき、わずか30分ほどで手の指先がしびれ、体が重くなってしまった。同行した仲間から熱中症の初期症状と指摘され、おにぎりを食べたらすぐに回復したことを思い出す。たしか、その日の朝食はパンだった。
「つまり、朝食を白飯にすれば、熱中症になりにくいってことじゃない?」
 若い頃と違って体力が落ちている上、近年の暑さは災害級だ。夏の朝食はできるだけ白飯にしようと決心した。



 調べてみたら、白飯には水分が多く含まれているため、熱中症対策としては優秀なのだとか。
 梅干しと組み合わせれば、さらにパワーアップするらしい。



 これは私がひいきにしている商品で、しばらく食べていなかったが、今日からせっせといただくことにした。
 味噌汁も重要アイテムとのことで、お湯を入れるだけのインスタントを買い置きする。



 しかし、毎日これでは飽きてしまう。
 やはり、夏はカレーが恋しい。小盛りのレトルトも購入した。



 近くのスーパーでは辛口を置いていないので、中辛で我慢。
 これにジュースを組み合わせればよさそうな気がした。



 しっかり熱中症対策をして、元気に活動しなくては!

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南ヶ丘牧場と優雅な時間

2025年07月06日 19時21分09秒 | エッセイ
 那須で一人暮らしをしている母に会うついでに、観光もしようと思いついた。
「うーん、どこがいいかな。茶臼岳にも行きたいけど、ひとまず牧場がいいや」
 南ヶ丘牧場であれば、那須塩原駅からバスで40分。入門編のつもりで、こちらに出かけてみた。
 バスはかなり空いている。一軒茶屋のバス停を下りて、西に向かって15分歩けば牧場に着くのだが、公共交通機関を利用する人は少ないらしい。歩道は整備されておらず、少々怖い思いをして歩く破目になった。目的地に着いたときの喜びといったらない。



「やったぁ! まずはソフトクリームだぁ~!」
 思ったよりも小さな牧場で、ソフトクリーム売り場はすぐに見つかった。プレミアムソフトクリームが600円、通常のソフトクリームが500円となっていたが、まずはプレミアムを試してみる。



 感想……。
 極限まで乳脂肪分を増やしクリーミーに、とのフレーズ通り、今まで食べたソフトクリームの中では間違いなく一番のプレミアムである。娘は「美味しい」と喜んでいたけれど、私の感想は「甘くて軟らかいバター」であり、500円のソフトクリームにすればよかったと後悔した。好みは人それぞれ。一度は食べる価値があると思った。
 重いものを食べたので、食後は散策してお腹を減さなくてはいけない。この日はよく晴れ、暑かった。しかし、東京の「モワッ」とした湿度はなく、日陰で涼しい風に吹かれると汗も引く陽気だったから、歩くのは苦にならない。



 放牧された牛たちを見ると、ほのぼのした気分になる。



 山を背景に、誰に気兼ねすることもなく、寝そべったり歩いたりと自由に過ごせて幸せそうだった。
 ランチはステーキにした。





 鉄板に肉を載せ、セルフで焼くことになるのだが、脂の少ないサッパリとした肉でよかった。
 13時には牧場を出て、バスに乗り母の家を目指す。ソーセージ作り等の体験をするのでなければ、長居する場所ではない。
 おみやげはフィナンシェと牛乳。



 ここの乳牛はガーンジィ牛というらしい。



 亡くなった父は牛乳が好きだったので、グラスに注ぎ、仏壇に供えてみる。きっと「うめえな!」と喜ぶはずだ。
「眠い……」
 夕食のあとには、私も娘も睡魔に襲われてしまった。
 湿度が低いとはいえ、やはり暑さに負けたようだ。食後の緑茶をいただいたあと、シャワーを浴びて、21時台には布団に入る。
 自宅だと、あれもやろう、これもしなきゃと休む暇がないが、人の家ではそうならない。
 久しぶりに8時間以上の睡眠をとった。
 考えてみたら、これが一番の贅沢だったかも。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

両替難民

2025年06月29日 20時44分58秒 | エッセイ
 50人の職員から親睦会費を集めたが、230円余ったので返金することにした。
「えーと、100円玉が100枚、10円玉が150枚か、スゴッ」
 そんなにたくさんの硬貨を持っていないので、銀行に頼ろうと考えた。
「待てよ。前の職場の事務の人が、両替には手数料がかかると言ってたな……」
 この時点では、手数料がいくらかを知らず、勝手に200円ぐらいだとイメージしていた。両替は、預金のある銀行でしか受け付けてくれないことぐらいはわかっていたので、三菱UFJ銀行のホームページで確認してみる。
「うっそ~、11枚以上500枚以下は770円だって! 高ッ!」
 ちなみに、それ以上の枚数になっても500枚ごとに770円が加算されるそうだ。「高価な硬貨」とのダジャレが浮かんできても仕方ないと、ひとり頷いた。
 ゆうちょ銀行にも口座はあるが、両替はしていないらしい。ならばと、某信用金庫をチェックしたら、こちらは550円。良心的な金額を見て即断した。
「よしっ、信用金庫に行こう」
 記憶をたどってみると、平成10年あたりに両替をしたときは無料だった気がする。時代の移り変わりを目のあたりにして、イマイチすっきりしないけれど、さっさと終わらせたい。
 現職場の事務方にそんなことをボヤいたら、話した相手がよかったようで、意外な展開が待っていた。
「急ぎですか? うちには結構、小銭がありますよ。明日でよければ持ってきますけど待てますか?」
「えっ、待ちます、待ちます」
 どの程度の数をお持ちなのか、実のところ、あまり期待をしていなかった。しかし、彼女は金種ごとに分けて保管できるコインバンクを持っており、かなりの数を用意してくれた。
「100円玉は90枚しかないけれど、10円玉は150枚ありますよ」
「すごい! 足りない10枚は集められそうなので大丈夫です。ありがとうございます!」
 というわけで、銀行に頼ることなく硬貨をゲット。こんな上手い話があるとは驚きだ。おかげで、無事、職員に返金を済ませることができた。これにて一件落着ぅ~!
 今回得たのは「小銭はキープしておけ」という教訓だ。
 キャッシュレス化が進むにつれ、重い硬貨はさっさと使ってしまえと思いがちで、邪険にしていたことを反省した。必要なときに困らぬよう、私も百均で収納グッズを購入する。



 財布が重いときでも支払いに使わず、こちらに移動させればよい。



 両替難民がいたら、私が助けてあげるつもりで増やしていきたい。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忙しいときの健康管理、どうしてる?

2025年06月22日 21時54分07秒 | エッセイ
 4月に職場を異動して以来、仕事に追われて大変だ。
「えーと、今日はあれやってこれやって、10時に打合せ、14時に来客、16時から会議か、ひえー」
 そんなときに限って、面倒な電話をいくつか受けてしまう。延々と話したあと、受話器を置いたときには「はて、何をしていたんだっけ」と思い出さねばならず、甚だ効率が悪い。
 6月は前任者が残していった大きな課題を片づける破目になり、さらに時間が必要となった。朝は7時に出勤し、19時にやっと退勤できる。連日12時間労働はキツい。でも、やるしかない。帰宅したら、私の分だけが残っている食卓で夕食をとり、翌日の弁当の準備をして、英会話を聴きながらウトウト。5時間半寝たら、時計のアラームが鳴って朝が来るというサイクルを繰り返す。
「うーん、厳しいな。体調を崩さないようにしなくっちゃ」
 健康を維持するための心がけは2つ。
 1.平日は飲まない
 2.甘いものも我慢し、手作りで栄養バランスのとれた食事をとる
 休みの日は、おやつとワインを解禁するが、ウイークデーを考えてほどほどに。酒もスイーツも好きだけど、翌日の寝起きが悪くなり、パフォーマンスの落ちる原因になる気がする。ストレス解消どころか、蓄積していくのでは……。コンビニ食や外食でカロリーをとりすぎてもよくない。質素で低カロリーの食事に徹することで、体調管理ができると思う。
 だから、ドーナツは週1回のお楽しみに。



 土曜のご褒美に抹茶クリームフラペチーノを頼んだら、グラスで出てきた。貴重かも。



 でも、仕事のある日は我慢、我慢。
 今日は都議会議員選挙だったが、おかげで元気に投票所に向かうことができた。「当選してほしい」と思う候補に一票投じ、朗報を願う。
 投票済証のねり丸は、相変わらずラブリーだ。



 他の方の健康管理も聞いてみたいなぁ。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

父の日から生まれた山積みそうめん

2025年06月15日 20時23分53秒 | エッセイ
 今日は父の日。いつも家事を頑張っている夫に何かしてあげなくては。
 私の父が健在だった頃は、宅配便で好物のそうめんを送ったものだ。



 昔から父の指名は揖保乃糸。冷麦は好まなかった。一度に10袋ほど送り、完食しているものと思っていたら、そうではなかったようだ。
 父の葬儀が終わり、母のもとで数日過ごしたとき、食糧庫で山積みになった揖保乃糸を見つけた。
「あれっ、食べ切れなかったのかな。こんなに残っているじゃない」
 おそらく、30袋はあっただろう。賞味期限は2026年になっていたから慌てることもないが、次々と送られてくるそうめんに困っていたかもしれないと思うと申し訳なく感じる。好きだから嬉しいはず、という間違った思い込みがあった。
「よし、これを減らしていこう」
 母は伝統的なそうめんの食べ方しか知らない。でも、パスタの代わりにすれば、気軽に食べられ、積み上げられた袋も減るだろう。GWに遊びに行ったとき、食材とともにパスタソースを持参した。



「アタシ、そうめんを送り過ぎちゃったみたいね」
 話しかけると、母は笑って答えた。
「ああ、冬になっちゃって、なかなか食べる機会がなかったのよ」
「そうだよね。でも、そうめんがパスタ代わりになるって知ってた?」
「知らない。そうなの?」
「うん。パスタソースを持ってきたから、今日は試しに食べてみて」
 茹で時間が短い点はありがたい。パパッとボロネーゼそうめんを作ると、母は喜んでいた。
「美味しい! こんな食べ方があるんだね」
「他のパスタソースも持ってきたから、少しずつ食べるといいよ」
「うん」



 さて、その後、そうめんは減っただろうか。
 いろいろと忙しく、しばらく母の顔を見ていない。次に行くときは、また別のパスタソースを持っていき、在庫を減らしたい。
 キッコーマンは冷やし中華風そうめんのレシピをアップしていた。これにもチャレンジしたいものだ。



 一方、わが家の父の日は、横浜に出かけた娘が寿司の折詰とプレゼントを買ってきてくれて、結構盛り上がった。



「美味し~」
 食べ終わったタイミングでプレゼントが登場する。
「お父さん、いつもありがとう」
「わあい」
 


 包みの中身はバッグであった。



「こういうのが欲しかったんだよ。ありがとう」
 かくして、わが家の父の日は無事に終了した。
 夫もそうめんが好きなので、娘が離れて暮らすようになったら送ったりして……。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆであずきと玄米フレークのコラボ

2025年06月08日 15時09分34秒 | エッセイ
 寝る前には必ず、翌日着る服を出し、朝食メニューを確認する。
 ハムとバナナ、ウインナーとレトルトカレーなんて組み合わせもあるが、玄米フレークに牛乳をかけるお手軽メニューも悪くない。



 この玄米フレークは、カルシウムと鉄分が多く含まれているから買うのだが、甘くないところが泣きどころ。牛乳だけでなく、製菓用のチョコチップもかけていただくのが常だった。



 しかし、ある日、突然ひらめいた。
「そうだ、チョコチップよりも、ゆであずきにしたら美味しいんじゃないかなぁ」
 ゆであずきは、かぼちゃの煮物にかけて「いとこ煮」にしたり、お湯でのばして「汁粉」にしたりと用途が広い。クロワッサンや食パンに挟んでいただくこともあるから、常にストックしている。



 これを玄米フレークに合わせてみた。



 カリッとしたフレークに濃厚なあずきを絡ませてもいいし、牛乳で薄めたあずきミルクに浸してもイケる。最近の朝食では一番のヒットかもしれない。
 食に賭ける執念が生み出したアイデアに、我ながら感心した。
「ふー、満足、満足」
 朝食で膨れたお腹を揺らして自転車をこぎ、職場に着けば、モーニングコーヒーがいっそう美味しい。
 そろそろ関東地方は梅雨入りしそうだが、あずきパワーではつらつと過ごしたい。
 ご興味があれば、ぜひお試しください。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高齢者とワンタイムパスワード

2025年06月01日 16時25分48秒 | エッセイ
 父亡き後の事務手続きはまだ続く。
「電話で話しているとき、○番を押してくださいって言われるじゃない? 押しても、うんともすんとも言わないのよ」
 先日、母の家に行ったとき、こんな困りごとを相談された。
 母は係の人と会話した気になっているが、実際のところ、音声ガイダンスを相手にしているらしい。子機を使うので、親機のボタンをプッシュしても反応しないのではと察した。



「押しても何の返事も聞こえなくて、そのうち切れちゃうんだから困るよ」
「じゃあさ、今度は持ってる方の小さいボタンを押してみなよ」
「えっ、こっち?」
「そうそう」
「こっちにもダイヤルがあるんだね。ずっと大きい方のボタンを押すんだと思ってた」
 その後、母のボヤきはなくなり、解決できたらしい。84歳の判断力には何かとサポートが必要だ。自分でできることはやってもらうとして、できないことは手伝ってあげなくてはいけない。
 母とは週イチ程度でメールもしている。
「やっと電話の名義変更も終わったよ。届いた書類をポストに投函したから」
「よかったね。じゃあ、引き落とし口座も変更しちゃおう」
「ありがとう。お願いします」
 名義変更のあとは振込用紙を受け取り、郵便局で払い込んでいるそうだ。母の口座から引き落としができるようにしないと手間がかかる。簡単そうに見えて、この手続きがなかなか厳しかった。支払い口座の情報をネットで入力したあと本人確認となり、契約する電話番号から指定の番号にダイヤルして、5桁のワンタイムパスワードをゲットしないと先に進めない仕組みとなっていたからだ。契約の電話は母の家電なので、急いで連絡を入れる。ナンバーディスプレイの契約をしているから、呼び出し音とともに「笹木砂希から電話です」のメッセージが流れているはずだ。
「こんにちは。なに?」
 受話器を取った母は、相変わらずのんびりしている。動きがゆっくりなので、急がせると混乱するに違いない。心の中では「はよはよ」と迫りたいところだったが、極力抑えて説明した。
「今、電話の口座振替を申し込んでいるところ。その電話からダイヤルしてパスワードを聞いてくれる?」
「え、今?」
「何かやってる?」
「何もしてないよ」
「急な話で悪いね。番号は0120-×××-×××だよ」
「ええと、もう一回言って」
「0120-×××-×××。つながったら返事をくれる?」
「いいけど、砂希の番号って何番だっけ」
「××―××××-××××だよ」
「わかった。掛けてみる」
 ところが、1分経っても2分経っても返事が来ない。しびれを切らしてこちらからダイヤルしてみた。
「はいよ」
「つながった?」
「うん。12345だって」
「わかった。ありがとう。続きをやるから切るね」
「はいはい」
 返事をくれと言ったのに、伝わらなかったとはなぜだろう。言い方が悪かったのか。モヤモヤしつつ、メモを持ってノートパソコンに向かう。パスワードを入力しエンターキーを押したが、残念なメッセージが待っていた。
「制限時間を超過しました」
 きゃあ~!
 ガックリとうなだれる。そう簡単に、思う通りにはならない。「仕方ないや」と気を取り直してキーボードを叩く。せっかくだから、一からやり直して再度チャレンジしてみよう。
 懲りずに母に電話を掛けた。
「はーい」
「制限時間内にパスワードが入れられなかったから、やり直しになっちゃった」
「ええ、そうなの? 厳しいね」
「もう一回やればいいよ」
「そうだね」
「また同じ番号に電話を掛けてくれる?」
「うん」
「じゃあ、ちょっとしたら電話するから、パスワードを教えてね」
「わかった」
 受話器を置いて1分後、チャチャッと母にダイヤルした。待っていたらまた時間切れになってしまう。
「はーい」
「パスワードわかった?」
「うん。23456だって」
「ありがとう。やってみるね。じゃあ一旦切るよ」
「はいよ」
 今度は制限時間内に入力ができ、先に進めた。受付完了のメールが届き、手続きが終わったら契約者あてにハガキを送るとなっている。ホッとしてまた母に電話を掛けた。
「はいよ」
「おかげで手続きが終わったよ。ハガキが届いたら教えて」
「うん、わかった。ありがとね」
 これにて一件落着。ほんの30分間のことなのに、2時間ぐらい重労働をした気分だ。
「はああ、疲れた……」
 もろもろの事務作業、早く終わらないかな。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スパークリングが気になっちゃう

2025年05月25日 16時46分01秒 | エッセイ
 先日、新しい職場の歓送迎会があった。同じ日に古い職場の歓送迎会も行われ、見事にバッティングしてしまったが、先に誘ってくれた現職場の方に行くことにした。かなり後ろ髪を引かれたけれど、体は一つしかないからどうにもならない。
「こんばんは、お久しぶりです」
「元気でやっていますか」
 転入者と転出者が顔を合わせる機会はこれが最初で最後。職場を去った方の現況を聞きつつ、私は空になったグラスが気になっていた。
「うーん、何を飲もうかな。白ワインでいいか」
 都内の某ホテルであった。花束贈呈が終わり、次の転出者が舞台に進む合間を狙って、こそこそとワインコーナーに進んだ。
「赤と白がございますが、いかがいたしましょう」
 係のお姉さんが愛想のよい声で話しかけてくる。白と言いかけて、スパークリングワインの瓶に気がついた。
「これ、さっき乾杯したときのスパークリングですか」
「はいそうです。まだ残っていますよ」
「わあ、欲しいです」
 お姉さんがスパークリングをグラスに注いでくれた。ふふふ。飲み放題のリストにないようだが、半端に余っていたから提供したのだろう。良心的でありがたい。
 しかし、平べったくて、少量しか入らないグラスだったので、飲んだ気がしない。



 調べたら、クープ型のシャンパングラスというらしい。すぐ空になってしまい、挨拶が終わるのを待って、またお姉さんのところに行った。
「おかわりお願いしま~す」
 お姉さんは私の気持ちを察したようで、空のワイングラスを取ってくれた。



「よろしければこちらにお入れしましょうか」
「はい、ぜひ」
 これならクープ型の3倍は入るだろう。ニマニマしていたら、後ろにいた英語科の若手、マサト先生も便乗してきた。
「あっ、僕にもスパークリングください」
 残念ながら、他にワインコーナーに近づく人はなく、ビールやソフトドリンクが人気のようだ。ちょっと淋しい。そうだ、挨拶も聞いてあげなくてはいけない。
「今の学校ではテニス部の顧問になりましたが、部員が1人しかいません」
「ええ~」
 舞台の上は5人目になった。みなさん、新しい職場で頑張りつつも、戸惑いながら過ごしているようだ。料理はビュッフェだったが、まずまずでスパークリングにもよく合った。またグラスが空になり席を立つ。お姉さんはいなくなっており、おじさんに代わっていた。
「スパークリングください」
「どうぞ、ボトルごとお持ちください」
「いいんですか」
 何と気前のよい対応か。大事に大事に瓶を抱えて席に戻った。中身を確認すると、3分の1は残っていたので、「うほほ」と小躍りする。しかし、飲み過ぎてもいけない。そうだ、マサト先生にもあげよう。どこに座っているのかしら。いたいた。隣のテーブルであった。
「見てぇ、これもらっちゃった。飲みませんか」
「マジすか、やったぁ!」
 嗜好が同じ相手に喜んでもらえてうれしい。スパークリングに気を取られていたら、デザートコーナーのほとんどが消えていたが、フルーツは残っていたからよい。このあとコーヒーを飲んだら、お開きの時間が迫っていた。
「ここで中締めとさせていただきます」
 あれっ、もう?
 時計を見ると、1時間半が経過したところだった。このあと集合写真が待っていたので、早めに切り上げたのだろう。
 何人もの人と話し、いろいろと見聞きしたつもりだったが、終わったときにはスパークリングワインのことしかおぼえていない。
 なんとまあ……。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニオう人

2025年05月18日 21時29分51秒 | エッセイ
 5月に入り、汗ばむ日が増えてきた。
「汗かいたら、ちゃんとケアしてる? ときどき汗臭いよ」
「えっ」
 娘の厳しい指摘にたじろぐ。自分が臭うとは、まったくもって思わなかった。
「部屋干しした雑巾みたいな臭いだから、何とかしてほしい」
「ひい」
「汗ふきシートを使いなよ。コンビニとかでも売ってるから」
「うん」
 他人は思っていても教えてくれない。それにしても、部屋干し雑巾とはあんまりだ。せっかく新しい職場になったのだから、嫌われないように、避けられないように汗のケアをしなくてはと決心した。
 コンビニではなく、スーパーの2階でシートを買う。ポイントが加算され、お得だもの!





 何種類も並んでいたが、差がわからない。大きめ、厚手を目安に購入した。
 面白いもので、汗対策をすると気温が下がる。連休明けは涼しくて、シートの出番はなかった。
 しかし、先週は気温の高い日が多く、「やっと使える」とワクワクして封のシールをはがした。
 ペリペリペリッ。
 自転車で通勤していると、信号で停まったときに汗が噴き出てくる。ときにはメガネが曇るほどだ。職場にゴールインすると、顔も体も熱くなり、さらに汗をかくことになる。荷物を置いて汗ふきシートを広げ、首に当てたときの爽快感は予想をはるかに超えた。
「うー……」
 冷蔵庫で冷やしたわけでもないのに、肌に広がるひんやり感が心地よい。首周りを一周したら、背後に色とりどりの花が咲いたような気分になる。



 シートが大きいので、服の下の汗をふく余裕がある。背中やわきの下、鎖骨周りなどにもシートを走らせ、上半身全体が爽やかになった。
「これはすごい」
 肌がさらさらになるだけでなく、さっぱりして勤労意欲が上がった自分に気づく。加えて、雑巾臭が消えて迷惑にならないのであれば、日課にするしかないだろう。
 東京の気温は、毎日高いわけではない。汗をかかない日もあり、汗ふきシートを使わなかったら、下を向いた瞬間に変な臭いが漂ってきた。夏の部活で湿った体操着が、洗濯前に乾いたときの悪臭に近い。
「こ、これが、指摘された臭いなのでは……」
 連日、シートを使って身ぎれいにしていたおかげで、自分の体臭に気づいたようだ。危ない、危ない。
 そんなわけで、毎日シートのお世話になっている。夏に備えて、買い置きしておこう。
 汗をケアすることで、蚊にも刺されにくくなった気がするが、それはまた後日……。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

JAFの電話がつながらない

2025年05月11日 17時20分58秒 | エッセイ
 今日は母の日。
 夫がカーネーションの花を買ってきてくれた。ありがたや。



 夫の母、つまり義母は5年前に亡くなってしまったが、私の母は健在だ。父の葬儀を機に、一人でもボケずに生活できるよう、私たち三姉妹が順繰りに訪問するようになったため、一年中母の日と思うことにした。
 GWには母の家に一泊した。出かけるときは、食材持参で三食作ることにしている。母もこのペースに慣れ、特段気をつかわず「美味しい」と喜んで食べてくれるから頑張れる。
 車に電気、電話、ガス、預金の名義を父から母に変更する手続きは、母だけでなく姉や私が手伝った。だいぶ片づいたと思ったのだが、全部ではなかった。
「JAFがまだなのよ」
 母が困った顔で頼ってきた。
「電話を掛けてみたんだけど、マイページがどうとかこうとか言っててわからなかった」
母の家は電波状況が極端に悪く、LINEすらつながらないときがある。ひとまず父の会員証を預かり、自宅に帰ってからパソコンで調べてみた。
 結果、JAFでは名義変更の制度がないと知った。会員は父だけなので、死亡したら退会するしかない。母がサービスを受けるには、新たに会員として手続きすればよいらしい。
「なるほど」
 問題は会費の納入方法である。クレジットカードは持っていないので、郵便局の払込用紙を請求することにしたが、これだとネットで手続きできない。電話でと書いてあるのだが、何度掛けても「ただいま電話が大変混みあっております。のちほどお掛け直しください」のメッセージばかりで、一向に申し込めない。私ですらゲンナリするのだから、高齢の母にはなおさら厳しいと感じた。
「うーん、どうしよう」
 職場から電話を掛けられる時間帯は、昼休みか17時以降だ。しかし、いつかけても門前払いをされてしまい、永遠につながらないのではと焦った。
 結局、職場から掛けるのは諦め、土曜日の午後の落ち着いた時間帯に再挑戦することにした。15時ちょっと過ぎは平日よりも混んでいるイメージだったけれど、実際には逆だったようだ。今まで聞いたことのない「ロードサービスをご希望の方は1を、契約内容に関するお問い合わせは2を……」といった音声が流れてきた。2のボタンを押すとさらに「オペレーターにおつなぎします。待ち時間は5分以上かかります」のメッセージに切り換わり、「もしや繋がるのでは」と期待が高まってきた。
 少し待つと「5分以上」と伝えられたメッセージが「4分程度」に変わり、やがて呼び出し音となった。この時点で私は拳を握って右手を振り上げ、「いいぞ、いいぞ!」と騒ぎ出したいくらい盛り上がっていた。まさか、一度でつながるとは。
「大変お待たせしました。JAF総合サービスです」
 しっかりした印象の女性の声が聞こえてきた。事情を話すと、父の退会も母の入会も、同時に受け付けてくれるという。払込用紙は翌営業日に送ってもらえることになり、会員証が届くまでは領収証で各種サービスを受けられると聞いた。ああよかった。
 すぐ母に「連絡ついたよ」とメールしたら、「うれしい、よかった!」と大喜びであった。
 カーネーションやお菓子もいいけれど、気になっていた問題が解決することが、今の母には一番らしい。
 さて、次はどんな問題が待っていることやら。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セーヴル フランス宮廷の磁器に触れるGW

2025年05月04日 10時00分34秒 | エッセイ
 4月はよく働いた。
 職場を異動すると、一気に仕事量が増える。3月中に「これだけはやっておかないと」と帳簿を整え、PCの中も過不足ないよう整理して職場を出た。しかし、新しい職場では前任者がそう思ってくれなかったようで、「あれもこれもできていない!」とガッカリしながら作業に追われている。毎日20時頃に帰宅し、自宅と職場の往復ばかりで単調な毎日だった。
 新年度の疲れを感じる頃にGWがやってくる。今年はカレンダーの並びが不満だが、ひとまず昭和の日には「美しい磁器を見て美味しいご飯を食べる」目的で渋谷区立松濤美術館に行った。



 現在、開催中の展示は「焼き物大好き」な私が「絶対見逃せないッ!」と狙いをつけていた「セーヴル フランス宮廷の磁器」である。



 セーヴルとは、ブルボン王朝が設立した王立セーヴル磁器製作所のことで、西洋諸窯のなかで最高峰と称されているそうだ。王侯貴族向けの注文生産であったため、現存数が限られており、日本で紹介される機会が少なかったというから、貴重なコレクションが見られてうれしい。



 リーフレットでは、「華麗な色彩を使って、当時流行のファッションなどを取り入れた小花文や花綱文をはじめ、鳥や人物、風景などを極めて絵画的な筆致で描いた作品群は、日本人がイメージする西洋磁器そのもの」と説明されている。



 まさにその通りであり、華やかに光り輝く美しさに魅了されるばかりであった。
 特に面白いと思ったのが、「色絵花」である。



 焼き物なのに、花びらのやわらかなフワフワ感や、リアルな色味が存分に発揮されている。これは一見の価値があるに違いない。
 小一時間ですべての展示を見終えたら、次は美味しい食事タイムである。
 美術館の周辺にはバルなどが多く、ランチ営業をする店が限られている。その日は松濤MAR(マル)というお店を予約した。
 サラダには野菜がたっぷり。



 細めのパスタは私の好み。



 ポークのカリッと感がお見事。



 プリンは人気だそうで、早めに頼まないと!



 目の保養、胃に栄養、との言葉が浮かんでくる。心休まるひとときに感謝した。
 展示は6月8日までなのでお気をつけて。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本からパンダが消えたなら

2025年04月27日 21時29分08秒 | エッセイ
 先日、びっくりニュースが飛び込んできた。
 和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」が、飼育する全4頭の雌のジャイアントパンダを、6月末ごろに中国に返還すると発表した、というやつだ。返還後、国内で飼育されるパンダは上野動物園(東京都台東区)の2頭のみとなるらしい。
「ええっ、パンダがいなくなるの?」
 上野のパンダだって、2026年が返還予定だというから、いつまで見られるかわからない。あの可愛らしい仕草の、ラブリーな子たちが消えてしまうなんてショックだ。
 しかし、私以上にパンダが好きな人はたくさんいる。その方々にとっては、生きがいを奪われてしまうほどの重大な悲報なのではないだろうか。
 一番に浮かんだのが、かつて交流のあったブロ友さんだ。数年前からブログよりもX(旧Twitter)に注力されており、すっかり疎遠になってしまった。彼女は何度もアドベンチャーワールドに足を運び、長い時間にわたってパンダたちの日常を見ていたようだから、大打撃を受けているのではと心配になった。
 私がアドベンチャーワールドに行くきっかけを作ってくれたのが彼女であった。ブログの桃浜や結浜を目にして、「こんなに間近で、ゆっくり見られるなんていいところだなぁ」と感じたからこそ、家族で和歌山まで出かけていった。自然体で食べたり遊んだりするパンダたちは、上野で見る子たちよりも活発でリラックスしているように見えた。もっとも、帰ってからブログをアップしたら、「どうして、そんな短時間でパンダを見終えたのですか」と、驚かれてしまったけれど。私は経験ゼロが「1」になることで満足するタイプだから、時間の長さはあまり関係ないのだ。その点をわかってもらえたか、あまり自信はない。翌年にはコロナ禍に見舞われ、旅行も外出もなくなって、世の中全体が変わってしまった。
 コロナ前に会えた彩浜。



 ちょこちょことよく動いて、お座りをしたときに見せた幼い足の裏が、とてつもなくキュートであった。
 上野動物園のパンダ舎。



 ここに誰もいなくなったら、動物園に来る楽しみが半減する。何とかして、最後のパンダをキープしてほしい。
 ブロ友さんは、きっと残された2カ月で、アドベンチャーワールドに行かれるだろう。
 パンダたちと最後のお別れをするために、感謝の気持ちを伝えるために、仕事の合間を縫って何が何でも。その熱意には頭が下がる。
 さて、私も時間を作って上野に行かなくては。

エッセイ・随筆ランキング
    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする