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これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

4月から職場が変わります

2025年03月30日 13時44分10秒 | エッセイ
 いよいよ4月から新しい職場に異動する。
 先週は全校生徒の前での離任式にも臨んだ。8人が順に挨拶するから私は短めにしたのだが、後半の3人が「どうしてもたくさん話したい」と思っていたらしく、彼らは一人5分以上、これからの人生について語っていた。生徒は嫌な顔もせず、最後の長い挨拶に耳を傾けていて偉かった。教員の想いが届いただろうか。生徒会の役員から贈られた花束もうれしい。



 実は、離任式の3日前にアスファルトで転び、左頬を擦りむいた。傷跡を隠すため、マスクをして壇上に上がらざるを得なかったことが悔やまれる。ちょっとしたことでバランスを崩し、踏ん張れなくなったと気がついた。
 荷物も持ち帰らなくてはいけない。段ボールに入れて次の職場に送る人もいるが、私の私物は少ない方なので、ちょっとずつ手提げに入れて自宅へ戻す。
 お世話になりましたと、と個別にご挨拶をしてくださる方がいる。「こんなことがありましたね」「○○と言っていただいて気が楽になりました」などのエピソードを振り返り、「またどこかでご一緒しましょう」と頭を下げて行かれる。実にありがたい。しかも、プレゼントつきだったりすると恐縮するばかりだ。



 テディベアのポーチは可愛くて、見るたびに笑顔になる。



 お別れの場面に相応しい贈り物は、ハンカチなどの軽くて小さなものや、食べてしまえば残らないお菓子であろう。ここでいきなり、クッションといったかさばるものや、陶器などの重いものが登場すると、せっかく片づけた荷物が増え「えっ!」となる。その点は皆さん、しっかり心得ていらっしゃるようで、持ち帰りに困ることはなかった。私も見習おう。
 古い職場でハートウォーミングなお別れをしたあとは、新しい職場が待っている。家から10kmと距離的にはだいぶ近くなるので、電車やバスではなく自転車通勤を選んだ。30分以上かかるけれど、「間に合うか?」といったストレスがないため気が楽だ。
 新しい自転車とヘルメットを買い、自転車保険にも加入した。すでに2回、通勤の練習と称して勤務校まで行っている。1カ所、急な坂があったが、あとはほぼ平坦で危ない道もない。少々距離はあるけれど、トレーニングと割り切ってペダルをこげば、長い距離も苦にならない。LDLコレステロール値とHbA1Cが下がったりして~!
 雨が降ったらバスとなる。2系統を乗り継ぐので、1時間以上かかってしまうのが難だ。前日に天気予報を確認し、雨予報だったら早起きしよう決めた。
「さて、4月早々の天気はどうかな」
 スマホで予報を確認すると、悲しい結果が表示された。



「うっそ~、いきなり雨?」
 ……なんか、波乱含みの年度当初になりそうな予感。
 でも頑張ります!

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便利な熊鈴

2025年03月23日 14時04分40秒 | エッセイ
 武蔵野三十三観音霊場で結願を迎えたのは昨年12月。
(関連ブログ「登ってスッキリ 子の権現から竹寺へ」はこちらから)
 このあたりは山道で熊出没注意のエリアなのだが、私は熊鈴を持っていない上、連れもなく単独行動をしていた。今まで山に入るときは、同行者が誰かしら鈴をつけていたから、それに便乗していたわけだ。一人で登ることになり、熊鈴の恩恵にあずかれない状況に気づいたのは前日の夜だったので「ないよりはマシ」と考えて、本来の使い道と異なる「富士山お守鈴」をつけて歩いた。



 お守りが効力を発揮してか、熊に食われることもなく生還することができてよかった。
 しかし、見かねた読者の方から、「危ないですよ」とのご助言とともに、最新の熊鈴をいただくことになり驚いている。



 これには小さな説明書がついていた。





 鈴を下に引くと音が出るようになり、もう一度引くと音が消えるというのだが、書いてある通りにならない。
「あれ、こうかな? 違うかな?」
 電車の中で触っていたら、何人もの乗客がいるのに「チリチリーン」という涼しい音が響き渡り、思わず体を小さくした。片手でできるって書いてあるのだが、うまくいかない。
 やっと、鈴のつけ根にスイッチがあることに気づいた。
 ここが出っ張っていると音が出る。



 鈴を引くとここが引っ込み、音が消える。



 強く振っても、中の振り子が固定されているから安心だ。熊の出ない場所では「リンリーン」と鳴らさない方がよかろう。
「すごいっ!」
 工夫のある構造に感心した。いいものをいただき感謝感激である。
 ……いや、別に、哀れさを演出してもらおうと企んだわけではない。こんなに便利な鈴があるとは知らなかった。人の善意がありがたいなぁ~。
 今は職場異動のドタバタで忙しい毎日を過ごしている。
 来月、父の納骨が済んだら、デビューさせたい。

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川越大師 喜多院のパワー

2025年03月16日 17時40分45秒 | エッセイ
 先月のこと。カルディでコーヒー豆を買った。



 酸味が少なく、苦味を前面に押し出しつつも、甘味があってまろやかなマンデリンフレンチが好きだ。ちょいと値は張るが、美味しいものへの支出をケチってはいけない。家用に豆を1袋、職場用に挽きを2袋購入した。
 袋詰めを待つ間、レジ脇のお知らせが目に入る。オリジナルコーヒー豆税込¥2,000以上お買い上げで「コーヒーグッズ ミニチュアフィギュア」プレゼント! と書いてあった。おやおや、何かもらえるのかしら……。



 フィギュアは5種類あるらしいが、私の好みはコーヒーポットかミル。見ているだけで「可愛いなぁ」と心がほぐれていった。袋詰めが終わり、店員さんがレジ前に戻って来て会計となる。
「お買い上げ2000円以上となりますので、こちらのミニチュアフィギュアをどうぞ」
 おおっ、やはりおまけがあるではないか。景品の小箱を受け取り、思わずニンマリした。
 家でゆっくり中身を確認すると、期待通りに、セラミックコーヒーミルが入っていた。



「わーい、やったぁ~!」



 短いリップクリームのようなサイズで、小さいのにフタやハンドルを分解することができる。なかなか精巧な作りとなっており面白い。



 いいものが当たってうれしいぞ~。
 先週は、グッドニュースがあった。4月から職場が異動となるのだが、希望通りの学校に配属されたと知らされた。前回の異動では期待を裏切られ、かなりガッカリしたので、2倍の笑みが漏れる。
「うわあ、ツイてる! ラッキー!!」
 何だか、運がいいと感じる出来事が続いている。なかなか見つからなかった臨時職員に、適材と思われる人材を発掘したり、揉めていた懸案事項が上手い具合に片づいたりして、気になっていた宿題を終えることができた。父死去という悲しいこともあったが、家族旅行が終わり、年度末の繁忙期を迎える谷間の時期だったため、業務上の支障もなく、ゆっくり葬儀に臨めた点はありがたかった。
「これはもしや……」
 お財布から、川越・喜多院のおみくじを引っ張り出してみる。



 今年はこちらに初詣で伺い、「大吉」のおみくじを引くことができた。願いが叶う、立身出世のときが来る、行く先々で善いことに巡り会える等が書かれており、あまりに素晴らしかったのでお守り代わりにしているのだ。



「当たってる……」
 今のところはいい感じかも。
 今後はさらに期待してしまいそうだ。
「ほお、天の恵みにより、さまざまな財宝が手に入るでしょう、とも書いてあるよ」
 もしやもしや。
 来年も再来年も、初詣は喜多院にしちゃおうかな。

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三姉妹 父を見送る

2025年03月09日 22時14分15秒 | エッセイ
 父が死んだ。
 介護認定を受ける手続きをせねばと思っていた矢先の出来事で、しばし呆然とした。2月に遊びに行ったときは用意したおでんを完食し、一緒に坊主めくりをして遊んだくらい元気だった。しかし、弱っていた心臓が持たなかったと聞いている。もうじき桜を見られるものと決めつけていたので、見通しの甘さを痛感した。
 妹夫婦が母に付き添い、葬儀等を仕切ってくれて助かった。私も仕事の区切りをつけ、那須の母の下へと駆け付ける。当然ながら家に父の姿はないが、あとから姉も合流し、三姉妹が顔を合わせた。
「葬儀屋に行くと、お父さんが見られるよ。これからどう?」
 勝手知ったる妹が気を利かせ、義弟が隣駅の遺体安置所まで車に載せてくれた。火葬までの間に、ゆっくりと最期の別れができる点はありがたい。父は安らかに眠っていたが、頬から鼻の下にかけて緩いカーブの窪みができていた。これは酸素のチューブを鼻に固定していたからだ。何年も我慢していたことを考えると、「スッキリしてよかったね」と声を掛けたくなる。
 髪や顔に触れて、在りし日の父を想う。死に目には会えなかったけれど、生きているうちに話をしたり、一緒に過ごしたりできたから悔いはない。迷わず成仏してほしい。
 葬儀を終え、父は骨になった。火葬場で係の方から「これは○○の骨です」といった説明を受ける。プラス、腕を骨折した後に入れた金具や、インプラントなども出てきて、「持ち帰りますか」と尋ねられた。父の一部なので受け取ることにした。
「飛行機雲だ」
 火葬場から葬儀会場に戻る途中で、娘が空の写真を撮った。



 雲一つない青い空。
 父を送る日が晴天でありがたい。
 このあと、姉夫婦と妹一家が母の家に集まり、休憩してから帰宅することにした。私は帰らず数日泊まり込み、食事の支度をしながら母と一緒に過ごす。気を張っていたせいか、みんな疲れていた。喪服を脱いでお茶を飲むと、誰も彼もがソファーでウトウトし始めた。休憩時間が長引くと、帰宅時間が遅れるが、急かすわけにもいかない。どうしようかな、と考えて冷蔵庫を見ると、それなりに食材があるではないか。ならば8人分の夕食を作ればいいんだ、と閃いた。
「軽い食事だったら用意できるから、夕飯を食べて行ったら?」
「そう? じゃあごちそうになろうかな」
 姉も妹も同意したので、手伝いを頼む。
「姉さんは小松菜の胡麻和えを作って」
「はいよ」
「奈津は、茶碗とお椀、箸のセッティング」
「オーケー」
「他のおかずは、エノキあんかけの豆腐と、キャベツとベーコンの炒め物ぐらいだけど、ご飯と味噌汁がつけばお腹が落ち着くと思う」
 三姉妹で役割分担し、まるで合宿だ。
「セッティングできたよぉ」
「胡麻和え完成! 味見して」
「いいんじゃない」
「味噌汁が濃いよ」
「お湯、お湯」
 母は笑って私たちを見ている。きっと、父もどこかから見守っているに違いない。
 準備が整ったところで、声を合わせて食事を始めた。
「いただきまーす」

 葬儀はポカポカ陽気だったが、翌日からは冷え込み、ご丁寧にも雪が降ってきた。



 那須の冬は寒い。母を一人残すことに不安はあるが、本人が「ここで暮らす」と決めたので、応援しなくては。三姉妹で代わるがわるメールをしたり、電話を掛けたりして、孤独にさせないつもりだ。
 私はときどき食材持参で泊まりに来て、母の好きな料理を振る舞いたい。
 三姉妹、それぞれの特技を生かして、母を支えます。

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天橋立冬景色

2025年03月02日 09時00分40秒 | エッセイ
 以前から、天橋立に行ってみたくてチャンスをうかがっていたのだが、天皇誕生日のおかげで3連休になる2月を狙ってみた。『日本の絶景、癒しの旅100』という本に、2月の天橋立が載っていたので、影響されたことは間違いない。
 東京からだと、新幹線で京都まで出て、そこから特急はしだて号に乗り換える。しかし、この日は雪のため、新幹線が5分ばかり遅れて、乗り換えに肝を冷やした。あとからわかったことだが、「新幹線からのお客様がいらっしゃいますので、出発時刻を3分遅らせます」というアナウンスが入り、あわてなくてもいいらしい。
 だが、特急が大雪によるポイント故障とやらで、福地山止まりになってしまった。ここでも車内放送による迂回ルートの案内があり、普通列車を乗り継いで、どうにか天橋立駅まで到着することができた。ふぅ。
 1泊2日の短い旅行である。初日は到着が18時近くになり、夕食と温泉ぐらいしか楽しめなかった。
カニとご当地ビールがうれしい。



 夜間も雪が降り続き、翌朝、カーテンを開けたらこんな感じになっていた。



 ひいぃぃ~!

 せっかくテラス付きの部屋にしたというのに、ほとんど意味がなかった。残念無念。
 すっかりだらけて「チェックアウトまで部屋にいよう」となったのだが、朝食を終えた頃には雪がやみ、日が差してきた。こうなるとテンションが上がる。歩いてすぐの、天橋立ビューランドを目指し、リフト乗り場に向かった。
 展望台に上がり、景色を眺めるや否や、「ああっ」という感嘆の声が自然に出てくる。



 なんと素晴らしい!
 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が寝ている間に倒れてしまったという、天への梯(はし)が海の間に横たわり、粉砂糖をかけたようにところどころが白くなっていた。梯のカーブが何とも芸術的で「うーん」と唸らされる。
 水面への映り込みもクリアで、キラキラと輝きを放つところなどは神話の世界さながらであった。人が住んでいない景色を見せてもらっているかのようで、その場からはなれられない。



 しかし、夫が私を現実に引き戻した。
「大変だ、チケットをなくしちゃった」
「…………」
 リフトに乗るまではあったそうだが、下りて景色を見ていたら、入れたはずのバッグのポケットから消えていたのだとか。神話の一部になりかけていたのにガッカリした。
 梯を渡った先にある傘松公園展望台のチケットも含まれていたのだが、係員の配慮で、3人揃って行動するのであれば、帰りのリフトと傘松公園の入場もオーケーにしてもらえた。親切でありがたい。
 カフェに向かい、ちょっと休憩。



 このプリンは味が濃い目でイケる。コーヒーもしっかりした味で美味しかった。
 リフトを下りたら、梯の松並木を歩いて対岸に向かう。



 上から見たら、歩行者が確認できなかったけれど、実際には松で隠れていたのだろう。
 神社もあって見どころは多い。



 対岸に着くと、まずはランチをいただいた。



 日本海側の海の幸は立派で味もいい。
 これは京都のクラフトビールだろうか。飲みやすくて丼にマッチしていた。



 食後はケーブルカーで笠松公園展望台に行く。
 ここからは逆から見た天橋立を堪能することができる。天橋立から見た景色を「飛龍観」、笠松公園から見た景色を「昇龍観」と区別しているらしい。



 景色を堪能したあとは船で天橋立駅に向かった。
 雪化粧をした天橋立がLINEニュースにも掲載されており、「やっぱ、冬がオススメなのかしら」とも思ったが、かなり冷え込むことと、列車のトラブルを考えると、もっと暖かい時期がよさそうだ。
 次があるなら、GWを狙いたい。

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