これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

花粉症対策

2011年03月06日 20時35分49秒 | エッセイ
 今年も、花粉症の季節がやってきた。
 幸い、私は何ともないが、夫は重症だ。戸外ではもちろんのこと、家の中でもくしゃみを連発し、「目がかゆ~い」と言っては泣いている。大の男が鼻を垂らし、メソメソしている姿は滑稽とはいえ、毎日やかましくて困る。どうにか黙らせる方法はないものかと思案していた。
 3日ほど前、帰宅した私に、夫が目を輝かせて報告した。
「今日、テレビで、花粉症対策の番組を見たんだ」
「へー」
「洗濯するとき、柔軟剤を入れるといいらしい。服につく花粉の量が、1/4に減ると言ってたよ」
「ほー」
 うちでは、基本的に柔軟剤を使わない。毛布やフリースなど、静電気の起きるものを洗うときだけ使う程度だ。それなのに、パリッとした仕上がりが好きなので、無謀にも外で干している。これは試す価値がありそうだ。
 しかし、我が家の柔軟剤は、相当古くなっている。使用頻度が低いから、なかなか減らないのだ。今では、かたまりと液体に分離してしまい、本来の役目を果たすかどうか疑問である。
「じゃあパパ、明日、柔軟剤を買っておいて」
「うん、わかった」

 だが、このやりとりをすっかり忘れていた私は、その翌日、いつも通り、柔軟剤を入れずに洗濯してしまった。まったく、習慣というのは恐ろしい。
 洗濯物を干しているとき、「しまった!」と気づき、おそるおそる柔軟剤を探しに行った。

 ない……。

 幸か不幸か、柔軟剤はどこにも見当たらない。そこへ、寝坊した夫が起きてきた。
「ねえ、昨日、柔軟剤を買わなかったの?」
「あっ、忘れちゃった」
「やあね。入れられなかったじゃない」
「うん。今日買ってくる」
 夫は下を向き、元気のない声で答えた。
 実のところ、買っておいても、うっかりミスをしていたのだが。それを言うわけにはいかない。
 私は、心の中で「へへっ」と舌を出した。

 そして、今日、今度こそ柔軟剤を入れて洗濯をした。夕方、乾いた洗濯物を取り込み、これまでと比較してもらう。
「うん、全然違う」
 夫は相変わらず泣いていたが、多少はマシになったらしい。
 さて、もっと静かになる方法はないかな……。



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コメント (12)
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