「代り映えしないポスター」

「代り映えしないポスター」

　朝の4時に自宅を出発し、妻の運転免許テストの最終学科試験に臨んだ。早朝よりの運転免許塾での予習の成果が出たのか、見事合格して妻に運転免許証が手渡された。
　私は、県運転免許センターの待合室に座っていたが、後ろの壁に今年の「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」（12月10日～16日）にちなんで毎年全国で掲示されるポスターがあるのを見つけた。
　一目でこれが拉致問題の啓発ポスターであることは理解できるが、この人権週間の根拠法令は「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」（平成18年法律第96号）といって、法律名にある「その他北朝鮮当局による人権侵害問題」とは日本人妻問題であることを政府は繰り返し明言している。
　しかし、このポスターのどこを探しても日本人妻に関する記述が今年もない。「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」と喧伝しながら、日本人妻に何の言及もしないで北朝鮮人権侵害問題を啓発していますと言える資格が政府にあるのかと問いたい。
　声を上げることもできないような弱い立場の人たちを人権啓発から今年も除外している、だから代り映えのしないポスターだと私は感じた。