三笑会

三笑会は、平成30年6月1日~陶芸活動と陶芸教室、喫茶室、自家野菜販売、古美術・古物商経営を総合的に活動していきます。

「検証:入管開示請求」その6

2019-09-23 16:07:49 | 日記
「検証:入管開示請求」その6

~裁決書~
 令和元年8月27日付けで、出入国在留管理庁長官(法務省)佐々木聖子氏より「裁決書謄本」が私に送られてきた。
【主文】
 平成30年6月29日付け法務省管情第979号により法務大臣が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)を取り消し、同開示決定に係る行政文書のうち、不開示とした部分を開示することとし、改めて開示決定する。
【不服の要旨】
 原処分について、取消しを求めるというものであり、その理由は、審査請求人が提出した審査請求書及び意見書のとおりである。
 なお、諮問庁は、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律の施行に伴い、平成31年4月1日付けで出入国在留管理庁長官となった。
【採決の理由】
 原処分に係る行政文書には「帰国事業の枠組みに関する情報」が記録されているところ、これを公にしたとしても、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあるものとはいえないことから、法5条第3号には該当せず、開示することが相当である。

 よって、主文のとおり採決する。
 令和元年8月27日
 出入国在留管理庁長官  佐々木 聖子



「検証:入管開示請求」その5

2019-09-23 00:05:59 | 日記
「検証:入管開示請求」その5

~私の「意見書」~
 法務省の理由説明書の送付を受けた私は、平成30年10月25日までに情報公開・個人情報保護審査会へ意見書を提出することを求められました。これが、私の「意見書」です。



平成30年10月15日

 情報公開・個人情報保護審査会 殿

審査請求人:陶久 敏郎 ㊞


「意見書」

★諮問番号:平成30年(行情)諮問396号

★事件名:北朝鮮への帰還事業に関してその事業の制度的内容が記載されている文書の一部開示決定に関する件

「私の意見」
1 3諮問庁の考え方、(1)北朝鮮への帰還事業について、にあるとおり北朝鮮への帰還事業は昭和59年(1984年)7月に終わっており、事業が終了してすでに今年で34年が経過していることになります。
 情報公開・個人情報保護審査会(以下、「審査会」という。)にお伺いしますが、事業が終了して34年にもなるこの帰還事業に関する対象文書の保存年限は何年でしょうか。対象文書の全てが永久保存文書なのか、一つ一つご確認願いたいと思います。
 対象文書の内容に応じて保存年限や重要度に差が出ることは当然かと思いますが、何でも不開示とする諮問庁の態度は納得できません。審査会では、対象文書について対象文書が全て不開示に該当するのか、一つ一つご確認願いたいと思います。


2(2)不開示情報該当性(法第5条第3号)について
厚生労働省は、不開示情報に関する判断基準(法第5条関係)を次のように規定しています。
4 「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」
 公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国等との信頼関係が損なわれるおそれ又は国際交渉上不利益を被るおそれがある情報については、一般の行政運営に関する情報とは異なり、その性質上、開示又は不開示の判断に高度の政策的判断を伴うこと、我が国の安全保障上又は対外関係上の将来予測としての専門的かつ技術的判断を要すること等の特殊性が認められる。
 この種の情報については、司法審査の場においては、裁判所は、本号に規定する情報に該当するかどうかについての行政機関の長の第一次的な判断を尊重し、その判断が合理性を持つ判断として許容される限度内のものであるか(「相当の理由」があるか)どうかを審理・判断することが適当と考えられることから、このような規定としたところである。
 本号の該当性の判断においては、行政機関の長は、「おそれ」を認定する前提となる事実を認定し、これを不開示情報の要件に当てはめ、これに該当すると認定(評価)することとなるが、このような認定を行うに当たっては、高度の政策的判断や将来予測としての専門的かつ技術的判断を伴う。裁判所では、行政機関の長の第一次的判断(認定)を尊重し、これが合理的な許容限度内であるか否かという観点から審理・判断されることになる。

(私の意見)
 同じ政府内なので、厚生労働省も法務省も法第5条第3号に関する判断基準は同じだと思います。この中で、「本号の該当性の判断においては、行政機関の長は、「おそれ」を認定する前提となる事実を認定し、これを不開示情報の要件に当てはめ、これに該当すると認定(評価)することとなる」とあり、行政機関の長は、「おそれ」を認定する前提となる事実を認定するとしています。
 法務大臣は、日朝国交正常化交渉の進展にまで影響を及ぼす恐れがあることを不開示の理由に掲げていますが、これは虚言であるといっても過言ではないでしょう。
 なぜなら、我が国政府の北朝鮮との関係に関する方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を実現していくというものですが、現状においてそれらの諸懸案の解決の目途は具体的に全く立っておらず、日朝国交正常化は政府の実現性の薄い願望でしかありません。
 このような現状のどこを見て、法務大臣は「おそれ」を認定(評価)する相当する事実を把握したのか、審査会を通じて確認したいものです。
 このように、何年先、何十年先に実現するかどうかも未確定な日朝国交正常化という希望的政策を盾にとって不開示とする法務省の処分は、何の根拠のない処分と判断するものです。
 この際、法第5条第3号における「おそれ」について、審査会の公式見解をお伺いしたいと思います。

3 対象文書は、特定秘密情報なのか?
 対象文書が、「特定秘密に関する法律」における「特定秘密として指定できる情報」に該当するのか、審査会において確認をお願いします。
特定秘密保護に関する法律では、特定秘密として指定できる情報として次の事項を掲げています。これからすると、対象文書は安全保障上の重要な文書でないこと、事業が終了して34年が経過していることなどから判断して、国民の知る権利を阻害してまで不開示とする文書ではないと思います。

第2号 - 外交に関する事項
イ.外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの
ロ.安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針
ハ.安全保障に関し収集した条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報その他の重要な情報
ニ.ハに掲げる情報の収集整理又はその能力
ホ.外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号

4  結論
 法務省は、北朝鮮との国交正常化交渉や信頼関係などを盾にとって不開示としていますが、現状においても、将来においても確実性のない政府の願望でしかありません。このような、事実としての実態がなく、根拠のない理由を掲げて国民の知る権利を阻害する法務省の今回の処分は、法第5条第3号を自分たち法務省のために乱用しているとしか思えませんので、当該処分の取り消しを求めます。