アンカツを応援するブログ

アンカツこと、安藤勝己騎手を応援するブログです。

菊花賞の回顧

2009-10-25 17:53:25 | 競馬
1着 スリーロールス
絶好のスタート。
じわっと出していく感じで進み、
外からアントニオバローズ、そしてリーチザクラウンが切れ込んできたが、
ここで引っ張っての待機を選択した。
これに失敗したら終わってしまうような動きだったが、
巧く収めたね。ここはとても良かった。
結果的に、アントニオバローズが前の壁、
ヤマニンウイスカーが外の壁になったことで、
不必要なスタミナを使わず、余計なことを考える余地もなく、
ロールスの力を溜め込むことに成功した感じだ。

リーチザクラウンの大逃げによって、
アントニオバローズを標的にする形でレースを進め、
途中から外のヤマニンウイスカーが上がっていったが、
引っかかってやってきたシェーンヴァルトが外の壁になった。
アントニオがばてたところではしっかりと目標を切り替えつつ、
4角までじっと我慢したのは偉かった。
外でガタガタ動いている馬が数頭いたことも重なって、
浜中は落ち着いて馬を信じていたことが分かる。

コーナーの立ち上がりで内を突いたのも大正解。
直線、一気にリーチザクラウンに並びかけたところで、
何かに驚いたように大きく外に寄れてしまったが、
内からフォゲッタブルが襲い掛かってきたところで立ち直り、
きっちりとねじ伏せての勝利となった。
言うまでも無いかもしれないが、着差以上に強い内容だった。
前走で直感的に感じたのが当たってて良かったが、
夏休みを経て、大化けしていた。

いわゆる伝説の新馬戦の4着馬。
あの時は3強ははるかに遠かったが、強くなったね。
まずは馬がお見事。
鞍上の浜中も、訪れた最高の展開を完璧に生かしきった。


2着 フォゲッタブル
この馬もスタミナ十分のダンスインザダーク産駒。
エアグルーヴの子供ということで常に過剰人気してきたが、
良血馬らしからぬ感じで休むことなくコンスタントに走り続け、
ジワジワと強くなっていたんだろうねえ。
春先にはまったく相手にしてもらえなかったアドマイヤメジャーを、
夏を越えての成長で飛び越えて行った感じだ。

好スタートからじわっと進む感じで中団のイン。
シェーンヴァルトの後ろで綺麗に折り合った。
1周目のバックストレッチの映像では、
この馬が一番気持ち良く走っているように見えた。
しばらくは内々を淡々と進み、
シェーンヴァルトが掛かってあがって行った後に
少し押し上げてスリーロールスの真後ろに。
先団のペースアップに乗っかってスムーズに4角を回って直線。
立ち上がりで外から来ていたセイウンワンダーと軽く接触し、
弾かれたように内に進路を伸ばして鋭伸。

コーナーの立ち上がりでスリーロールスに一度引き離されたが、
ラスト200でスリーが派手に寄れて停滞しているところ、
内に切れ込んで一気に交わしそうになったが、
ここからスリーのもうひと伸びにあって届かず。
最後は脚色が一緒になっていた。

3000mに渡ってほとんどロスの無い運びで、
最後に自滅しかかったスリーとは少し差があったようには思うが、
気性、センス、スタミナ、全てが長距離向きだった。
血に実力が追いついた感じだ。地力を感じた。
もっと強くなりそう。


3着 セイウンワンダー
これも良いスタートを切って静かに待機。
自然と中団に収まった。
内にフォゲッタブル、前にアンライバルド、外にポルカマズルカ、
上手く壁が出来て良い態勢になったのだが、
馬がそれを嫌がったのか、1周目は首を上げて折り合いを欠いた。
しかし囲まれているので馬としてはどうにもならず、
福永の指示に従ってようやく静かになった。

静かになってからは実に堂々としたもので、
少し慌しかった前の集団を見ながらじっくりと。
前にアンライバルドがいたのでそれを目標に進め、
4角ではフォゲッタブルと併走しながら良い感じで直線へ。
直線の入り口でフォゲッタブルと軽く接触し、
こちらは弾かれたように外へ。
暴走して失速したシェーンヴァルトの外を突いて鋭く伸び、
内から外へ進路を切り替えてきた上位2頭を追ったが、
ちょっと及ばずの3着入選となった。

最初にちょっと折り合いを欠いたのが痛かったが、
上手く宥められていたと思うし、
それ以降はスムーズに運べていた。
内の馬場が良かったことがこの馬にとっては不運だったか。
上位2頭とはそれほど差はなさそうだ。

調子ひと息だった弥生賞と、極悪馬場だったダービー以外は好走。
2歳王者がここまで頑張れるのは大したもの。
なんとなく中距離馬のイメージを持っていたが、
これについては訂正せざるを得ない。
持続力のある、マイル~クラシックディスタンスを走れる万能馬。
とりあえずはこんなところか。
この馬は、次走をどこにするかも注目だな。どこでも走りそうだ。


4着 イコピコ
馬を信じて乗られていたが、届かなかったな。

ちょっと遅めのスタートで、そのまま静かに待機を選択。
後方3番手からの競馬になった。
四位としては、位置にこだわりはなかっただろうね。
入れ込まず、気負わず、静かに入ることが出来て、
一安心といったところではなかったか。
リーチザクラウンが大逃げを打って、先団が少し幻惑されていたが、
イコピコと四位は揺らぐことなくじっと待機。
2000mを過ぎても動かず、
2400m過ぎあたりでようやく馬群の外目をうかがいだした。

ただ、全体の流れとしてはそれほど速くないことを感じたか、
コーナーを回るのに加速に重点を置かず、
距離を走らない方向のコーナーリングを選択した。
あわよくば内に行こうかという考えもちょっと見える。
ただ、内のほうは少しごちゃついていたし、
立ち上がりからはもう迷わずに真っ直ぐに突っ込んだ。
外に膨れるブレイクランアウトの内を突いて鋭伸。
追えば追うほどにグイグイと馬群を飲み込んでいったのだが、
上位3頭の末脚も鈍ることがなかったために、
詰め寄ったところでゴールが来てしまった。

ラスト2ハロンは12.2-12.2と落ちており、
このうち最後の12.2は上位3頭のものだから、
ここをもうひと伸び出来ていればなんとかなったのだが、
イコピコにそこまでの力はなかった。
差し馬の中で唯一やってきたことは予想通りだったが。
まあ、初めての3000mでのことだからな。
よく走ったんじゃないだろうか。
本当に強ければ勝っていた。まずまず力を出し切っていると思う。
これからもG1戦線で差し馬として頑張っていけるだろう。


5着 リーチザクラウン
発汗が凄かったね。

上々のスタートからゆっくりと入っていったのだが。
内の前にアントニオバローズを見ていたのに、
お前には行かせないとばかりに馬が勝手に出て行った。
そういう馬になってしまったので、豊も抑えることは無い。
スッと先頭に立つと、リラックスさせることに終始した。

リーチのリラックス状態はハイペースに近いもの。
1000mを1分を切るペースで走り始め、
これはさすがに3000mとしては速すぎる走り。
少し落とせという鞍上の指示に対して、
1000mを過ぎてからようやく納得したのだろう、
12秒半ばから13秒のラップになって、
2000mでは、3000mをなんとか乗り切れるだけの時計になった。
好きに走っていたので精神的に駄目になるようなことはなく、
直線の入り口でもまだ頑張れそうな気配だったが、
直線に入って早々に、引っかかったシェーンヴァルト、ヤマニンウイスカー、
そして満を持してスリーロールスがやってきた事が厳しかった。
並ばれたところでやる気をなくしたように止まってしまった。

この馬、並ばれるとやる気を失う面が強いな。
ラジオNIKKEIでも、ダービーでも、神戸新聞杯でも、
そして今日も、大した抵抗をせずに後退してしまった。
おそらく、自分としては好きなように走って納得しているのだろう。
誰かに勝ちたいとか、そういう意思は持ち合わせていない。
競馬を間違った感じに理解しているように思う。
持てる能力は間違いなく凄いんだけどね。

大袈裟に、大雑把に言わせて貰えば、逃げ馬であることが敗因。
アンカツもこの件に一枚噛んでるので心苦しいところだがw
まあこれは豊が乗れないのに千両賞を使った橋口さんが悪いから。
もう遅いんだろうけども、
どこかで先行馬か差し馬に戻せないものかねえ。
今の感じで行くと、宝塚か秋天しかチャンスがなさそうだ。

とにかく脚は速いんだが。身体能力の高さは間違いないんだが。


11着 アドマイヤメジャー 
地味に遅れたスタートから中団の後ろの外。
前走は遅れてからずっと内々を進んでいたのだが、
今日は内に入る余地がなく、ずっと外だった。

シェーンヴァルトやヤマニンウイスカーがかかった感じで、
前のほうがちょっとごちゃつくような感じになったんだけど、
それを見て早めに進出して6番手あたりで直線に入った。
まさに自力勝負に打って出たわけだが、
それを乗り切る力はなく、直線早々に脱落してしまった。

前走の敗戦を生かして強気に挑んでみたのだろうけど、
この競馬をやりきる力はないようで、
現状はセントライト記念のように乗るべきだろうね。
一つ、答えが見えて良かったと思う。
馬の状態についてもピークには見えなかったし、
経験は浅いし、まだまだ強くなる余地があるだろう。


15着 アンライバルド
スタートを決めて前の集団にいたのだが、
1周目のストレート前に躓くような格好。
そしていつも通りに入れ込み気味の追走になってしまった。

位置だけを見れば良いところにいたが、
本当にそれだけで、気持ちが競争に向いてない。
4コーナーまではなんとか格好を作っていたが、
それだけで直線はもう余力が残っていなかった。

実際のスタミナがどうこうというより、
気性が悪すぎて長距離は向かない感じ。
クラシックでも長すぎるんじゃないか。
中距離で前が引っ張ってくれるレースになれば、
(まさに皐月賞のような感じで)
すぐに巻き返すことがあるだろう。
JCよりも、マイルCSのほうがまだ面白い。


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (チャビー)
2009-10-25 18:18:24
まずはsankyoさん、有難うございます。
アンカツ不在で全く買う気も無かった菊花賞
でしたが、強く推してみえたスリーを1頭軸に
相手sankyoさんの4頭と、後は適当にフォゲ、
ヤマニン、アンライ、セイウンを加えた28点
で3連複を買いました。思いもよらない結果と
なりました。スリーは全然気にしてなかった
ので、ただ感謝感謝でありますV
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Unknown (虎次郎)
2009-10-25 18:30:04
スリーロールスお見事です。やっぱりダンスインザダークですね。セイウンワンダーは盲点でした(泣)
停止明けは、JBCがあって、ファンタジーSと武蔵野Sでしょうか?ファンタジーSはベストクルーズかな~と思ってるんですが?
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Unknown (カズ)
2009-10-25 19:15:01
sankyoさん
素晴らしい見解とレース回顧ありがとうございました。

目の付けどころが違うし、本当に素晴らしい。

他の予想関連のブログ
より、的確に伝えてくれてたと私は思いました。
今後もアンカツが乗るときでも、贔屓目なしで
今回みたいに見解など書いてくれたら有り難いんですが、アンカツ優先のブログですし仕方ないですよね(笑)

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Unknown (ヨシ)
2009-10-25 19:43:55
スリーロールス強かったですね。
ジャミールに完勝だった前走は、やはりダテではなかったですね。

リーチザクラウンは新馬戦の小牧さんの競馬を続けられていたら、
また違った結果になっていたかもしれませんね。
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Unknown (アンカツファン)
2009-10-25 21:41:50
お互い単複取れて良かったです。
フォゲッタブルは血統とセントライトから長距離強いと思って買い目にいれたんですよね。
実は小生、ロールスについては三着は外さないだろが頭までは半信半疑で複勝あつめ、馬連じゃなく三連単にしましが、流石にセイウンは買えませんでしたねぇw
セイウンがまさかこんなに強いとはびっくりでしたわ。
しかしこんな凄い新馬戦の時代をリアルタイムで見れて改めて競馬ファンで良かったと思いました。

牡馬クラシックの混線状況を見てブエナ、レッドの二頭については十分古馬混合に通用しそうな気がしますしこの世代はもっと盛り上げてくれそうですね。
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Unknown (fuuco)
2009-10-25 22:50:07
スリーロールス見事でしたね。
sankyoさんが触れていなければ、注目しませんでした。

セイウンワンダーはドリームジャーニーが復活した事で期待していました。
最近は2歳チャンピオンも長く頑張っているので、つい応援したくなります。
なかなか嬉しい結果でした。
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Unknown (たけやん)
2009-10-26 00:10:57
いつもわかりやすい解説ありがとうございます。
ところで、レベルの高い低いは、どこで判断されてるのですか?だとすれば、今年の菊花賞はレベルはどうですか?宜しくお願いしますm(__)m
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Unknown (3&4)
2009-10-26 08:45:23
PCを見れる環境になく、
今朝見たsankyoさんの「ジャミールで戦った前走の走り・・・菊はこれだと思わされた」との着眼は本当に素晴らしいです。
アンカツがいなくTV観戦のみでしたが、レース回顧はなるほどと、うなるばかりです。
これからも勉強させて頂きます。
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Unknown (西影)
2009-10-26 16:13:03
フリオーソ回避でマコトはかなり楽になりましたね。このメンバーなら頭まで期待したいです。
地方選出馬にグレイシーが選ばれててびっくりしました。勝ち負けは無理でしょうがJBCで走りが見れるだけで嬉しいです。
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Unknown (tappy)
2009-10-26 18:43:20
sankyoさん、お見事!!私はフォゲッタブルを買えませんでした・・・。痛恨。というかさすがの良血に脱帽。やっぱり競馬は奥が深い。来週の天皇賞の分析も楽しみにしています。今のところ自分はシンゲンに期待しています。
 JBCクラシックは、マコトスパルビエロに勝手に有利な流れが出てきてますが。もSHかしたら復帰早々GⅠ2連勝なんてこともあるかも。とはいえあと1週間待たなければならないのは、やはりつらいですね。
 今のところキンカメ産駒の勝利を楽しみにしています。
 
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