3行日記

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ターミネーター4

2009-06-22 09:28:36 | Weblog
観てきました。(原題 TERMINATER SALVATION)■ここから先ネタバレ注意■

 ターミネーターには長年の愛着と思い出が詰まっており、前作の3も期待せずにちゃんと観た。キャメロンの1と2をこよなく愛する自分としては、1と2で描いた人類の未来のために頑張る人間の努力を、全部無駄にして『審判の日』を起こしてしまう3には後味の悪い思いをした。あれは1と2の形を踏襲することだけを目指していて、未来からジョンを殺す者と守る者がやって来るという構造が哀れなほど陳腐に見えた。
 今回のターミネーター4はこれまでのエピソードは利用しながらも、ついにタイムマシンネタを卒業。ジョン・コナーが抵抗軍として闘う戦争映画となっている。馴染みの音楽も「ドドンドドンドンっ!」てあのリズムが名残りのようにちょっと使われるだけで、サラとカイルが交わった時のピアノヴァージョンが印象的だった不滅のメロディーは完全に封印された。

 長年のファンにはいろんな意味で決別を促された気がする。なんとなく、1984年に未来から来た父親とサラ・コナーとの間に生まれ、人類の独立と存続のために闘う救世主というキャラクターは、今やキャメロンの手を離れてアメコミヒーローのように独り立ちしてしまった。
 個人的にこのシリーズはサラの物語で、破壊と暴力の中でサラやジョンが未来から来たヒーローと信頼を深めていく所が魅力の一つだと思っているのだが、そこはこれまでにキャメロンが描いたのでそこに留まる必要はいのかもしれない。でもジョンの物語になった時点で、他のヒーロー物とあまり変わらなくなってしまったし、マシーンの戦いになるとトランスフォーマーなどが先にやってしまったので、この4で初めてターミネーターを見る人には出がらしのように映るかもしれない。
「世の中にインターネットはおろかコンピューターグラフィックも無かった時代に、人類と機械が戦う映画を送り出したパイオニアはマトリクスではなくターミネーターなんだよ」
と年寄りみたいに回顧するつもりはない。言いはしないがそういう思いもある。これだけ長い時間を忘れ去られることなく多くの人に愛され、原点だの言う段階を過ぎてしまったこのシリーズと、コナーと、ターミネーターのデザインがこの先どう育っていくのか見届けたい気がする。

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