晴天に恵まれた11月最後の土日にかけて、「水墨画のお稽古」の師匠、友人たちと一泊の清里スケッチ旅行に出かけた。スキー場のサンメドウズや清泉寮で休憩しながら気ままに車を走らせてスケッチブックを取り出して、夜は「羽村自然休暇村」のコテージに宿泊、というルートは今年の5月の時と一緒だけれど、今回の主目的の一つは「吐竜(どりゅう)の滝」だ。
個人的には滝はおろか水の流れ、背景の景色など、いやになるくらい苦手なのだけれど、滝のある風景はたいがい途中の道筋が面白いし、ぼーっと水音を聞きながら休んでいるだけでも楽しい。にしても紅葉も終わったこの季節でもハイカーが多く、小型イーゼルまで用意して熱心にスケッチする旅人が何人もいた。
竜が水を吐くように清水が岩の上を流れ落ちているから「吐竜の滝」と命名されたというけれど、枝分かれした流れが竜のひげのようにも見える。滝の幅はおよそ15メートル、落差は10メートル。真冬には凍りつく。わりあいにこぶりの流れだが、遊歩道が整備されているし駐車場もあるから便利がいいし、子どもづれの家族が何組も携帯のデジカメで記念写真を撮るスポットなのだ。
滝のすぐ近く、木々のさらに頭上には小海線の鉄橋が架かり、2輌編成の電車が時おりごとごと走る。紅葉の名所、八ヶ岳高原ラインの東沢大橋から川俣川渓谷を歩くトレッキングコース途中の名所でもある。散策マップには、乙女の滝や行者の滝と名づけられた小さな滝も掲載されている。ジャージョー種のソフトクリームで知られる清泉寮の裏に続くルートもあるらしい。
9時前から昼ごろまで、いつになく集中してスケッチしたものの、日陰は冷え込むし、えーと観客にも後ろから覗き込まれるしで、満足できるスケッチではなかったけれど、もう少し描きこむと下絵に使えるかもしれない、かも、というゆるい手ごたえを感じた。
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