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老舗の条件~ロバート・モンダヴィ(Robert Mondavi)氏 逝去

2008-05-19 10:23:25 | 酒の情報(酒エトセトラ)
「千年、働いてきました-老舗企業大国ニッポン」という本があります。

何でも、日本には世界でも例を見ない、創業100年以上の老舗が10万社以上あると推定されており、その営みを知ることで、永続的な繁盛のビジネスモデルが見えてくるということ。

そして、その必要条件として、
・同族企業でありながらも外部の優秀な人材の登用を排除しない
・時代の変化に対応して事業内容は変化させてきた
・創業以来のコア家業は譲らない
・分をわきまえ好景気でも投機をしない

等が挙げられています。



さて、週末の日経新聞に写真入りの死亡記事が掲載されました。


ロバート・モンダヴィ(Robert Mondavi)氏。見出し「加州ワインの第一人者」にあるように、ナパ・ヴァレー(Napa Valley)をはじめとするカリフォルニア・ワインの名声を確立した偉大な醸造家です。

記事ではバロン・フィリップ・ロートシルトとの共同経営の「オーパス・ワン」が例示されていましたが、これも含め、モンダヴィ氏の生い立ちや成功に至るまでの軌跡などについては、メルシャン・ワインのサイトに詳しく記されています(下の写真もそのサイトから拝借)。



この記載の中の「ワインは食事と芸術を祝福し、ワインは素晴らしき人生の一部である」という哲学の下、ワイナリーでジャズやクラシック音楽のコンサートを開催されていることなどは、志も規模も比較にならないほど小さいんですが、弊社共催のボージョレ&日本酒のロビーコンサートと相通ずるものを感じます。

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さて、このモンダヴィ、名前を聞いてちょっと心が痛くなることも。
と、いうのも、名声と興隆の結果として1993年に株式市場に上場したまでは良かったのですが、そもそも長期的なヴィジョンとそれに伴う(ブドウ作り、土壌づくりといった)投資が必要なワイン造りと株式上場が相容れなかったのでしょうか、経営面では厳しい状況に陥り、先年、ついに売却を余儀なくされてしまったのです。

ワインと経済・マーケットとの関係、どうあるべきなのか、冒頭に掲げた老舗として永続するための必要条件、というのを改めて考える必要があるのでしょうか。

そこで思い出したのは、以前公開予告は聞いたものの見逃していた映画「モンドヴィーノ(Mondovino)」
テクノロジーで世界的な展開を図るモンダヴィや、コンサルタントのミッシェル・ロランなどのワイン・ビジネスの大立者から、無名のワイン農家まで、ワインに関する様々な人々へのインタビューの形でのドキュメント映画です。


見逃したまま忘れていたのですが、DVDにもなっているようなので、手に入れることにしましょう。あるいは、地元のギンレイホールさんでかからないかなぁ?


いろいろなことがあったにせよ、モンダヴィ氏の成し遂げたことはワインにとって素晴らしいことです。
改めてご冥福をお祈りいたします。

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