Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 147(芙蓉手鳥文五寸皿)

2021-08-23 20:58:08 | 古伊万里
 ウチの古伊万里は在庫僅少でありまして、もはやショボい品しか残っていませんが、とりあえず記録として残すべく全品紹介したいと思います。

さて、古伊万里の世界は奥が深く、専門書や図録、あるいは美術館で勉強、さらに自分で購入しても、判らないことばかりです
それでも判らないなりに身銭を切って購入、結果はハズレというのも、ある意味では骨董の醍醐味なのかも知れません。
「芙蓉手鳥文五寸皿」

一見すると初期に近い品のような印象を受ける小皿で、あまり芳しくない染付の発色と相まって、妙に古格のある品に見えます
絵付け自体もそれとなく初期に近いように感じられます
さらに困ったことには高台の一部には砂が付着しており、落款は角福です。
おおっ!、これは初期に近い古い品では、と思い込んだのは十数年前のワタシであることは言うまでもありません。

さてこの品はどんな素性の品なんでありましょうか?
購入してから何年か経ち、骨董市等で現物の古伊万里を見るようになったから思ったのは
これは中期末あたりの波佐見系の品で、「くらわんか」であろうという点です
発色、絵付け、土の感じ、砂の付いた高台、多くの点で「くらわんか」の特長が感じられます。
今なら早い段階でこういった結論にたどり着けたと思いますが、何せ当時はまだまだ初心者
しかも、初期の本物は手にしたことがなく、「くらわんか」は故意に嫌っていましたので、まともな判断が出来ようはずもありません。
骨董に思い込みと偏見は、大きな障害になるのは確かのようです。