Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 145(染付大根の鼠図六寸皿)

2021-08-15 21:04:43 | 古伊万里
このシリーズも150回近くなったこともあって、最近はショボい品のオンパレードですが、残りは僅かですので、もうすぐ終了です

さて、伊万里では野菜の文様が初期伊万里の頃から登場しますが、蕪、大根、茄子あたりがメジャーなところでしょうか
今回紹介する品は、比較的多くみられる大根文の品で、時代的には江戸後期と思われる六寸皿です。
「染付大根の鼠図六寸皿」
いわゆる「大黒鼠」の図柄の品で、幕末近くの品だと鼠が大きく描かれている品もありますが、この品では鼠はえらく小さく描かれています
中期にも同じデザインの品が登場しますが、大きな違いは、中期の品は大根の部分が陽刻になっている点で
そういった点でも、この品が後期の伊万里であることが判ります。
葉の部分はなかなか手慣れた筆致で絵付けされていますね
裏面の唐草からも十九世紀の伊万里(昔は幕末の雑器として扱われていた)であることが判ります。

さて、この絵柄なんですが、なぜ大黒天が描かれていないのに「大黒ねずみ」かと言えば、「大黒ねずみ」を「大根食うねずみ」として描いているようで
いつ頃からこの絵柄が登場するのかは知りませんが、実に頓智の効いた絵柄であることは確かです。


回想の古伊万里 144(藍九谷如意頭形変形皿)

2021-08-10 22:58:48 | 古伊万里
 お皿と言えば、一般的には丸皿が多いのは確かですが、250年を越える江戸期の伊万里の中で、最も魅力的な変形皿が多いのは
間違いなく古九谷様式であり、特に色絵古九谷の変形皿は極めて人気が(値段も)高いのは確かだと思います。
ワタシも古九谷様式の変形皿は大好きなんですが、なにせ色絵は高くで手が出ないこともあり、ウチにあるのは染付の品ばかりです。
今回取り上げるのは、そんな藍九谷の変形皿です
「藍九谷如意頭形変形皿」
薄濃みの美しい横15cmほどの変形皿で、この形はどうやら如意頭をモチーフとしているようです
「如意頭」とは何じゃらホイ、という訳でネットで調べたところ
仏教用具のひとつで、読経・説法の時の講師の僧や灌頂(かんじょう・法を受ける儀式)の時の大阿闍梨(だいあじゃり)などがたずさえる具、が如意だそうで
その柄の先端についているのが「如意頭」だそうです。
形はともかく、この品の見どころは、見込み周囲の墨弾きで輪郭を描き、その中を少し濃いめの染付で塗った蛸唐草の元祖のような文様で
発色の良さも手伝ってなかなかの美しさではあります。
この手の手法を使った品は延宝期以降も存在しますので、時代としてはどんなものかという部分もありますが
裏面を見ると、この品が寛文期あたりの品であることが判ります
このタイプの裏文様は寛文期に多く、延宝初期の品にも見られるようですが
広く見れば江戸前期、もっと狭めると寛文~延宝期の変形皿といったところでしょうか。
縁文様に比べて見込み部分の文様がわりと凡庸なのは、ちと残念な点ではあります



藤井ひまわり畑へ行く

2021-08-06 20:01:01 | 散歩
酒田は今日も最高気温が35度ということで、連日猛暑が続いています。
こんな時は高い山へでも行かないと涼しくなりませんが、そういう訳にもいきませんので
お隣の遊佐町、白井新田にある「藤井ひまわり畑」へ行ってきました。
見頃がお盆の頃ということで、まだ二~三分咲きといった感じですが、雰囲気は十分に感じられるようです
地平線の向こうは日本海で、天気が良ければ飛島がみえることもあるようで
夕陽のスポットとしても良い場所です
このひまわりは藤井地区で町おこしのために植えるようになったもので、近年は特に有名になりました
このあたりは鳥海山の麓に位置しています
ここの畑に植えてあるヒマワリは二万本以上とのことです
この白井新田という地区は、庄内藩の郡代であった白井矢太夫の「学田」構想をもとに、藩校である致道館の学田として開発されたようです。
ワタシの場合、ヒマワリで思い出すのは、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主演した映画「ひまわり」だったりします。


回想の古伊万里 143(染錦牡丹唐獅子文七寸皿)

2021-08-04 23:27:43 | 古伊万里
 骨董関連の書籍を読むと、昔は元禄までが古伊万里で、古九谷や柿右衛門は伊万里とは別扱いだった、という記述を目にします。
元禄以降の品は「幕末の雑器」とひとくくりになっていたかどうかは知りませんが
そういった点では今回の品は、以前は「幕末の雑器」扱いだった可能性はありそうです。
「染錦牡丹唐獅子文七寸皿」
宝暦~中期末あたりによく見られる、染錦手で大きく牡丹が描かれた品です
牡丹の輪郭を金彩で描いているあたりに、この時代の特長が見られるように感じます。
唐獅子文は金彩で描かれており、赤と金の水玉模様というのが面白い点でしょうか
整形は縁の立ったちょっとだけ手のかかったものになっており、金縁となっています
裏面は典型的は中期古伊万里で、落款も一般的な大明成化年製、唐草はそこそこ丁寧に描かれています。
この手のお皿も以前はそれなりの値段がしたんですが、最近では数千円で買えるケースもあり
中期古伊万里に出世したのに、「幕末の雑器」に戻ってしまったような状況です。
最期に参考のために、盛期の可愛い唐獅子文を紹介します
この唐獅子君は横サイズ3cmほどで絵付けされており、盛期の技術力の高さを感じさせるものです。

月山あさひ博物村へ行く

2021-08-01 20:06:54 | 散歩
「月山あさひ博物村」というのは国道112号線沿いにある道の駅なんですが、以前はここに「アマゾン自然館」という施設があり
鶴岡市在住の個人の方が収集されたアマゾン関連の資料(標品やら民具やらいろいろ)が展示されておりました。(昔、3回ほど行きました)
その後、このアマゾン自然館が閉館し、道の駅に改装されたようです。
現在はこんな感じになっています。
20数年ぶりで行ってみたんですが、平地は晴れているのに途中からどしゃ降りの雨になり、写真を数枚撮って退散となりました
まずは梵字川に架かっている「ふれあい橋」です
向こう側にトンネルのようなものが見えますが、これは旧国道のトンネルで
使用されなくなったトンネルを利用してワイン貯蔵庫として使っています

ふれあい橋の下流側ですが、やはり山なのでガスがかかっています
こちらは上流側です
この後、一度止んでいた雨がまた降りだしたために、せっかく一時間近くかけてきたのに退散することとあいなりました
ちなみに、ここから車で数分で、即身仏が安置されている「大日坊」と「注連寺」へ行けます。