Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 56(陽刻鶴丸文六寸皿)

2020-04-19 21:22:11 | 古伊万里
古伊万里を収集する上で最大の壁は何か?、言うまでもなく経済的な困難だと思います。
近年は随分と安くなったとはいえ、色絵古九谷や藍柿右衛門の優品などはサラリーマンには
極めてハードルが高いと言えます。(傷物という逃げ道はあるものの・・・)

中期までの品に比べると、後期(19世紀以降)の品は手ごろな値段で買える品が多く
まとまった数で売られていることが多いように感じます。いわゆる、「生活骨董」というジャンルになりますが
やはり盛期の品のような魅力を持つ品は滅多にない、この点は確かです。
しかし、経済的に厳しい状況だと、後期の品でもそれなりに魅力があれば買ってしまいます。
今回の品はそんな事情の中で購入した品です。

「陽刻染付鶴丸文六寸皿」

時代的には恐らく文化文政期あたりの品で、鶴丸文を陽刻で表現し、隙間の部分には雲とゴチャコチャした文様が描かれています
白磁陽刻になっている部分を見れば、鶴丸文であることが判りますが、染付の部分を見ると何だかさっぱり判らないという
「だまし絵」みたいな品でもあります。

この品は、今は閉店してしまった東京青山の一流店で購入したものですが、思えば予算内で買える品がこれしかなかった
というのが購入理由だったように思います。

落款は後期を代表する「乾」で、裏文様はこの時代に品に良く見られる、やたらと細かく書いた唐草繋ぎになっています。

とりたてて語るべき部分の少ない後期の品ですが、ウチの品で唯一の青山骨董通りの店で購入した品ということで紹介した次第です。