Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 49(染付蜘蛛の巣文五寸皿)

2020-03-06 21:50:17 | 古伊万里
江戸前期、寛文あたりの古伊万里には面白いデザインの品が多く、個人的に一番好きな時代なんですが
今回紹介する品もデザイン的には見るべきものがあるように思います。

「染付蜘蛛の巣文五寸皿」

放射状に八つの区画に分割し、そのうちの5つには桜花文を描き、さらに極めて狭い間隔で蜘蛛の巣のような線を
多数描いています。そして縁の部分には唐草文の原型のような連続文様が描かれています。
この品を扱っていた業者さんは「風車文」としていましたが、やはりこれは蜘蛛の巣文だと思われます。

↓は見込み中央部分の蜘蛛の巣状の圏線の拡大ですが、この部分は3.5cmほどしかないんですが
ざっと数えたころ27~8本の圏線が引いてありました。

正直なところワタシには絶対に描けません。(老眼ですし・・・)
あらためて江戸期の陶工の技量、根気強さに驚かされる品ではあります。


裏面は寛文~延宝期に見られるタイプの図柄です、この画像では判りにくいですが
この時代の特徴でもある薄く切り立った高台をしています。
この「手の切れるような」と表現される高台には、他の時代の品にはない魅力があるように思います。