暫くぶりで個性的な伊万里を入手できました
と言っても、ベテランのコレクターさんが見たら、「さして珍しくない」とか言うかもしれませんので、あくまでも私見です。
そんな訳で小出しにして紹介します。
まずは表の一部分です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/ae/3d0be303228402ae9bb36427233a19df.jpg)
染付けの濃みの中に緑と黄そして一部に赤が見えますが、完全に時代は特定できません
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/71/306408f45d36e7fd87247aadbed9bbe6.jpg)
裏面を見ると薄く鋭い高台から寛文期の品であることが判りますが、この裏文様はあまり見かけません
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/76/2e1bbde9543276e7cbd13c9bdf0e44ee.jpg)
表の一部分ですが、寛文期の藍九谷によく見られる梵字のような文様が丸抜きされた中に絵付けされています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/54/927e27fd401142516b3270a585bf1ac3.jpg)
全体を見ると藍九谷の中に色絵を加飾したような品であることがわかります
「色絵古九谷五寸皿」と呼んでさしつかえないとは思いますが、あまり見かけないタイプの品なのは確かです。
このところ特に欲しいと思った伊万里がないという状況が続いていましたが
この品については、目にした瞬間に「これは絶対に入手せねば」と思った品でした。(滅多にありません)
で、この品ですが、↓のような箱に入っていました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/02/40859f1b872911033f9dcd4b678b12b7.jpg)
「古九谷色絵茶碗」とありますので、恐らくは別の品の入っていた箱を流用したことが伺えます
箱の中は↓のような布が入っていました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/8b/e90b2d711ebe1d7c3c007c0652963d40.jpg)
残念ながら完品ではなく甘手ですが、魅力は損なわれていないように思われます。
古九谷で出品されていたと思いますが、あまりにも色が鮮やかなのでしり込みしました。結果として、酒田の人さんと競り合わなくて良かったです。同士討ちになってしまいますから(^^;
表を見た段階では半信半疑だったのですが、裏面を見て、これは逸品だと確信しました。
色のついた初期文字紋なんて、外にはあり得ないでしょう。
とにかく、おさまるべき所へおさまって良かったです(^.^)
確かに、寛文期の藍九谷で、梵字のような文様が丸抜きで描かれているものはよく図録等で見かけますが、それに色絵まで付加されているのは珍しいですよね(^_^)
酒田の人さんも、だんだんと、図録等に登場してくる一般的なものには飽き足らなくなってきたようですね(^_^)
裏面の赤が鮮やかなものですから、一瞬、「後絵」を疑いましたが、表面の文様は、当初から色絵を付加することを予定して描かれていますものね。
裏面だけ「後絵」ということはないですから、後絵ではないと思うようになりました。
保存状態が良かったのですね(^_^)
箱は合わせ箱でしょうけれど、随分と頑張って、これに使えそうな古い箱を探してきましたね。
この箱は、本来の「古九谷色絵茶碗」を入れる箱に転用出来ますね。
珍しいタイプの品なので、画像だけで判断するのは難しい面もありますが
とりあえず、「これ以上は出せない」という金額で入札しておいたら
なぜか落札されたので、やや拍子抜けといった感じです。
裏面の画像を見るとしっかりした時代があるのは判りますが
正直なところ「???」という部分を抱えているのは確かでしょうか。
ワタシの場合は、画像を拡大した状態で見える甘手の貫入が最終的な判断基準でした。
疑問を感じる部分よりも「間違いない品だろう」という部分が多かったので入札した次第です。
表面をよく見ると、色絵部分の輪郭線が染付で線描されており
この輪郭線の外側を染付の濃みで塗りつぶして焼成し
その後に色絵部分を加飾しているようです。
色絵がそれほど厚塗りではないので、古九谷様式の末期の作品なんでありましょうか。
実はこれと似たような品を骨董雑誌の広告(小さな蕾)で見たような記憶があるんですが
今のところ発見できていません。