サイババが帰って来るよ

Count down to the Golden age

クリシュナ物語(38)

2016-08-09 00:00:33 | 日記

ポニョ:クリシュナの交渉術って、めちゃストレートやぜよ。全然言葉に何かを吹くましたり、ある事を言う事によって、実は違う事を言ったりするような、あんたもみたいな会話をしなぜよ。おいらにぴったりな会話やから好きやな。

ヨシオ:間接的にものを言っても分からん相手なんやろな。神の化身ってなんでも間接的に話されるけれど、人によっては直接顔を見ながらズバズバと言わなければいけない場合もあるんやろな。特にポニョのような人には。

ポニョ:その方が楽やぜよ。話す方も聞く方も。でも、おいらも結構ストレートに話しをするけれど、クリシュナのような極端な例を出した事は無いぜよ。交渉相手に、君の息子達は尿と糞便と同じやから取り除こうなんて死んでも言えないぜよ。

ヨシオ:それって俺も本当に驚いたな。そこまで言うか?って感じやな。

ポニョ:特に日本人はなんでも直接自分が思っている事を話せば、足元を見られるなんて言って、なかなか本音を話さないし、言いたい事があっても言葉を濁らしたりするやろ。特に京都の人はすごいよな。おいらは全然話についていけないぜよ。頭が賢すぎるんかどうか分からんけれど、めちゃ間接的な話し方やぜよ。例えば友達の家に遊びに行って少し長居し過ぎたかなと思っていると、晩御飯食べていかれますかなんて聞かれるから、はいなんて答えるとえらい目に遭うぜよ。だって、晩御飯を食べていかれますかという意味は、京都では、「早よ帰れ、遅くまで長居し過ぎじゃ」という意味なんやって、後で聞いたんや。

ヨシオ:みんながみんなそんな会話をしないけれど、直接言うと、感情を傷つけるからそういう言い方になってしまうんやろな。俺の嫁さんも京都出身やけれど、そんな言い方をするのを聞いた事が無いけどな。人や家庭によるんやろな。

ポニョ:でも、クリシュナが、人様の息子さんを糞尿に例えるってちょっとひどいぜよ。誰でも親やったら頭に来るぜよ。現に盲目のお父さんは目が真っ赤になる程腹が立ったなんて言ってたよな。

ヨシオ:俺が面白いと思った事は、クリシュナが交渉は決裂するって知っていたのに、わざわざ交渉しに行ったという点やな。俺たちが生きている世界ですこういう事ってよくあるやろ。例えば努力しても報われないと分かっていても、自分の義務を果たすために何かしなければいけない事や、話しておかねばいけない事があるやろ。ババが、以前インタビュールームで、君たちのうちの一人の奥さんが狙われているよ。ある人が奥さんに横恋慕しているから、家に帰っても奥さんは夜逃げしていないよ。と言われたんや。それで、その人が家に帰ると奥さんは駆け落ちして家はもぬけの殻やったんや。それで俺の家に泣きついて来たので、俺はその人に泣き寝入りする必要なんて無い。このまま俺の家から奥さんを盗んだ男の家まで行って、しっかりとそしてはっきりと、こう言いなさい。「私の奥さんをどこに逃がしたか知らないが、私に返しなさい。私は家内と膝を交えて話す事がある。君がした行為はダルマじゃない。ババの教えから背く行為だ。そういう行為をすれば君は将来大きな災いを招くであろう。」と言って送り出したんや。そしてそういう事を言い終わると、また戻って来たので、俺は「良くやった。君はそれで君の義務を果たしたんだから、後は奥さんとその男の問題や。これでこの事は君の手から離れたんや。良かったな。後はババ様に全てを委ねなさい。彼が全てを上手く取り計らって下さるから。」と言って家に帰ってもらったんや。このように、結果が見えていて、無駄足だと分かっていても、クリシュナのように自分のやらなければならない義務はしなければいけないんや。
というわけで、今日は和平交渉が決裂してクリシュナが帰って来たお話です。

アルジュナは、パーンダヴァ兄弟の中で最も偉大な人と見なされていました。なぜなら、アルジュナは純粋な心の持ち主であったからです。アルジュナは決しては罪のない人を傷付けることがありませんでした。また、正当な理由なしには誰にも武器を使うことはありませんでした。戦いが始まる前、アルジュナはクリシュナに、和平の使命を担ってカウラヴァ家を訪問してほしいと頼みました。クリシュナが、「誰のところへ行ったらいいだろうか?」と尋ねると、アルジュナは「おお! クリシュナ、あなたはすべてをご存知のお方です。私があなたに指図することなどできましょうか。どうか戦いを避けるためにあらゆる努力をしてください」と言いました。するとクリシュナは、「盲目の王ドリタラーシュトラに話をしたところで無駄だろう。息子に対する王の執着が、王を現実に対して盲目にしてしまった。王は息子の言うことは聞くが私の言うことは聞かないだろう」と言いました。しかしながら、クリシュナは特使としてカウラヴァ家へ行きました。ところが、クリシュナが予告したように、和平への任務は失敗に終わりました。戦いは避けられないものとなりました。

クリシュナは戻ってきてアルジュナに言いました。「努力はすべて無駄に終わった。戦いの準備をするように」。アルジュナは、多くの罪のない人たちがこの戦いで殺されることを心配している、と口にしました。すると、クリシュナは「アルジュナよ! 戦場に来る者たちは、どのような結末にでも直面する覚悟が完全にできている。ただ見物するためだけに戦場に来るような者は誰もいない。皆、命のやりとりをする覚悟ができている。だから、戦いで罪のないものが殺されるという心配は無用だ。さあ、戦う準備をせよ」と言いました。アルジュナはこの知らせを兄のダルマラージャに伝えたいと思いました。そこで、二人でダルマラージャのところへ行きました。ダルマラージャは初めからから戦いには反対でした。しかし、受け入れるしか選択肢はありませんでした。同じ知らせがナクラとサハデーヴァにも伝えられました。二人は、若いながらも、とても高潔でした。二人にはアルジュナやダルマラージャすら凌ぐ高い徳が備わっていました。二人がクリシュナを見たときの喜びは測り知れないものでした。カウラヴァ兄弟の邪悪な本質を充分に知っていたので、二人には戦う覚悟ができていました。クリシュナの和平の任務の結果については気にしませんでした。二人はいつもクリシュナが無事に帰ってくることだけを祈っていました。二人のクリシュナへの愛はそれほどのものでした。

ついにアルジュナは言いました。「クリシュナ、毒から甘露を取り出すことが可能でしょうか? 邪悪なカウラヴァ兄弟に良い勧告をしたところで何の役に立つでしょう? それは火の中にジャスミンの花を放り込むようなものです。和平への話し合いはやめて戦う準備をしましょう」。

実際に戦場に到着し、おびただしい数のカウラヴァの軍勢を見た時、アルジュナは意気消沈してしまいました。アルジュナは戦場で多くの無実の人々が殺されることを気にかけました。そして、自分が多くの家族に悲しみをもたらす元凶になるのではないかと憂鬱になりました。「クリシュナ、私は親類縁者がこの戦場で殺される光景に耐えられません。そのことを思うと、私の頭はくらくらします。時を無駄にせずに直ちに引き返しましょう」とアルジュナは言いました。クリシュナは怒ったふりをして言いました。「アルジュナよ、私をけしかけ、私を戦場に連れてきたのはおまえだ。どうして今になって意気地なしのように振る舞うのだ? 恥を知れ!」ここで、クリシュナはアルジュナに「バガヴァッド・ギーター」の教えを授けたのです。その教えは戦場で戦うのに必要な力をアルジュナに与えました。しかしながら、ビーシュマと対面した時、アルジュナはビーシュマの力に反撃することができませんでした。アルジュナに勇気を注ぎ込むために、クリシュナはさっと馬車から飛び降りると、「アルジュナ、私がビーシュマを殺しておまえを護まもろう」と言いました。アルジュナは「クリシュナ、あなたはこの戦争では戦わないとの誓いを立てられました。私のために誓いを破らないでください」と言いました。クリシュナがビーシュマに近づいていくと、ビーシュマは手を合わせて祈り、「私を殺しに来たお方が、私を救済してくれる唯一のお方です」と言いました。ビーシュマの信愛はそれほどのものでした。

https://m.youtube.com/watch?v=Dn6Xm2etqWc

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