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磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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記憶の中のファシズム-「火の十字団」とフランス現代史-

2009年10月27日 | 読書日記など
『記憶の中のファシズム-「火の十字団」とフランス現代史- 講談社選書メチエ409』
   剣持久木・著/講談社2008年

著者は上智大大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得退学。

この本はボクには理解できない本でした。



「ファシズムとは何か」 下「」引用。

「-略-つまり、ファシズム、ファシストという言葉は、政治的敵対者を非難するための最高の呼称、悪、悪者の同義語として使われているのである。」

こんな定義が通るのか?
自国アメリカをファシズムとするアメリカの学者たちが正しいとボクは思う。
--「自由、平等、博愛」という民主主義の理念に反する「抑圧、不平等、冷血」というのがファシズムの定義でよいとボクは考える……。理念もまた道具なのだから、わかりやすい方がいいと、このケースでは思える……。

「フランスファシズム論争」 下「」引用。

「「フランスに対する免疫」という定説と「ファシズムの脅威」の存在と間の矛盾は、一九八○年代以降、学界の論争という形で吹き出すことになる。論争の主役はイスラエルのゼーヴ・ステルネルである。一九世紀末のフランスの思想状況の研究から出発したステルネルは、ブーランジェ事件やドレフェス事件で登場した排他的ナショナリズムをプレファシズムと呼んで、ファシズムの起源がほかならぬフランスにあると主張したのである。-略-」

火の十字団」は現在、合法政党「フランス社会党」に衣替えした。社会党といっても、左翼ではないという?……。

ラロックは反革命派? 下「」引用。

「-略-つまり、名前からして貴族のフランソワ・ド・ラロックは、反革命派の流れをくんでいると決めつけている。もちろん、これは何の根拠もない当て擦りであったが、反革命の子孫を自任する側からすれば、格好の反革命派のシンボルだったのである。-略-」

ミッテランも「火の十字団」……。下「」引用。

「そしてミッテランに関しても、一九九四年のピエール・ペアンによる暴露的伝記とその後のテレビ・インタビューで、一つの「誤解」が生じている。ミッテラン自身、火の十字団と国民義勇軍に参加していたことを認めたのだが、彼もまたトゥーヴィエと同じくラロックが物足りなく、より過激な団体に移行した一人であった。ペアンの伝記の挿入写真にの外国人排斥デモに参加する青年ミッテランが写っているが、これが火の十字団系の団体と誤解されたのである。しかしながら、ラロックは、そのような外国人排斥や反ユダヤのような排他的スローガンを掲げたことはなく、ミッテランが参加したデモは、火の十字団脱退後に彼が属していた別の右翼的学生運動だったのである。」

フランス共産党の運動……。下「」引用。

「フランス共産党は、ありとあらゆるラロック=ファシズムイメージをつくりだした。-略-そして、そのきわめつきは、序章で紹介した映画『人生はわれらのもの』である。巨匠ジャン・ルノワールが、一九三六年総選挙に向けて共産党の注文で制作した宣伝映画は、人民の敵としてのラロックを、ヒトラー、ムッソリーニと並んで描き、現在に至るラロック・ファシズム表象の集大成となった。」

スローガン。下「」引用。

「その後のヴィシー体制の性格規定ともいうべき標語「労働、家族、祖国」が登場し、以後ヴィシーの代名詞ととして集合的記憶に刻まれることになる。
 ところが、この標語の出典は、すでに見たように、一九三四年以来の火の十字団そしてフランス社会党が掲げてきた言葉である。そこから、少なくとも初期ヴィシーに関しては、ラロックの思想が生みの親であるという「神話」が生まれることになる。」

民主主義の「自由、平等、博愛」に対抗したつもりの理念ですらないスローガン。これをラロック側にことわってないというが、ことわる必要があるのだろうか?

ラロックが民主主義に反する人間かもしれないとは思えるが……。
「労働」も奴隷労働(強制労働)なら、民主主義ではないだろう……。
 
「ヴァランの亡命」 下「」引用。

「ラロックは終始フランス国内にとどまることを選択したが、PSFメンバーの中には、ドゴールに合流する。つまりロンドンに渡るという選択をしたものも少なくなかった。その中でもっとも重要な人物がシャルル・ヴァランである。ヴァランは、党の副総裁をつとめており、ヴィシー体制でもそれなりの要職についている。-略-」

ド・ゴール。下「」引用。

「かくして一九六一年四月、ドゴールは閣議の了解をとりつけて、退役軍人担当大臣レイモン・トリーブレに命じている。「われわれは、愛国者であったラロック中佐に不当な扱いをしてきた。名誉回復を考えなければならない」。-略-」

ドゴール政権といえば、アルジェリア戦争で大量虐殺をしたのではないか?
これは、民主主義ではないとボクは思える……。
ナチとどこも変わらないというのが正しいとボクは思うが……。ファシズムと戦ったら、ファシズムではないという論理は異常である。

また、ドゴールは核兵器保有論者で、フランスを原子力立国にした愚者ではないのか?

--ラロックは反ユダヤ主義ではなかったという。
反ユダヤ主義でなければ、ファシズムではないというのか?
ユダヤ人国家は、ファシズムから除外されるということなのか?








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