磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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自衛隊の国際貢献は憲法九条で-国連平和維持軍を統括した男の結論-

2010年05月22日 | 読書日記など
『自衛隊の国際貢献は憲法九条で-国連平和維持軍を統括した男の結論-』
   伊勢崎賢治・著/かもがわ出版2008年

武装解除させてきた著者が、体験からかく、憲法九条の大切さ。
--イデオロギー論者ではないようですよ……。



(表紙写真)について。下「」引用。

「シエラレオネで自分の携帯していた自動小銃をハンマーで壊す少年兵。少年兵だけで構成されるゲリラ小隊を率いてきた隊長でもある。国連が行う武装解除の最後の儀式であるが、多くの少年が、この作業の過程で涙を流す。」

帯に書かれてあります。下「」引用。

「護憲の本なのに「改憲」「加憲」の政党の方からも推薦
11万人の武装勢力を説得し、武器を取りあげた。その体験を通して、国際貢献には憲法9条が不可欠だと感じた。」

自らの教義のための大学……。下「」引用。

「僕が大学という職場で目の当たりにしたのは、自分の教義のために、人命にかかわる現実に目を閉ざす人たちであった。二一世紀にもなって、学問の自由が確立しているはずの大学で、自分の教養のために、どんな理由であれ自衛官を大学に入れてはならないといのだ。-略-
 こういう人たちにわかってもらうには、本当の紛争の現場に連れて行って、現実を直視させる以外にない。だが、現場に連れて行けるほど、その人たちには、もう若さも元気もない。-略-」

九条が外交戦略になるという。下「」引用。

「九条は一つの外交戦略になりうる。僕という一人の人間の経験だけれども、それを現場で証明したつもりだ。-略-」

九条を変えてはならない。

パラミリタリー……。下「」引用。

「軍出身者でのし上がった大統領が、政権の座に就いた時に一番に恐れるのは、彼らがいた軍である。なぜなら、また誰か別の軍人がクーデターをしかけるというのが、一番恐ろしいからである。だから、それに対抗して、自分直属の武装組織を持とうとする。大統領なので、文民的に把握しやすいのは内務省管轄の警察だから、その警察の一部を軍の対抗力として精鋭化する。それがパラミリタリーである。-略-」

コスタリカ方式を望んだ著者。だが、国軍の創設。下「」引用。

「もともと、国軍の創設は、二国間援助で進んでいたものだ。主体となってやったのはイギリスとポルトガル。その裏にはもちろんアメリカがいて、オーストラリアも関与していた。僕の意見が通るはずもなかったのだが。」

そして、パラミリタリーの政治利用がはじまり、クーデターが起きたという。

「「美しい誤解」を生んだ日本のイメージ」下「」引用。

「「美しい」ということは、日本と日本人が信頼されていたことを意味している。そういうイメージがアフガニスタンの人びとの中にあった。一方、アメリカ人は武力を背景に何でもごり押しする醜いイメージである。だから、アメリカには武装解除する力はなかった。-略-」

アメリカの中将も認めたという。下「」引用。

「これができたのは日本だからである。アメリカの他の同盟国では絶対にできなかった。イギリスもできなかっただろう。
 これは僕だけの意見じゃない。当時の僕のカウンターパートであり、アメリカの中将で、後にアフガンの掃討作戦の最高司令官になった人物も、「日本にしかできなかったことだ」と言う。-略-」

九条のもとで暮らしてきた……。下「」引用。

「もちろんアフガニスタンの人の軍閥が憲法九条のことなんて知るはずもない。しかし、憲法九条のつくりだした戦後日本の体臭というものがある。九条のもとで暮らしてきたわれわれ日本人に好戦性がないことは、戦国の世を生き抜いてきた彼らは敏感に感じとる。-略-」

「日本のお金がなければ武装解除はできなかった」

「武力なしだし武装解除の現場には行かなかった」

「目に余る警察の腐敗を放置してはならない」



武装解除-紛争屋が見た世界-








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