磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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武装解除-紛争屋が見た世界-

2010年05月31日 | 読書日記など
『武装解除-紛争屋が見た世界- 講談社現代新書 1767』
   伊勢崎賢治・著/講談社2004年

やはり、こんなことをできる彼は、お坊ちゃまではなかった……。
--ぼくと似たような子供時代だったようである……。



建築家をめざした著者。下「」引用。

「スター建築家の舞台は、公共建築である。丹下健三氏や磯崎新氏の世界である。しかし、ああなるには一体どんな世渡りをしなければならないのだろうか。それに、公共建築は規模が大きいから当然、公的資金を元に造られる。血税だ。大きい建造物はできてしまってからが大変だ。維持費がかかる。-略-」

幼年期、米軍基地が花盛りのころ……。下「」引用。

「僕が幼年期を過ごしたのは、まだ米軍基地が花盛りの中央線立川である。基地の町であり、米兵、歓楽街、そして競輪場に群がる得体の知れない男たち。記憶は五歳ぐらいまでしか辿れないが、父親を亡くした親一人子一人の母子家庭が暮らしていたのは、黒人米兵に逃げられた子持ちもいる夜の女たちが寄り添い共同生活をしているうらびれた木賃アパートであった。-略-」

掃き溜めのような団地。下「」引用。

「小学校二年に上がった頃か、-略-都営住宅の母子家庭専用住宅の入居を決めてきた。-略-ここも米兵との間に生まれた子や障害を持つ子を抱えるなど男から捨てられた女たちの、社会の掃き溜めのようなコミュニティでった。」

団地の自治会で差別を受け母子家庭の女達は団結したという。

自治会長宅になぐりこみ。下「」引用。

「-略-今度は双眼鏡でこちらの“男”の出入りのチェックまでし始めた。自治に値しないコミュニティだと吹聴するためだ。自治会などをつくっても実益はたかが知れているが、こうなると後には引けない。“男”のうわさをたてられた当の女が、自治会長宅に単身殴りこみ(本当に殴りこんだ)、警察まきこんだ示談沙汰になり落着。第13自治会は発足し、女たちの独立運動は終わった。」

テロ解決の方法、オサマ副大統領に、ラジオ放送(シエラレオネ人主婦の意見)。テーマは「9・11とテロ世界戦」。下「」引用。

「なぜなら、この方法は内戦を止めるためにシエラレオネで実施されたことで、大虐殺の首謀者で、何千人もの私たちの子供の手足を切った反政府ゲリラのボス、フォディ・サンコゥを副大統領に祭り上げたのは他でもないアメリカなのです。そのお陰で私の国では今、武装解除が始まろうとしているのです」

クリントン政権=「非民主的という理由で侵略される昨今」 下「」引用。

「シエラレオネの和平に決定的な影響を及ぼしたロメ合意を演出したのは、クリントン大統領に指名されたジェシー・ジャクソン師であった。“グローバル・スタンダード”としての民主主義的な観点から言うと、涙が出るほど美しい、戦争犯罪をも取り込む多元主義(Pluralism)だった。紛争の仲裁者としての米国は、身勝手なまでの寛容さを、紛争の当事者へ押し付けるのだ。
 しかし、この過剰な寛容さはイラクやアフガニスタンでは微塵も行使されなかった。そこでは米国自身が、紛争の当事者だからだ。-略-」







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