『教科書に書かれなかった戦争Part28 世界の子どもの本から「核と戦争」がみえる』
長谷川潮、きどのりこ・編著/梨の木舎1997年
ボクは歴史を伝えるときは、事実が大切と思っています。
--戦争を伝えることも、歴史を伝えることですね……。
「まえがき」に書かれてあります。下「」引用。
「本書は日本を除く世界の戦争児童文学のガイドブックです。わたしたちは先に日本の戦争児童文学のガイドブックである『子どもの本から「戦争とアジア」がみえる』(梨の木舎、一九九四年)を刊行しましたが、本書はこれにつづく世界編であり、両者をあわせて世界中の戦争児童文学のガイドブックが完成しました。-略-
長谷川潮
きどのりこ
一九九七年七月」
はたして、そうなのだろうか? 下「」引用。
「■わたしはこう読んだ
「勝利者」が犯した「人類に対する時効なき犯罪」
神保 隆見
-略-帝国主義国家間戦争に敗北したドイツと日本、とりわけ遅れてきた「最後の帝国」日本は、帝国主義の重い罪を一身に背負わされた。罪は罪だが、それは実際の「罪のサイズ」をはるかに超えるものであった。そうさせる必要があった。勝てば官軍、負ければ賊軍、勝利したほうの帝国主義が犯した数々の「人類に対する時効なき犯罪」を隠す必要があったからだ。
例えば、連合軍が敢行したドイツの古都ドレスデンへの空爆は、それ以前の歴史になかった新しい「戦争の思想」に基づくものであった。-略-
「南ベトナムの森林の六十%以上を破壊し、およそ九万トンものダイオキシンを含む枯葉剤を十年間もまき散らし続けた」作戦は、「戦力爆撃」のベトナム版であった。メディアを駆使して広範囲に市民生活をコントロールする「洗脳」の技術も成長を遂げ、冷戦崩壊後、この「双子」が地球の隅々まで覆い尽くし、日本のなかにとけ込んだ。
『キムドン』が遠く霞んで見えるのもそのためだ。」
日本の罪についても、全体ではなく、ケース・バイ・ケースにみていくものだろう……。
そこでは、罪のない人が裁かれ、大罪をおかした者が生き残った……。
--これが、歴史的事実だろう……。
--『父への四つの質問』について。下「」引用。
「ところで、ちよっと気になる記述がある。たとえば「ハンスおばさんは、妻が乱暴されるのをおとなしく見ていなかったいうので、有色系フランス兵からふくろだたき……」(二二四頁)という描写である。以前読んだフランスのレジスタンス関連の本にも、「モンゴル兵の蛮行」といったところがあった。私の知る限り、敗北しつつあるドイツにおける蛮行はソ連兵によるものが多かったように記憶する。「有色」をもち出す作者に果たしてどういった意識があったのか。」
フランスの植民地からかりたてられた兵士がそのようにあった事実を書いたとしたら、別に問題ではないだろうか?
むしろ、こんなことを問題にするのは、逆差別ではないか?
それよりも、植民地からの兵隊は、ひどい扱いをされていたことも事実。映画にもなっていますね……。
日本兵の蛮行を伝えることも必要だけど、それ以上必要なのは日本のとった戦争システム。
つまり、戦争を計画し遂行した者たちの罪である……。
--今も、社会をシステムとして考えられず、二分法で考えるおろかなイデオロギーの人たちもいる……。
--トラップ一家
「民衆の歌声は戦争の対極にある」という……。
--『トラップ一家物語り』についての感想。
しかし、歌声も戦意高揚のために利用されたのが、歴史。
--大衆が戦争を正当化し、戦争に参加していったのも事実。
それを狙っていたから、トラップ一家は逃げ出した……。
--【映画】サウンド・オブ・ミュージックのモデルになった一家。
■ do re mi fa, the sound of music ■
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もくじ
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長谷川潮、きどのりこ・編著/梨の木舎1997年
ボクは歴史を伝えるときは、事実が大切と思っています。
--戦争を伝えることも、歴史を伝えることですね……。
「まえがき」に書かれてあります。下「」引用。
「本書は日本を除く世界の戦争児童文学のガイドブックです。わたしたちは先に日本の戦争児童文学のガイドブックである『子どもの本から「戦争とアジア」がみえる』(梨の木舎、一九九四年)を刊行しましたが、本書はこれにつづく世界編であり、両者をあわせて世界中の戦争児童文学のガイドブックが完成しました。-略-
長谷川潮
きどのりこ
一九九七年七月」
はたして、そうなのだろうか? 下「」引用。
「■わたしはこう読んだ
「勝利者」が犯した「人類に対する時効なき犯罪」
神保 隆見
-略-帝国主義国家間戦争に敗北したドイツと日本、とりわけ遅れてきた「最後の帝国」日本は、帝国主義の重い罪を一身に背負わされた。罪は罪だが、それは実際の「罪のサイズ」をはるかに超えるものであった。そうさせる必要があった。勝てば官軍、負ければ賊軍、勝利したほうの帝国主義が犯した数々の「人類に対する時効なき犯罪」を隠す必要があったからだ。
例えば、連合軍が敢行したドイツの古都ドレスデンへの空爆は、それ以前の歴史になかった新しい「戦争の思想」に基づくものであった。-略-
「南ベトナムの森林の六十%以上を破壊し、およそ九万トンものダイオキシンを含む枯葉剤を十年間もまき散らし続けた」作戦は、「戦力爆撃」のベトナム版であった。メディアを駆使して広範囲に市民生活をコントロールする「洗脳」の技術も成長を遂げ、冷戦崩壊後、この「双子」が地球の隅々まで覆い尽くし、日本のなかにとけ込んだ。
『キムドン』が遠く霞んで見えるのもそのためだ。」
日本の罪についても、全体ではなく、ケース・バイ・ケースにみていくものだろう……。
そこでは、罪のない人が裁かれ、大罪をおかした者が生き残った……。
--これが、歴史的事実だろう……。
--『父への四つの質問』について。下「」引用。
「ところで、ちよっと気になる記述がある。たとえば「ハンスおばさんは、妻が乱暴されるのをおとなしく見ていなかったいうので、有色系フランス兵からふくろだたき……」(二二四頁)という描写である。以前読んだフランスのレジスタンス関連の本にも、「モンゴル兵の蛮行」といったところがあった。私の知る限り、敗北しつつあるドイツにおける蛮行はソ連兵によるものが多かったように記憶する。「有色」をもち出す作者に果たしてどういった意識があったのか。」
フランスの植民地からかりたてられた兵士がそのようにあった事実を書いたとしたら、別に問題ではないだろうか?
むしろ、こんなことを問題にするのは、逆差別ではないか?
それよりも、植民地からの兵隊は、ひどい扱いをされていたことも事実。映画にもなっていますね……。
日本兵の蛮行を伝えることも必要だけど、それ以上必要なのは日本のとった戦争システム。
つまり、戦争を計画し遂行した者たちの罪である……。
--今も、社会をシステムとして考えられず、二分法で考えるおろかなイデオロギーの人たちもいる……。
--トラップ一家
「民衆の歌声は戦争の対極にある」という……。
--『トラップ一家物語り』についての感想。
しかし、歌声も戦意高揚のために利用されたのが、歴史。
--大衆が戦争を正当化し、戦争に参加していったのも事実。
それを狙っていたから、トラップ一家は逃げ出した……。
--【映画】サウンド・オブ・ミュージックのモデルになった一家。
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