磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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中沢啓治 平和マンガシリーズ7 お好み八ちゃん

2006年05月10日 | 読書日記など
『中沢啓治 平和マンガシリーズ7 お好み八ちゃん』
   中沢啓治・作/汐文社1986年、1994年5刷

・お好み八ちゃん
・カレーバカ
・タイ焼き音頭
・ある恋の物語
の四作品が収録されています。



この本は戦争のことは書かれてありません。

貧しい人たちが努力して生きていることが
書かれあります。

昔の松竹新喜劇や、吉本新喜劇のように、
庶民をバカにしないで、この世の中は
庶民でもっているという現実を忘れない、
庶民的な作品です。

いつのころやったやろか、
「ぜいたくは素敵!」と、言い出したころ。
どうも、戦時中の「贅沢は敵」というのと
反対で面白いという人もいましたね。

まあ、どっちも人の心を荒廃させた、
悪徳なスローガンであるような気がしてなりません。

自分の背丈にかなった贅沢は、
それは悪いことではないと僕は思います。

ところが、何をしてでも、たとえ人を騙してでも、
金持ちになれば贅沢はできる。
そんなアホな考えを持ちはじめました。

踏みにじった人の心も忘れてしまう。
そんなので幸せになれるはずがありませんね。

高度大量消費社会という物質社会と、
対決をはじめた中沢啓治がここにいるという
感じですね。

人間の間違った欲望が戦争をつくりだした。
それと似たものと思えて仕方がありません。

テレビや新聞も、世の中のことを、
もっと考えてもらいたいと思います。
このような社会的なことも考えた作品を、
国民に提供してもらいたいものです。



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