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二・二六事件 岩波ブックレット シリーズ昭和史No.2

2009年11月14日 | 読書日記など
『二・二六事件 岩波ブックレット シリーズ昭和史No.2』
   須崎慎一・著/岩波書店1988年

侵略戦争の第一歩だったという……。下「」引用。

「二・二六事件--それは、大規模な侵略戦争の開始へと、時計の針を大きくすすませ、日本国民に無謀な戦争を強要したのみならず、近隣諸国民に言語に絶する被害をあたえた一歩となったのである。」



処刑……。下「」引用。

「事件をおこした青年将校らは、結局「叛軍(はんぐん)」とされ、自決者二名(野中・河野両大尉)、すでに前年に軍を追われていた村中孝次(たかじ)・磯部浅一の両名をくわえて青年将校一五名、および「叛乱の首魁(しゅかい)」とされた北一輝、西田税や、水上源一・渋川善助の一九名が処刑されることになる。
 失敗したクーデターであったにもかかわらず、二・二六事件は、日本の政治・経済・社会の様相を一変させた。『東京朝日新聞』の社説をみても、二・二六事件前は、「軍事費の名を冠すれば名にでも絶対性を帯び、財政計画がその前に低頭すべきであるとは軍事当局者と雖も考へて居ないであらう」といった軍事費への批判が散見さたれ。-略-
 ところが、二・二六年事件以後になると、その批判は、「統帥権尊重と同様、外交権も財政県も尊重されなければならない」(一九三六年四月九日付)と、いちじるしくトーン・ダウンしたものになっていく。-略-「軍備ばかりいらぬ金を使い、ファッショ気分わきたたせ」る社会に、日本を決定的に変貌させる突破口となった事件であった。」

財閥の横暴と政党の不敗。下「」引用。

「国民のあいだには、財閥の横暴や政党の腐敗への反発から、軍部を支持し、ファッショ的なものに共鳴する雰囲気がしだいにひろがっていった。」

三菱・三井財閥。下「」引用。

「一九三○年の大恐慌以後、既成政党、とりわけ政友会と結びつき、利益をむさぼっていると、軍部やファシズム運動はもとより、世論からも非難・攻撃されてきた三井財閥は、ここに、軍部との連携をかためる第一歩を踏みだしたのである。そしてこの三井財閥の「転向」は、三菱財閥の「転向」へとつながっていく(一九三四年三月の「三菱精神綱要」は、それを象徴する)。」

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鳩山一郎文相の収賄。下「」引用。

「政友会の岡本一巳が、同党の鳩山一郎文相のかつての収賄を内部暴露し、政党のみにくさが、国民の前にさらけだされた。」

「青年将校の農村救済論」 下「」引用。

「二・二六事件に参加した青年将校たちが、国民の窮状、とりわけ農村をなんとかしなければならないと考えていたことはまちがいない。問題は、それがどういう発想からでてきたのかという点であった。-略-侵略性という点では、青年将校と、かれらが反発した軍閥とのあいだには、なんらの差異も存在しなかつたのである。」

石原莞爾に対する安藤大尉の怒り。下「」引用。

「一九三六年七月一二日、「叛乱の首魁」として処刑された安藤輝三大尉は、処刑の数日前、妻にひそかに遺書をわたした。そのなかでかれは、二月二六日当時「軍当局は吾人の行動を是認し」ていたにもかかわらず、奉勅命令が発動されるや、手のひらをかえしたように討伐を開始し、山下奉文(やましたともゆき)少将・石原莞爾大佐などは自決を強要した、と怒りをぶつけている。-略-」







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