『★無名戦士と記録シリーズ 原爆と一兵士』
秦恒雄・著/旺史社1980年
原爆のことを一兵士という人たちが知っておられたようです。

この著者は当時、広島から離れたところにいました。下「」引用。
「一九四五年八月六日
(その当時、私は、海軍上等主計兵として大竹海兵団第三三分隊に服役していた。大竹海兵団は、広島の西方二五キロの地点にあり、つねに一万ないし三万の兵員を擁する日本海軍最大の教育部隊であった)」
その25キロ離れたところから、原爆の爆発をみる。
とても大きな爆発でみんなで驚いていたようです。
大阪に住んでいたことのある人は、枚方で火薬庫が爆発したときのことを語り、それでも十分の一もなかったと話す。
東京に住んでいたことのある人は、「関東大震災」の時の入道雲くらいの大きさだという。
この地でB29の攻撃をうけたとき、燃料廠の数個のタンクは、全部直撃をうけて破壊され、炎上。
しかし、広島から遠望した人は、特別の注意をしなければ見えなかったという。
そこから考えて、10倍以上の爆発だろうと考えたという……。
そして、そんな兵器とは原子爆弾であろうと語り合ったという。下「」引用。
「「マッチ箱ひとつぐらいの大きさで、富士山が吹き飛んでしまういう爆弾ね」
「原子爆弾かい」
「ああ、そういうものができるという話もあるんだから、どんな爆発が破裂しないとも限らないね」
しかし、アメリカが投下したのではなく、日本の新兵器だと語り合ったという。
田中館という人が原子爆弾をつくっているという。
大本営は半分は本当だという。下「」引用。
「大本営の発表はあてにならぬというが、しかし話半分に聞いたとしてもだね、やはり何十隻という軍艦をどしどし沈めてゆくんだ。岩国航空の連中の話だが、神雷ちゅう特攻機に積み込む爆弾など物凄いというぜ! 一発で必ず戦艦を一隻吹きとばすようにできているというからね。そんな爆弾を、どこかに集めてあったんじゃないかね」
どこの国でもわかっていたという。下「」引用。
「そして残ったウラン元素と一緒に大爆発をおこさす、という仕掛けになる。この原理は四、五年前から、どこの国でも解っていたのですがね。工業的につくりあげたのは、さすがアメリカさんだな」
ピカドンぜんざいが、己斐のそばの小屋で売られていたという。
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秦恒雄・著/旺史社1980年
原爆のことを一兵士という人たちが知っておられたようです。

この著者は当時、広島から離れたところにいました。下「」引用。
「一九四五年八月六日
(その当時、私は、海軍上等主計兵として大竹海兵団第三三分隊に服役していた。大竹海兵団は、広島の西方二五キロの地点にあり、つねに一万ないし三万の兵員を擁する日本海軍最大の教育部隊であった)」
その25キロ離れたところから、原爆の爆発をみる。
とても大きな爆発でみんなで驚いていたようです。
大阪に住んでいたことのある人は、枚方で火薬庫が爆発したときのことを語り、それでも十分の一もなかったと話す。
東京に住んでいたことのある人は、「関東大震災」の時の入道雲くらいの大きさだという。
この地でB29の攻撃をうけたとき、燃料廠の数個のタンクは、全部直撃をうけて破壊され、炎上。
しかし、広島から遠望した人は、特別の注意をしなければ見えなかったという。
そこから考えて、10倍以上の爆発だろうと考えたという……。
そして、そんな兵器とは原子爆弾であろうと語り合ったという。下「」引用。
「「マッチ箱ひとつぐらいの大きさで、富士山が吹き飛んでしまういう爆弾ね」
「原子爆弾かい」
「ああ、そういうものができるという話もあるんだから、どんな爆発が破裂しないとも限らないね」
しかし、アメリカが投下したのではなく、日本の新兵器だと語り合ったという。
田中館という人が原子爆弾をつくっているという。
大本営は半分は本当だという。下「」引用。
「大本営の発表はあてにならぬというが、しかし話半分に聞いたとしてもだね、やはり何十隻という軍艦をどしどし沈めてゆくんだ。岩国航空の連中の話だが、神雷ちゅう特攻機に積み込む爆弾など物凄いというぜ! 一発で必ず戦艦を一隻吹きとばすようにできているというからね。そんな爆弾を、どこかに集めてあったんじゃないかね」
どこの国でもわかっていたという。下「」引用。
「そして残ったウラン元素と一緒に大爆発をおこさす、という仕掛けになる。この原理は四、五年前から、どこの国でも解っていたのですがね。工業的につくりあげたのは、さすがアメリカさんだな」
ピカドンぜんざいが、己斐のそばの小屋で売られていたという。



