磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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SF『1984年』ジョージ・オーウェル

2006年04月03日 | 読書日記など
『1984年』
    ジョージ・オーウェル(著)/新庄哲夫(訳)/
       株式会社早川書房S50年再版発行

この本は平和などに関連する本などに、
取り上げられていることがある有名なSF作品です。



この名言はわかり辛いかもしれませんが、
平和などに関連して考えていくと、平和の反対側にいる人たちの
思考をうまくいいあてていると思います。下「」引用。
「戦争は平和である
自由は屈従である
無知は力である」

このようなことが、ありえるわけないでしょうという人が
おられるでしょうね。

二重思考というのをされている方は、
まさにこの通りだと私は思います。

戦争好きや、そんな人たちを支持する人たちの考え方も
書かれています。著者はそれを二重思考と表現しています。同。

「二重思考(ダブルシンク)とは一つの精神が同時に相矛盾する二つの信条を持ち、その両方とも受け入れられる能力のことをいう。党の知識人達は、如何なる方向に己れの記憶を変造せねばならぬか熟知している。従って己れが現実をごまかしていることは承知の上だ。ところが二重思考を行使することにより、彼は現実が侵されておらぬと己れを納得させるのである。その過程は意識的なものでなければならぬ、さもなければ充分な精確さにより実行されないであろう。然し同時に無意識的なものでなければならぬ、さもなければ虚構を造ったという感情、更に罪悪感をも伴うだろう。-略-等の本質的な行動は意識的な欺瞞手段を用いながら、完全な誠実さに裏打ちされた堅固な目的を保持することだからである。一方で心から信じていながら意識的な嘘を付く事、不都合になった事実は何でも忘れ去る事、次いで再びそれが必要となれば、必要な間だけ忘却の彼方から呼び戻す事、客観的事実の存在を否定する事、それでいながら自分の否定した事実を考慮に入れる事--以上は全て不可欠な必須要件なのだ。」

初めはややこしいかもしれませんが、
日本の政治家でもこういう方がほとんどですね。
こんな考えをしている人に一票を入れる気には、
私はなりません。どの政党の政治家であろうが……。

政治家だけでなく、宗教家のなかにも、
このような方がおられますね。

このような考えをする人たちの神は十字架にはりつけに
された方が神としても、神=権力(※俗世間の)となってもいるのです。
都合のいい思考をはじめると何とでも世の中はなると
思うらしいですね。

こんな表現があります。同。

「党の主張するところによれば、もちろん党がプロレ階級をドレイの身分から解放したというのである。革命前は資本家によって抑圧され、飢餓状態に置かれ、鞭打たれてきた、女たちは炭坑で強制的に働かされ(現に女たちは今なお炭坑で働いていたが)、子供たちは六つになると工場に売り飛ばされてきた。しかしそれと同時に、党は二重思考の原理に従って、プロレを生まれながら劣等人種だとみなし、動物のように若干の簡単なルールを適用して隷属させなければならぬと教えていた。実際、プロレのことはほとんど知られていなかった。」

現実の世界にあてはめれば、プロレというから、プロレタリアート?
と思いましたが、別に「黒人」と言い換えてもいいような気もします。
右も左も、あまり変わらないですね。
そして、日本人の政治にも適用されていることでしょうね。


『エコロジー -人間の回復をめざして-』ドミニック・シモネ(著)/辻由美・訳/白水社1980年では、「ジョージ・オーウェルが、著書『一九八四年』のなかで、集団主義的で老獪な独裁者に支配される。強制収容所にも似た世界を想定したユートピアを描き出してた。」
と書かれてあります。


『まことに残念ですが… ROTTEN・REJECTIONS 不朽の名作への「不採用通知」160選』アンドレ・バーナード(著)/木原武一(監修)/中原裕子(訳)/徳間書店1994年では、スティーヴン・キングのメモとして、この作品のことが書かれてありました。

9・11以後の監視-〈監視社会〉と〈自由〉-







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