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磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

原発放浪記-全国の原発を12年間渡り歩いた元作業員の手記-

2011年11月06日 | 読書日記など
『原発放浪記-全国の原発を12年間渡り歩いた元作業員の手記-』
   川上武志・著/宝島社2011年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「被曝の対価は日当1万円!
刺青者から元銀行員まで、好感、悪漢入り混じった同僚たち。命じられた高放射線エリアへの突入、理不尽な解雇通告、ガン発症……。福島第一原発から浜岡原発まで、原発ジプシー自身が書く原発作業員の生き様!」



労働時間が短くて……。下「」引用。

「若い頃には労働にあまり価値を見出すことができず、私は旅人きどりで風のように放浪の日々を送っていた。つまり怠け者だったのだが、そんな私が天職を見つけた。労働時間が極端に短くて、おまけに放浪という性癖も満足させてくれる原発労働者という生き方だった。定期点検工事で各地を点々とする原発渡り鳥の暮らしの中に身を置いてからは、水を得た魚のように生き生きとしたのは事実だった。その結果、昭和55年から61年まで、プラント建設や定検工事の仕事で全国各地の原発を渡り歩くことになった。その後、原発労働者稼働から足を洗ったものの、相変わらず放浪の生活は続き、それは海外にまでおよんだ。帰国してからは、再度原発労働の世界に身を投じることになり、平成15年から5年余り浜岡原発で働いた。
「原発」と「放浪」……改めて自分の人生を振り返ってみると、この2つの言葉で言い尽くされるような気がする。
 原発労働者としての生き方から離れたのち、ネット新聞に高放射線エリアでの作業体験をつづった文章を投稿したのがきっかけで、宝島社から原発労働者の手記を書いてみないかと声をかけられた。-略-」

空気の濃密さ……。下「」引用。

「それに、高放射線エリアには独特の空気の濃さがある。放射能は目で見えないが、この空気の濃厚さ、濃密さが我々労働者の体に危険を教えてくれる。その空気に包まれた瞬間、体が警報を発する。「早く逃げろ!」と教えてくれるのだ。内部被ばくは、ホールボディカウンターという機械を使って調べるが、じつは原発労働者は自分自身の中にもっと感度のいい機械を持っている。長年原発で働いた者なら、私のような機械を体内に持っているはずなのだ。」

ペーパータオルで体を拭く、福島の現場……。下「」引用。

「現在、福島第一原発では数百名から1000人以上の労働者が働いているそうだが、原発震災から3カ月間近くは、彼らは缶詰めとかパン、レトルト食品や即席ラーメンなどを食べて頑張っていたらしい。シャワー設備がないので体はペーパータオルで拭き、そして寝るときには、体育館で数百人が直接床の上で毛布に包まり、雑魚寝をしていたのだという。いまはベッドが提供され、環境はかなり改善されているようだ。」

英雄……。下「」引用。

「放射能地獄に焦熱地獄……。過酷で最悪の労働環境に加えて劣悪で非衛生的な生活環境。いま地球上でもっとも危険な場所に赴き、日々戦っている人たちを部外者は英雄と呼んでいる。しかし彼らは、「英雄なんてとんでもない。そんな言い方はやめて欲しい」と静かに語ったという。彼らですら英雄でないとすれば、我々原発労働者の日常は、なおさら英雄とはほど遠いものだった。少なくとも、私の知っている労働者のほとんどは自分も含めてそうだったのだ。」

「安全教育というマインドコントロール」

点検の期間短縮。下「」引用。

「ところが最近の定期点検は、コスト削減と原子炉の稼働率を上げるために、時間はかなり短縮され、60日以内にすべてやってしまう。施設が古くなれば検査をしっかりとやらなければいけないのだが、なぜか点検の期間は短縮されているのだ。」

「刺青者も集まってきた美浜原発の定検工事」

潜入記事……。下「」引用。

「監視員は刺青者にの対してだけ監視の目をそそいでいるわけではない。しかし監視員がもっとも注意しているのは、刑務所と同じで、作業現場から何か持ち出していないかだった。それから、フリーライターが潜入記事を書くために作業員面(づら)して紛れ込んでいることが結構あったので、当然彼らも監視の対象となる。フリーライターは、現場に小型カメラを持ち込んでいる場合が多い。だから、監視員は手の中やパンツの中に隠しているものを発見するために特に慎重になっているのだ。-略-」

JANJANで投稿記事掲載「原発ジプシー」平成22年12月26日。

浜岡原発でガン患者……。下「」引用。

「ほんの数年前のこと、浜岡原発で非破壊検査の仕事を長くしていた労働者が顎のガンにかかった。彼の同僚たちは、放射線を浴び続けることによってガンに侵されたのだろうと噂し合ったが、中部電力は浜岡原発での作業とガン発症の因果関係を認めようとしなかった。それに同僚たちも、後難を怖れて彼の病が原発での作業ゆえという発言を控えた。中電に睨まれるのを嫌ったのだ。」

社長は元賭場荒し……。

「飯場さながらの宿舎生活」

福音とだまされたホルシミス効果……。下「」引用。

「低線量被ばくは体にいいという確固たる、揺るぎのない定説として、原発労働者の間で流布されていたのだ。その説に労働者の大半が見事にだまされ、私自身もつい最近まで信じ切っていた。この話をくどいほど何度も書いているが、我々原発労働者にとっては、とても重要な意味を持つことなのだ。電力会社社員という立場のある人から聞いた、生涯忘れることのできない虚言だったからである。」

髪と汚染……。下「」引用。

「-略-足の放射線汚染が見つかった作業員は、放管員のOKが出るまで石鹸で洗い続けなければいけない。OKが出ないと外に出られないのだ。以前、体表面モニターで腰のあたりの汚染を指摘された人がいたが、サーベイしてみるとパンツが汚染されていた。その人は紙パンツにはき替えて自宅に戻ったが、彼のパンツは焼却処分された。パンツではなく髪だとすると、何度洗っても汚染度が低下しなければ切ることになる。」

「5万円の日当がピンハネで8000円に」

「福島第一原発の「特攻隊」」








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